撮影日記 2024年4月分 バックナンバーへTopPageへ
 
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● 24/4/30 白アリ

 古い家の解体がいよいよ間近になりました。できたら解体の最中を見ておきたいのだけど、破壊を伴う作業だし、作業の邪魔になるかな。
 特に見たいのは、白アリが発生していた箇所です。
 一時期、毎年、5〜6月の雨の後の晴れた日に大量のヤマトシロアリの羽アリが発生していたのです。
 その数は少なくとも百の単位ではなく、千〜下手をしたら万の単位の羽アリが家の中に出てきました。場所はお風呂の周辺でした。
 家が倒壊したら困るので駆除業者さんを調べてみたら、いずれも高価なので、自分で対処することにしました。
 最初は床下へ入って現場を見ようと思ったけど、床下が狭くて匍匐前進でなければ動けなかったので止めました。
 床下は、最近の家と違ってコンクリートが張られておらず、土のままでした。
 仕方がないので入り口から白アリが発生する方向に向けて殺虫剤を噴射してみたけど、効果はありませんでした。
 有効だったのはお風呂のすぐそばの床に小さな穴を開け、そこから殺虫剤を噴射するやり方でした。
 これは偶然なのですが、恐らくドンピシャの位置に穴を開けたのでしょう。以降、ヤマトシロアリの姿を見ることはなくなりました。
 7月に入ると、イエシロアリは、時々見ました。
 イエシロアリの方が破壊力が強くて警戒すべき存在ですが、ヤマトシロアリのように千の単位で現れることはなくポツポツの数なので、手の打ちようがありませんでした。
 果たしてイエシロアリはうちでは数が少なかったのか?あるいは大規模に居ついているけど、家の中に出てくるのではなく建物の外に出ていたのか?自分で壊滅させたヤマトシロアリはどの程度巣食っていたのか?等は、見て確認をしてみたいです。



● 24/4/29 更新のお知らせ

 3月分の今月の水辺を更新しました。

 引っ越しが忙しかったので今月はパスしようか、と思ったのですが、なんとか更新することができました。
 4月はあと数日ありますが、現時点では、3月と4月に風景を撮影することができたのは、ぞれぞれ1日だけ。
 今月の水辺がなければ、その1日の撮影もおそらくなかったことでしょうし、「今月の水辺」というテーマ設定は悪くないのかもしれません。



● 24/4/27 国内外来種


NikonZ7U NIKKOR Z 14-30mm f/4 S PLフィルター

 本来分布しないイワナが釣れるようになった、熊本県の渓流。釣果から判断すれば、年々イワナが増えている印象です。
 釣れる数だけでなく魚のコンディションも、もともとこの川に生息しているヤマメがあまり良くないのに対して、放されて増えたイワナはどれもムッチリ太っています。
 熊本県や宮崎県の河川でイワナが釣れるようになったのは、カメラがまだフィルムの時代でした。
 当時、熊本県の五家荘の渓流に潜ってみたら、イワナだらけでビックリしたものでした。
 河川によっては「イワナが釣れたら持ち帰って駆除に協力してほしい」と漁協による看板が立っていた場所もあります。
 つまり、そこでは漁協はイワナを良く思ってないわけですが、漁協が大量に放流するヤマメよりイワナが多く釣れるようになっているのは、現象として興味深いです。
 イワナを放流した誰か個人や個人に近い人が、そんなに大規模に放せるとは思えないので、なぜ少量の放流が元のイワナが増え、長年漁協が大規模に放してきたヤマメがそう増えないのかは、自然のしくみを知る材料にもなるような気がします。
 この川でのイワナのような存在は、国内外来種と呼ばれています。
 外国からやってきて放された生き物ではないけど、国内の他所の地域からやってきた生き物です。
 
 僕が主な仕事にしている子供向けの生き物の本の中では、外来生物がよく取り上げられます。
 ダンゴムシやアメリカザリガニやセイヨウタンポポなどは、定番と言ってもいいでしょう。
 そこでそれらの生き物の写真を撮る際にいろいろ調べようとするわけですが、案外情報が少ないです。
 生き物好きの皆さんは、外来の生き物の生態をちゃんと調べようとしない傾向があるように感じます。
 外来の生き物の生態を知ろうとしないのは、本来いないはずのものだからかな?



● 24/4/21 体積や重さ

 あと2〜3日で引っ越しが終わります。次は業者さんに依頼してゴミ捨てをして、さらにその次が家屋の解体です。

 引っ越しの際には、冷蔵庫や洗濯機や特別に大きな家具以外は、すべて自力で運びました。
 前の家と新しい家との往復に要する時間はだいたい1時間なので、頑張れば一日に四往復くらいできるのかなと思っていたら、荷物の積み込みに時間がかかり、たくさん往復できた日でも三往復が限界でした。
 予定外のことがいろいろ起きるのは、前回も書いた通り。
 他には、前の家で大きな荷物が多い撮影スタジオと生き物の飼育室が、あまり状態が良くない細い階段を通らなければならない2階だったことが、大変に堪えました。二階と一階ってこんなに違うの!と。
 事前の予測では、正味20日あれば荷物を運びきれると思っていたら、実際には40日以上の時間を要したので、自分が思っていた量の半分くらいしか物を運べなかったことになります。
 重さや体積みたいなものを思い知りました。

