撮影日記 2026年6月分 バックナンバーへTopPageへ
 
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● 26/6/25 Shadow City

 ふとした拍子に頭の中に勝手に流れる寺尾聡さんの曲の名前を調べてみたら、 『Shadow City』 という曲でした。
 何となく覚えている名前なので、大ヒットした『ルビーの指輪』ほどではないにしても、おそらくそこそこ売れた曲なのでしょう。
 寺尾聡さんと言えば、中学生の時、同級生のM君が大ファンでした。
 M君は、一言で言うと、変わり者。
 好みが老けていて、まわりのみんなとは、まったく話題が合いませんでした。
 にもかかわらず、自分が好きな物事の話を、まるで同好会の仲間たちと熱く語り合うかのように当たり前のように話し始めました。
 寺尾聡さんの話もまさにそんな感じでした。
 今ヒットしているみんながよく知る曲の話をするのではなく、
「今ね、サベージの曲に夢中なんよ。あっ、寺尾聡が昔やってたバンドね。」
 みたいな感じで。
 今なら、インターネットで寺尾聡と検索すれば、一通りの経歴を知ることができますが、当時はインターネットはなかったし、おそらくM君は、寺尾聡さんに関して書かれている雑誌類を読み漁ったのだと推測します。
 寺尾聡さんに影響された、と眼鏡をおでこのところにかけて、それについて語り始めた時は、みんな返答のしようがなく、困りました。
 クラスメイト達は、M君の話がおもしろくないので、煙たがっていました。
 でも、今思い出してみると、その思い出がなんとなく自分を楽しくし、なにか豊かにしているような気がします。
 M君は、話しはずれているものの、穏やかな性格で、強引な感じがなく、俺様感がなかったからかな。
 M君の思い出に限らず、他にも、何でもない日常の一コマが妙に心に残っていたりして、何が自分にとっていい思い出になるのかは、わからないものだなと思います。
 人それぞれなのでしょうが、僕は、思い出になるだろうと企画された何かよりも、何でもない日常の一コマの方がいい思い出になっていることが多いように感じます。
 僕は、人の意図ではないものを好きになる傾向があります。



● 26/6/23 思い出せない武田システム


M SYSTEM OM-1U M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

 カエルを撮影して車に戻る途中で、大量のキイロテントウを見かけました。
 そう言えば、過去にたった一度で、しかもついでだったけど、「キイロテントウの写真を・・・」という依頼があったことを思い出し、撮影しておくことにしました。
 僕は、可能な限りストロボを使わないのですが、ちょっと撮影してみたところ、ストロボなしでは無理と判断しました。
 そこで、自分で考案したストロボシステムを組み立てようと思ったら、やり方がどうしても思い出せません。
 市販のシステムなら、スマートフォンでインターネットを検索すれば、道具の使い方はたいてい見つかりますが、自作のシステムの場合は、どうにもなりません。
 そこに、最近のストロボ特有の事情が付け加わります。
 今流行りの液晶パネルを使用した操作は、基本的には分かりやすいけど、ふとした拍子に分からなくなることもあり、漠然とした不安がつきまとい、その自信のなさが焦りにつながりやすいのです。
 そして、焦ってストロボの操作を思い出そうとすると、老眼が邪魔をします。
 ああ、おもしろくない。やめたやめた!となりがちなのです。
 結局、その場では武田システムの使い方を思い出すことはできませんでした。
 しかたがないので何となく最低限の写真を撮り、その欠点は、画像処理で補うはめになりました。
 帰宅後によく考えてみると、いろいろな状況に対応できるように、と武田システムを拡張するためのパーツが、混乱に結びついていたことがわかりました。
 最低限のものだけを持ち歩くことにしました。
 また、OMのカメラでストロボを使う時のやり方と、ニコンのカメラでのやり方が違っていて、その違いも自分を混乱させていたことがわかりました。
 性質の違うそれぞれのカメラに特化したやり方をと思っていたのですが、僕の記憶力や能力を超えていることがわかり、どちらもカメラでも同じやり方をするように改めました。
 その過程でいろいろな道具を引っ張り出そうとすると、自分がどこに整理したかがわからずに、なかなか見つからないものがありました。
 整理で難しいのは、合理的な整理と自分の感覚とが一致しないことが、よくあることです。
 僕の場合、よりちゃんと整理した結果、物が見つからなくなることが、多々あります。



