撮影日記 2024年9月分 バックナンバーへTopPageへ
 
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● 24/9/27 世話

 涼しくなってきたので車に乗って何日か遠出をしたいのですが、撮影用のミジンコがある日突然激減したりするので、家を空けることができません。
 3月まで住んでいた北九州市では何の問題もなく5年以上飼えていたのですが、引っ越し先の直方市では、毎日一度見なければ、安心できない状況です。
 唯一の救いは、今年は引っ越しがあったので、先が見通しにくい仕事をすべて断わっていたことです。その結果、割と自由に動くことができるので、順調に増えていたミジンコが突然激減したら、すぐに手を打つことができます。
 時間にゆとりがあれば、上手く行かないならいかないで、それを楽しむことができます。
 僕の場合、大切なのは、上手く行くかどうかではなくて楽しいかどうかです。
 そもそも生き物の撮影などというのは、深刻になってすることではないでしょう。
 ともあれ、ミジンコに限らず僕が目指す生き物の飼育は、一週間放置をしてもなんとかなる状態です。

 さて、生き物の世話に時間がかかると、僕の場合、家の中の掃除ができにくくなります。
 おそらく世話と掃除は似ているのだと思うのですが、もう腹いっぱいという感じで、掃除をする気にならなくなります。
 


● 24/9/23 隠ぺい種




 今の時点では一種類の生き物だとされているイソテッポウエビの中には、何種類かの生き物が含まれている可能性が高いと言われています。
 本来は別種なのに外観では区別ができず、その結果、それらが一種類の生き物として扱われている可能性が高いらしいのです。
 そうした存在を、隠ぺい種といいます。
 近年は生き物の遺伝子を調べることで、隠ぺい種だった生き物が明らかにされるようになりました。
 それらの研究が導き出す結論は、おもしろいなぁとワクワクする反面、特殊な機械を使わなければ判断ができないことをどこまで気にするべきなのか、いずれ新たな問題が生まれるのではないかという気がします。
 学問の世界は別にして、人の暮らしは、解像度が高過ぎると暮らしにくいからです。
 
 僕は、写真を撮る際には、自分の感覚で区別ができるかどうかを重視します。
 自分の目で見て区別ができないものは、自分にとって同じものと受け止めます。
 逆に、学者さんが同種の生き物として取り扱っているものでも、自分にとっては別の生き物というケースもあります。
 例えば、写真を撮影する際に、近づくとすぐに逃げてしまう個体と近づいても逃げない個体は、同種の生き物でも、僕にとって別のものです。写真撮影などは、近づいても逃げない生き物を探しているかのような側面があります。
 あるいは、個体ごとの色や形や大きさの違いなどもあります。
 そういうこともある、というよりは、同種でも一匹一匹違うよということが、むしろ本質なのです。
 つまり僕は、学問をやっているわけではありません。
 生き物の写真を撮っているのです。



● 24/9/20 植物プランクトン

 うちで飼育中のミジンコは、時に爆増したり激減したりします。そしてその理由が分かる場合もあれば、分からないこともあります。
 屋外ならそういうこともあるだろうと思うわけですが、温度管理している室内でも同様のことが起きるので、原因を知りたいところです。

 可能性が高いのは、ミジンコの餌になる植物プランクトンの増減です。
 そして試したことはないのですが、ミジンコの餌として販売されている生クロレラというやつを与えれば、多分、コンスタントにミジンコを爆増させることができるでしょう。
 でもそこらの水辺の生き物を増やすのに、生クロレラみたいなものを通販で買い、しかもクール便で送ってもらうのは、僕としては面白くありません。
 それ以前に、生クロレラはなかなか高価です。
 うちの場合、生クロレラではなくカメを飼育している水をミジンコの容器に注いでいます。
 カメを飼育すると、カメラの糞を養分にして植物プランクトンが大繁殖するので、それがミジンコの餌になるのです。
 そのカメは屋外で飼育しているので、恐らく、繁殖する植物プランクトンの種類は時期によって変わるでしょう。そこに、うちのミジンコの増減の理由があるんじゃないか?と疑っています。
 実はカメよりももっと適したミジンコの相棒が存在します。
 それはアメリカザリガニです。
 カメは広い場所を必要とするので、ミジンコの飼育容器の中でカメを飼うことはできません。
 その点アメリカザリガニなら、ミジンコと同居させザリガニに餌を与えれば、ザリガニの糞を餌に植物プランクトンが繁殖し、それを餌にミジンコが増えるという流れが出来上がります。
 ただそれ用に屋外でキープしていたアメリカザリガニを、アライグマに食べられてしまったので、そのうちアメリカザリガニを捕まえにいく予定です。

