撮影日記 2026年1月分 バックナンバーへTopPageへ
 
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● 26/1/29 越冬

 時々、何かの拍子に越冬中のカエルが見つかり、せっかくなのでと撮影を試みることがあります。
 ところが、カエルはすぐに目を開けてゆっくりながら動き始めるので、越冬中の様子をちゃんと撮影ができた試しがありません。
 少なくとも目を閉じてなければ、越冬の感じが出ないのです。
 最初は、その日が冬にしては暖かい日だったからかなと考えました。
 ところがその後、少なくともマイナス2〜3℃くらいなら、それなりに動くことがわかりました。
 カエルの中には冬に一度目覚めて繁殖をするものがいます。したがってその手のカエルは眠りが浅い?とも考えたのですが、冬に目を覚まさないアマガエルのようなカエルでも同様だとわかりました。



 一方でニホントカゲは、越冬中は、ほとんど動きませんでした。
 最初、死んでいるのかな?と思い、少し手を触れてみると、ゆっくりと動き、生きていることがわかりました。
 越冬中の生き物は、概して、水辺の生き物の方がよく動く印象があります。
 中でも驚かされたのは、小型のガムシの類です。
 真冬に湿地の岩をめくったら数匹が隠れていたのですが、動く動く。
 また、ミジンコは、水の表面に1〜2センチの厚さの氷が張るような日でも、平気で泳ぎます。
 他に氷が張っても泳いでいる生き物と言えば、マツモムシなどもそうです。
 長い期間、雪や氷におおわれる地域では、また事情が違うはずと思いつつも、越冬のイメージは、子供の頃、図鑑を見てイメージしたものとは、かなり異なります。



● 26/1/24 Aiによる生き物の生成画像

「Aiによる生き物の生成画像が、もはや写真とほとんど見分けがつかない」
 とSNS上で話題になりました。
 多くは、実写と作り物とが区別できないことを、問題視する声でした。

 Aiによって生成された生き物の画像に、僕が共通して感じるのは、一般的な写真の評価の基準で言うと、画面の中に遊んでいる面積が少なく完成度が高い点で、出来過ぎていることです。
 これ、何ミリのレンズで撮った写真やろう?と考えてみると、答えが導き出せないものが多いです。
 逆に言うと、実際に自分で写真を撮るとこうは上手くいかんよな、という感覚でもあります。
 そうした現実の不完全さや難しさや、人特有の下手さ加減が、もしもAiで再現されるようになったなら、写真と生成Aiの区別は、いよいよ、できなくなるでしょう。
 もっとも僕は、Aiは、そちらには向かわないような気がしています。
 Aiによる生成物は、人間臭さではなく、より完成度が高い方、より正しい方へと向かっている感じがします。

 実は、特撮の仕事で、
「ここはこうで、あそこはもっとこうして・・・」
 などと色々求められる際に、
「それなら一層のこと、生成Aiの方がいいんじゃないかです?」
 とカメラマンである僕が、不謹慎にも提案したくなるケースが、まあまあ、あります。
 近年の僕は、人が撮る写真に対して、頑張って撮影しても不完全であるところに良さがあるような気がしています。
 そんな時にフッと思い出すのが、若い時に昆虫写真家の海野さんから言われたことです。
 初めて海野さんに写真を見てもらった時に、選りすぐりのベストセレクションを持っていったら、
「人はボロいところに魅力があるのから、失敗作も見たかったな」
 と指摘されたことです。
 確かに、人は完璧ではないところ、ダメなところに魅力があると思うのです。

 さて、Aiによる生き物の生成画像が氾濫することを強く危惧する人に割と共通しているのは、日頃から、常により正しい何かを求めていることです。
 いわゆる「意識が高い人」です。
 正しさを求める人にとって、Aiによる生き物の生成画像は、まがい物です。
 一方で、Aiが発達するのは、人が、より完成度が高いものを求めるから。
 仮に物事に正解があるとするならば、正解に近い何かを効率よく抽出しようとするからではないかな?という気もします。
 生き物を紹介する本を制作する際に、より良い写真を追求するのは当然と思いつつも、僕は近年、その度が過ぎると、Aiによる生成画像にたどり着いてしまうこと、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」であることを意識させられるケースが、多くなりました。



● 26/1/13 面白くない生き物

 子供の頃、自分が生き物の現象のどこにひかれていたかを今改めて考えてみると、生き物は必ずしも面白いわけではないところでした。
 そこが、他に僕が夢中になった物事、アニメや特撮のヒーローやスーパーカーなど人を喜ばせることを前提に存在している諸々との大きな違いでした。
 例えば図鑑のページをめくってみると、もちろん中には、「わぁ、おもしろいな」と心を揺さぶられる部分があるものの、大部分は、「ふ〜ん」「だからなに?」としか言えませんでした。
 そんな場合に仮面ライダーなら、制作側が、子供たちをもっと喜ばせるようにお話を考えることができます。
 でも生き物の現象は、そもそも人を喜ばせるために存在しているわけではないし、むしろそこに価値があることは、子供心にも漠然とわかりました。

 ところがやがて、自分が生き物の写真を撮ったり本を作ったりする側になると、「面白い」を求めるようになりました。
 面白く見えるように写真の撮り方を考えてみたり、見せ方を考えてみたり。
 でもやがて、そんなものじゃないなと徐々に思い直すようになりました。
 そんなものじゃない、をより一層強くしたのは、近年のSNSの登場でした。
 SNSに投稿される、カメラマンのみなさんが人を喜ばせよう、驚かそう、さらに褒められたいと思いながら撮った「ばえる」写真に写っているのは、人が作ったドラマであり、自然とは異なるものだと確信するようになりました。
 自然現象は、おもしろかろうが、おもしろくなかろうが、ありのままであることが大切だと思うようになりました。
 