● 26/6/19 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO


OM SYSTEM OM-1
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

 僕は若い時に野鳥専門のカメラマンになろうと思っていたので、その象徴であるニコンとキヤノンの超望遠レンズには特別な思い入れがあります。
 でも、現実には、それらの大きくて重たいレンズはもう長く持ち出してないので、手放して、そのお金でより機動力が高く持ち出す気になるOMの150-400を買い、先日、初めて野鳥を撮影しました。


OM SYSTEM OM-1
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

 このレンズの特徴は接写能力が高いことで、野鳥が撮影できるだけでなく、虫サイズの生き物の撮影にも使用できます。
 試してみると、結果はなかなかのものです。
 ただし、虫サイズのものを撮影する場合は、もう少し短いレンズの方が扱いやすく、野鳥撮影のついでに虫も撮れるみたいな感じでしょうか。

 野鳥専門のカメラマンを目指した経験は、今、小さな生き物の撮影に生きています。
 野鳥の場合、よほどに特殊なケースをのぞき、ストロボやレフ板を使用できないので、自然光の使い方が体に染みつくのが、まず第一です。
 特に若い時に僕が使用していたニコンのレンズは、シャープだけど、反面、描写がとても硬くて、光の位置が悪いと汚い感じの写真に仕上がりやすかったので、なおさらでした。
 その後、キヤノンの製品も使用するようになった時に、キヤノンのレンズは柔らかくて、ニコンのレンズでは避けていたような状況でもちゃんと写るケースがあり、柔らかい描写が求められる女性の写真を撮る人があまりニコンを使用しなかったのがうなずけたものでした。
 ただ、皮肉っぽくなってしまいますが、当時のニコンのレンズを使用した経験は、光の使い方を覚えるうえで、とてもいい勉強になりました。
 第二は、待つことを覚えたことです。
 野鳥の場合、いい写真を撮ろうと思ったら、追いかけるよりも待つことが近道です。
「あの枝に止まってくれたら最高だから、枝の前で待とう」みたいな。
 小さな生き物を撮影する人は、大抵、被写体を探し追いかけるのですが、実は、小さな生き物の撮影でも待つのはとても有効です。
 第三は、望遠レンズの使い方の基本が染みつくことです。
 ボケを生かして被写体を浮かび上がらせる使い方です。
 ともあれ、M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROは、一言で言うと、使い道が多い、実用性に特化したレンズだと言えるでしょう。



● 26/6/15 ポータブルバッテリー

 取材中に車内泊用のポータブルバッテリーが故障したのは、5/15の日記に書いた通りです。
 僕が使用しているケンウッドの製品は、電気自動車日産リーフのバッテリーをリサイクルして搭載したもので、夏の車内の温度でも保管できる安全性の高さが特徴です。
 なのに充電ケーブルの差込口が壊れてしまいったのだから、話しになりません。
 ポータブルバッテリーは、車内泊の取材ではカメラの電池の充電の際に不可欠なので、予備が必要と悟りました。
 そこで、今人気のジャクリーのホームページを見てみたら、ちょうど安売り中だったので、手持ちのものよりも小さくて軽い製品を1つ購入しました。
 そのジャクリーが、初めて使用した先日、車の走行中に充電できませんでした。
 車内泊の取材だというのに、充電の容量が空になってしまい、あとは邪魔くさい空箱と化しました。
 初期不良か・・・クソやな。実に実に不愉快です。
 ところが帰宅後に、自宅のコンセントで充電したら、今度は充電できました。
 ということは、車のシガーライターから充電するための充電コードの故障の可能性が考えられるので、メーカーに連絡して、充電ケーブルの交換をお願いすることにしました。
 その前に念のために、と車内での充電を別の車で試してみたら、なんと、ちゃんと充電できるではありませんか。
 ということは、車のシガーライターのソケットの異常?
 ジャクリーさん、疑ってすいませんでした。
 非難すべきは、車の方でした。
 そこで、これまた念のために、ジャクリーが充電できないシガーソケットで、ケンウッドのバッテリーを充電してみたら、なんと、充電できました。
 もう訳がわかりません。
 そこから考えられるのは、どこにも故障はないけど、僕の車とジャクリーの相性が悪いということです。
 これはどうにもならないので、故障よりもたちが悪い結末です。
 でも、ジャクリーみたいな大手のメーカーの製品に、そんなことってあるかな・・・
 そう言えば、僕の車のシガーソケットは2ヶ所。助手席の足元にある純正のものと、車を買った時に取り付けてもらった後付けのものです。
 そして、僕が試したシガーソケットは、後付けの方。もしかしたら、純正のシガーソケットならいけるかも、と試してみました。
 すると今度は、ジャクリーもケンウッドも、それどころか携帯電話でさえ充電できません。
 これは間違いなく通電していません。
 今日、車屋さんで見てもらったら、原因は接触不良で、通電するようになったシガーソケットでは、ジャクリーもケンウッドも共に充電できました。
 いやぁ、実にややこしいです。
 原因探しに疲れ果てました。