 さて、ミジンコについてWEBで調べてみると、
「あんたそれ、自分で見てないでしょう。」
 と突っ込みたくなる記事が山ほど出てきて、もううんざり。
 何かの元記事を再編集しているのでしょうが、自分で見たことを書いている記事とは一目瞭然です。
 その手の記事は当然役にも立たないし、乱暴な言い方をするとノイズでしかありません。
 そもそも自分が見たいとも思わないものは、書かなければいいのに。



● 24/9/12 レビュー

 この半年で、過去に経験したことがない量の買い物をしました。
 以前よりも増えた分は引っ越しに伴う買い物であり、大半は、普段は買わないようなものでした。
 すると知識がないので、通販の場合はレビューを読んで判断することになります。
 そしてどんな製品にも不具合はあり、レビューをまじめに読むと、これを買おうかと思えるものが最後には1つもなくなってしまいます。
 しかたがないのでエイッと決断すると、選ぶのは大抵、一番よく売れている製品でした。
 安価なものは気に入らなければ買い直せばいいとして、高価なものは、レビューが普及するほど、レビューで一番ポイントが高かった一つの製品や一つの会社が一人勝ちしやすいかもしれませんね。
 
 レビューを読んだり、その傾向を分析して判断するのは疲れる作業なので、買い物が多いと検討がどうしても雑になり、気に入らない製品を買ってしまう頻度が高くなります。
 先日購入した写真用のレンズなどは、とてもガッカリな糞レンズでした。
 描写はいいのですが、今の時代にこんなスペックのレンズがあるのか・・・と驚かされるほどに、古い作りのレンズでした。
 レンズは高価なのでいつもならよく検討するのに、今回は買い物疲れで雑になっていました。
 
 さて、引っ越しから約半年で、ようやく買い物の類が終わりました。
 あとは、中国からライトスタンドが1本届いて、それがちゃんと使えるようなら一段落です。
 
 

● 24/9/7 更新のお知らせ

 8月分の今月の水辺を更新しました。
 8月は、カブトガニの産卵場所を見に行ってみました。



● 24/9/6 水槽用の照明



 春の引っ越しの際に、いっそうのこと全部捨ててしまおうかなと悩んだのが、使わない撮影用の金具やアームやバーなど、金物の類でした。
 結局捨てずに思いとどまったのですが、金具は重いし嵩張るし、邪魔くさいです。
 なぜそんなに不用品が出るのか?と言えば、多いのは、これ良さそうだなと思って買ったものの、使ってみると強度不足でお蔵入りしてしまったものが大部分です。
 買いやすい軽くて小さくて安価なものは、現実には強度が不足しがち。
 でも十分に頑丈なものは、でかくて重くて持ち歩きに不利。
 僕にとって都合がいいのはその境目にあるギリギリのところの製品であり、なかなかちょうどいいものが見つからないので、無駄がたくさんでます。
 ただ、撮影用品としては強度不足でも、その他の用途には十分過ぎると言うケースも多々あり、使わない撮影用品が別の持ち場で機能すると、いい気分になります。

 さて、撮影用として買ったクランプとアームに、植物育成用のLEDライトを取り付けて、水槽用の照明器具として使ってみることにしました。
 これまで水槽用として使ってきた蛍光管の照明器具は、引退です。
 中には30年近く使用しているものもあり、経年劣化による故障〜発火などの可能性もゼロではないでしょう。
 使わなくなった古い水槽用のライトは、何かあった時の緊急用として1つだけ残して、残りは捨ててしまうことにしました。
 1つだけ残すのはどれにしようか?と考えた挙句、実家がお互いに近い大学時代の同級生からゆずってもらったものを、思い出も兼ねて残すことにしました。



● 24/9/5 孵化

 ある小さな生き物の卵の孵化が、撮影できません。
 孵化の場合、その瞬間を逃さないようにカメラの近くで待機が必要になり、撮影を開始した去年から数えると、合計30日以上を費やしていることでしょう。
 チャレンジしてはやっぱりダメか・・・といったん離れ、またチャレンジしては離れるの繰り返しです。
 上手く行かないのは、次の2点。
 1つ目は、卵を撮影可能な状態でカメラの前に長期間置くのが難しいこと。卵が動いて無くなってしまったり、撮影できない向きになってしまったりするのです。
 2つ目は、卵の孵化率が低すぎてレンズで捉えている卵が孵化をしないことです。
 今回は8/27にカメラをセットしてみたのですが、やはり卵は孵化をする気配がなく、どうもまた失敗に終わったようです。
 ただ、卵をカメラの前にきちんと置くことに関して、ああ、こうしたらいいんだ!とコツがわかりました。
 