 さて、ここ数年取り組んできたミジンコの写真絵本は、ミジンコという生き物を誇張したり、過度に読者をの興味をあおらないように心がけて作りました。
 一方で、本の中のミジンコではない部分、例えば、僕がミジンコに興味をもったいきさつやミジンコをどのように観察したかなどは、読者が少しでも楽しく本を読めるように、散々考えました。
 つまり一冊の本を、自然の部分・科学性の部分とその他の部分の2つに分け、自然の部分・科学性の部分はありのままに、逆にその他の部分では面白さを追求しました。
 その他の部分は、僕の体験と言い換えることもできます。
 本は、3月末に発売される予定です。
 本来は監修がつかないシリーズの中の一冊ですが、出版社にお願いをして、監修をつけてもらい、近々専門家のチェックを受けることになっています。
 チャックを受けるのは緊張しますが、緊張するということは、心のどこかで自信がないということ。
 自信がないまま本が出版されてしまうと、自分の本を自分で推せなくなってしまいます。



● 26/1/8 ダイハツ タフト ビビり音



 車の運転席側のピラーと呼ばれる柱の辺りから、ビビり音が聞こえるようになったのが、去年の10月の中頃のことです。
 小さな音でも運転席に近いと気になるので、車屋さんに相談をして、ダッシュボードの辺りの怪しい箇所に手を入れてもらいました。
 ところが、何度かどこに手を入れても改善できませんでした。

 ちょっとだけ原因がわかったのは、それから一ヶ月ほどたったある日のことです。
 音が気になっている時に、なんとなく運転席側のドアの樹脂製の内張を押してみると、音が止まることに気が付きました。
 ビビり音の原因が、運転席側のドアの中にあることがわかりました。
 車屋さんでドアの内張を外してみると、内張の内部が痛んでいることがわかりました。おそらく、組み立ての時にトラブルがあったのでしょう。それによって、内張が正しい位置に固定できずに何かにこすれている可能性が浮上しました。
 買って数ヶ月の車なので、メーカーから新品のパーツを提供してもらい、内張を取り替えました。
 ところがそれでも、随分改善はされるものの、完璧には音はおさまりませんでした。
 どうも想像ができにくい位置に原因があるようで、場所を特定してピンポイントで手を入れるためには時間がかかりそうです。
 何度も車屋さんに行くのもめんどうなので、いっそうのこと内張の外し方を教わり、自分で対処をすることにしました。
 さて、いったいどこに原因があるのでしょう?
 何度か内張を外して音が出そうな箇所にスポンジを貼り付けることを繰り返しているうちに、先日ついに、恐らくここかなと思われる位置を特定しました。
 僕の車の場合、ドアノブと内張のどこかがぶつかり合い、音が出ていたようです。ドアノブのパーツと内張とが接するあたりに緩衝材としてスポンジを貼り付けることで、音がでなくなりました。
 ふと、同じように困っている人はいないか?とインターネットを検索した際に、みなさんの報告がとてもありがたかったことを思い出しました。
 そこで、僕も、こうして情報を提供することにしました。
 ちなみにダイハツ・タフトの場合、ドアカバーと呼ばれる内張を外す際に、ユーチューブ上の動画だけでは分かりにくいのは、パワーウインドウやドアミラーの配線の外し方です。
 それらは2種類のコネクターで接続されていますが、一方には見えにくい位置にロックがあり、ロックを解除しなければ配線を外すことができません。
 あと1つは、パワーウインドウの配線は、一度外すと調整が必要になる場合があることです。
 その2点は、車屋さんで教わりました。
 多少慣れが必要なのは、トリムクリップと呼ばれる接続パーツの外し方でした。
 外し方が悪いと、プラスチック製のトリムクリップが傷んでしまいます。
 その他は、検索すると、ユーチューブ上に存在する動画を見ることで、だいたい理解できるはずです。
 ちなみにユーチューブ上の動画は、ドアの内張の取り外し方を目的とするものではなく、自分でスピーカーをつける人のための動画でした。
 スピーカーを取り付けるためには、内張を外す必要があるからです。



● 26/1/1 ようやく

 2024年の春に区画整理に伴う引っ越しがあり、すべてがリセットされてしまいました。
 引っ越し後は、新たな仕事をするたびに、あるはずのものが見つからずに探し回ったり、道具を調整したり、追加で物を買ったりと、何を撮影するにしても間が悪く、リズムに乗れない感じがしました。
 それらがようやく一段落ついたと思えたのは、割と最近のことです。
 2年近くの時間を要しました。

 誰かが区画整理等に抵抗して、最後は行政代執行で住民が退去させれるニュースを、過去に何度か見たことがあります。
 自分がその手の転居を体験してみて、なるほどなぁと共感する部分がありました。
 特に高齢の方などは、転居先を自分で探すことや新たに家を建てることなどは、大変な負担になることでしょう。
 僕の場合、ありがたかったのは、うちの土地の取得を担当した市役所の方が、大変に優れた人だったことです。
 役所の分かりにくいしくみや文書を、ざっと翻訳して分かりやすく伝えてくれました。
 これが、決められた文書をたた何度も読み上げるタイプの人だったなら、結構なストレスや不安だったはずです。
 また、区画整理とその補償を上手に利用して、得をしたと思える結果になるようにしてください、と示唆してくださったことが、とてもありがたかったです。

 ともあれ、今年は、落ち着いて、集中して撮影ができる年になってもらいたいものです。


   
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