● 26/6/9 更新のお知らせ

今月の水辺を更新しました。



● 26/6/3 旬



 ヒメダカの産卵を撮影しようとしたら、オスが手前に来てしまいました。
 オスが手前にくると、奥のメスが産む卵がオスの体に隠れて見えなくなるので撮影はやり直しやなと思ったら、今回は、オス越しでも見えるくらいの大量の卵を産みました。
 メダカのメスは、春〜秋までほぼ毎日卵を産みます。
 したがってその撮影には季節があまりないようでいて、やっぱり旬があり、今の時期は、春に始まった産卵が盛んになる旬です。
 今なら、時には、オスの求愛なしでメスだけでも産卵することがあり、とにかくメダカが卵を産みたがっている感じがします。
 言うまでもなく、卵を産みたがっている時の方が、産卵の撮影は簡単になります。
 さらに、統計を取ったわけではないけど、季節が進むと、卵の孵化率が下がる印象があり、卵の孵化なども撮影が難しくなります。
 僕がメダカを初めて撮影したのは、まだカメラがフィルムだった時代の冬でした。
 ヒーターで水槽を温めればメダカは卵を産むので、他の撮影が少なくてじっくり時間をかけられる冬を選んだわけですが、とても難しく感じられたのは、知識や技術の不足もあったけど、他にメダカの繁殖の旬ではない時期だったからでしょう。
 生き物の場合、割といつでも撮影できそうに思える種類でも、写真を撮ってみると、必ずと言っていいくらい旬が存在し、その旬を外すと格段に撮影が難しくなります。
 
 野生生物の撮影に比べると、人が改良した品種であるヒメダカの撮影は、ロマンを感じにくい難しさがあります。
 カメラマンが被写体に感じるロマンは、撮影を頑張る動機の一番手だと言えます。
 そんな場合に撮影技術に興味があれば、被写体に感じるロマンに代わって技術を磨くことが、撮影をがんばる動機になります。
 よりクリアーな写真を撮るにはどうしたらいいか、みたいな技術の追求が撮影を楽しくするし、その結果、夢中になって写真を撮ることに結びつきます。
 仕事で写真を撮る場合、撮影段階ではあまり興味がない被写体を撮影することもあります。
 その点、撮影技術に興味があれば、被写体が何であっても楽しく過ごすことができます。
 他には、カメラを触るのが楽しいも、がんばる理由になるでしょう。
 僕はあまりカメラには興味がありませんが、それでも買って間もないカメラなどは、何を撮っていても楽しく感じる傾向があります。
 それを思うと、カメラ好きの人は、カメラに興味がない人と比べて何を撮っていても楽しさが増し、それをうまいこと利用すれば、頑張る動機になることでしょう。