 さて、去年は、撮影が上手く行かないのは引っ越しの準備で集中力を欠いているのかなぁと疑心暗鬼になっていました。
 つらいなぁと感じていました。
 それに対して今回は、相変わらず撮影はうまくいかないものの、つらいなはありませんでした。
 撮影の結果には、引っ越しの準備は関係なかったわけですが、上手く行かない時の気分は、大きく左右されていたことがわかりました。
 
 

● 24/9/4 ライトボックス

 スタジオ撮影時の光の作り方には色々なやり方がありますが、生き物の撮影なら、四角のライトボックスが最も汎用性が高いでしょう。
 ただ、ライトボックスは大きいので、使わない時に実に邪魔くさい。
 分解すれば小さくなるけど、使いたい時にまた組み立てなければならないので、さっと撮影したい時には間が悪くてやる気を削がれます。
 引っ越し前のスタジオなら広かったので、使わないライトボックスはそこらにポンと転がしておくことができました。
 でも引っ越しで狭くなった今はそうはいかないので、NEEWER製の組み立てが簡単な製品を買ってみました。
 雨傘を開いたり閉じたりするような感覚で、四角い箱を作ったり閉じたることができる製品です。
 商品を検索してみると、僕の希望のサイズが存在しませんでした。60p×60pの製品が存在しなかったので、代わりに60p×90pのものを選びました。
 するとその分重たくなりました。さらに、傘のように閉じたり開いたりする構造の分も重たくなりました。
 それを、これまた大きく重たい買って間もないGODOXのストロボ・QT400に取り付けると、今まで使っていたライトスタンドでは、強度が怪しくなりました。
 さらなる出費は避けたかったので、スタンドを倒さないように注意深く使おうと思うことにしました。
 でもね・・・スタンドが倒れてストロボが壊れたら高くつくでしょう。また、中国製のストロボは中国で修理するのでしょうから時間がかかるでしょう。
 しかたがないので、より大きなライトスタンドも買うことにしました。
 注文したライトスタンドが届くと、なんと!ストロボ類を取り付ける金具のサイズが合わないことがわかり、今度は金具のサイズを変更するパーツを買わざるを得なくなりました。
 通常ライトスタンドのダポと呼ばれる金具は16mmや18mmなのですが、新たに買ったライトスタンドの金具は28mmという見たこともない大きなサイズだったのです。
 28mmのダポはどうもあまり使用されていないようで、変換金具をネットショッピングで検索してみると、ほぼほぼ1つの製品しかヒットしませんでした。ただの金具としてはなかなか高価で、約5000円でした。
 1つものを買うと、それを生かすにはさらに別のものが必要になり、別の何かを買うと、さらにまた何かが必要になる。まるで底なし沼かアリ地獄のようです。
 ただ、大きなライトスタンドは、驚くほどに頑丈でした。
 多分、震度7の地震でも倒れないんじゃないかな?
 また操作箇所の動きはスムーズで、動かした時の衝撃を和らげる機構が採用されていて、今までに経験したことがない安心感がありました。
 思わぬ出費でしたが、それはそれで、良かったのかもしれません。



● 24/9/2 パイプレンチ



 写真用の雲台に取り付けたシルバーの金具(丸で囲まれた部分)は、雲台をライトスタンドに取り付けるための接続金具です。
 雲台を三脚に取り付ける場合は1/4インチまたは3/8インチのネジで取り付けるのですが、ライトスタンドの場合は、ダポと呼ばれるこの手の金具が使われます。
 金具の類は使用中に緩む、または逆に取り外したい時に外れなくなる煩わしさがあります。
 「緩む」の方は、不愉快ではありますが、何度も締め直せば一応その場をしのぐことができます。
 一方で「外れなくなる」は、雲台を使いたい形で使えなくなるのでより困ります。

 そんな場合は、パイプレンチと呼ばれる工具を使用すると、ひどくサビているなどでなければ、ほぼほぼ緩めることができます。
 僕がパイプレンチを買ったのは多分10年以上前のことでした。
 どうしても外せない金具があり、こんなもので取れるのか?と半信半疑で買ったところ、見事に外すことができたので感激したものでした。
 以降、比較的よく使う工具になりました。
 当時ホームセンターで購入した際に結構高かった記憶があり、それゆえに割とよく使う工具であるにもかかわらず、1つしか持っていませんでした。
 その1つは、車の中に積んであります。
 車内泊の取材の際に、工具や道具が揃ってない状況で金具が取れなくなると、とても困るから。
 スタジオでパイプレンチが必要な時は、毎回、車に取りに行きます。
 
 さて、僕が使用しているパイプレンチと同一のメーカー、同一の型番のものが、アマゾンで売られていました。
 値段が、なんと!ほぼ1000円。
 金物は、昔に比べると、安くなりました。
 1000円なら、スタジオ用にあと1つ買っておこうか、と1つ注文しました。


   
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