● 26/6/3 続・メダカのひれ


NikonZ8
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

 青の背景に続いて、白の背景でもメダカのメスのひれを撮影したら、青の背景と同様にひれが背景に溶け込んでしまい、なかなか写ってくれません。
 やがて根気が保てなくなりはじめ、撮影の中止を検討しました。
 僕の場合、そんなときは、中止をした方がいいさまざまな理由が頭に思い浮かびます。
 今回真っ先に思い浮かんだのは、青の背景の写真があるのだから、もうそれでいいかな・・・という中止の理由でした。
 一方で、撮影用のヒメダカの育成には結構な時間がかかっていて、将来また一から準備をするのは骨が折れます。
 さんざん迷ったあげく、結局、撮影を続けることにしました。
 実は、ヒメダカは、昨年撮影する予定でした。
 ところがショップからヒメダカを取り寄せてみたところ、体型があまりよくないものがほとんどで、しばらくうちで育ててみても、完璧にはなりませんでした。
 ヒメダカは今、主に餌用として売られているので、扱いが丁寧ではなく、ひどい体型のものが多いのです。
 さてどうしたものか?と考えたあげく、撮影を一年先延ばしにして、うちで採卵した卵からメダカを育て、それを撮影することにしました。
 いい環境を準備し、餌をしっかり欠かさず与えました。
 その子供たちがようやく撮影できる段階になったことを思うと、冷静に考えれば、今撮れる写真を可能な限り撮影しておくの一択のはずなのに、根気が必要な撮影の場合、ついつい、それを回避する理由を探してしまいます。
 そして恐ろしいことに、探せば、それっぽい理由が思い浮かびます。
 昔、この人適当に暮らしていて楽しそうだなと思っていた生き物仲間の知人が、仕事について、「鉄の意志が必要」と語り、えっ、この人がそんなことを言う?と驚かされたことを思い出しました。
 そう、仕事は鉄の意志が必要なのです。



● 26/6/1 メダカのひれ


OM SYSTEM OM-1U
M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO MC-14

 メダカのオスメスを区別するための「ひれ」の写真を撮影しました。
 メダカのオスメスは背びれと尻びれで区別し、それらのひれは、今日の画像では画面の中央付近に写っている上向きと下向きの2枚のひれです。
 ちなみに、画像のメダカはメスです。

 メダカを右側に寄せれば、かろうじて頭も写すこともできます。
 そして頭まで写せば、全身の写真としても使用できるし、オスメスの区別のポイントを見せるひれの写真としても使用できます。
 一方で、ここが見せたい、という撮影者の意図は、曖昧になってしまいます。全身写真なのか、ひれの写真なのかがわからなくなります。
 写真を見る際には暗黙のルールがあり、見る人がパッと見た時に目が行く場所、受ける印象が、撮影者の言いたいことです。
 したがってカメラマンは、写真をパッと見た時に目が行く場所と自分の見せたいものとが一致するように写真を撮ります。
 時には「わかる写真なんておもしろくない。」的な例外もありますが、一般的には、撮影者の言いたいことと、ぱっと見た時に写真から受ける印象が一致している写真はいい写真です。
 撮影者の言いたいことと、写真から受ける印象の一致は、ほとんどすべてのカメラマンが思っている以上に重要なことです。
 そこが弱い写真、曖昧な写真は、不思議なくらいに人から選ばれません。 
 
 実は、この日はオスを先に撮影して、続いてメスを撮影したら、尻びれと背びれの周辺が背景に溶け込んでしまい、メスのひれはオスよりも写りにくいことがわかりました。
 ひれの根元付近の色素がある場所は写りやすいのですが、その先端の透明の部分がなかなか写らないのです。
 しかたがないので、メスのひれがきちんと写るように撮影セットを変更し、その撮影セットで再度オスの撮影をやり直しました。
 学校教材などでよく見る青の背景の写真を僕は舐めていたのですが、やってみると大変に難しいことが分かりました。
 白や黒の背景は、被写体よりも明るいか暗いかなので、明るさの面で被写体とは被りにくいのに対して、青のような中庸な反射率の場合、被写体の明るさに近いので、背景と被写体が同化しやすくて、分離がむずかしいことが分かりました。
 
 
   
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