 その間に、家具をたくさん新調しました。
 インターネットで購入したものに関しては、物流のネットワークを持っているお店は別にして、配達日を指定できないお店がたくさんある、いやむしろそれが普通であることを知りました。
 もちろん事前に配達日の知らせがあるわけですが、それに対して注文を付けることができないのです。
 しかも、配達日に受け取りができずに持ち帰られた場合は、追加の配達料がかかるという厳しさ。
 配達の前日には運送業者から電話があり、大きなものの通販は、確実な受け取りが大きな課題になっていることがわかりました。
 確かに、大きな家具を運んできて持ち帰りになったら、たまりませんね。インターネットが発達した便利な世の中でも、大きなものは別でした。
 ネット通販のお店の中には、「法人としか取引をしない」と明記してあるショップがあるのですが、恐らく受け取りの問題なのでしょう。相手が法人で送り先がお店や仕事場であれば、ちゃんと受け取ってもらえる確率が高いわけです。

 大きな荷物の運送に限らず、ここ数年、社会の物理的な限界みたいなものを感じる機会が多くなりました。
 高速道路のパーキングがあちこちで車であふれるようになっても、急にはキャパシティーを増やすことはできないし、道が渋滞するようになっても、道を作り直すのは簡単ではありません。



● 24/4/15 区画整備

 区画整備に関する契約は、今年の9月までに、前に住んでいた土地を更地の状態で市に渡せばいいこといなっています。
 したがって解体にひと月見たとしても、スケジュール的にはまだまだ余裕があります。7月半ばあたりまでにすべての荷物を引っ越せば、解体が終わるのが8月半ばとなり、ちゃんと市との契約を守ることができるでしょう。
 ところが現実は、そう甘くありません。
 というのは、区画整備の補償金は最初と最後の2度に分けて支払われ、2度目は前の土地を更地の状態で市に渡ししたのちに支払われます。
 うちの場合、その2度目のお金までを使わなければ引っ越しを完了できない状況なので、早く解体をして2度目のお金を早くもらわなければ、資金がショートしてしまうのです。
 こんな時に十分な貯金があればなぁと思うわけですが、どうにもなりません。
 記録を見ると、自力で引っ越し荷物を運び始めてもう一月以上。
 さすがに疲れてきたのですが、恐らく、あと正味10日ほどですべての物を運び終えるはずです。
 当初、一ヶ月あれば、そんなにバタバタしなくても荷物を運ぶことが出来るのではと思っていましたが、実際には一ヶ月以上を要することになりました。
 
 余計に時間がかかったのは、思わぬアクシデントが起きるからでした。
 例えば、大きなテーブルを分解して運び、また組み立てようとしたら、ネジが入らないことがありました。
 調べてみると、雌ネジが少し潰れていることがわかりました。
 新しい物を買うとお金がかかるし、古い大きなテーブルを捨てるのがまた大変。そこで、ダメ元で、つぶれたネジ穴を修繕してみることにしました。
 穴はいわゆるミリネジで、サイズはM8。
 ホームセンターでM8のネジ穴を切るタップを購入し、古いネジ穴にねじ込んで上からネジ穴を切り直してみたところ、ちゃんとボルトが入るようになりました。
 ボルトを締めてテーブルを組み立てていくと、あと2本というところで、やっぱりボルトが入らなくなりました。
 雌ネジだけでなく、ボルトの方も破損していたのです。
 もう一度ホームセンターへと行き、今度はボルトを購入するはめに。
 タップもボルトも値段はしれていますが、時間が・・・
 


● 24/4/10 淡水水槽



 海の生き物の飼育と違って、淡水の生き物の場合は水道水を注ぐことが出来るので、引っ越しはより楽です。
 海水魚の場合は1つの水槽を動かすのに下準備を含めて2日を要しましたが、淡水魚はその日の間に移動させることができます。
 ただ、水槽が大きいとそれなりの労力が必要で、片道30分の距離の引っ越しで、一日2つが限界かなという感じ。

 さて、運んできた魚や砂利を新しい水槽に入れて水を注ごうとしたら、蛇口とホースの間にはさんである浄水器の接続部分からチョロチョロ水漏れが・・・
 そう言えば、前の家ではどっち道雨漏りがひどかったし鉄筋のコンクリートの床だったので、そんなことを気にしていなかったのでした。
 ホースやジョイントを新品にすれば難なく直る症状でしたが、お店に行く気になれません。
 しかたがないので、家にあるパーツで直そうとしたら、これがなかなか直りません。
 うちの浄水システムは、前の敷地が広かった関係でいろいろな場所で使用できるように、幾つものパーツに分かれたものを組み合わせられる構造になっていて、それぞれの連結部分は水が漏りやすいのです。
 引っ越しが一段落ついたら、シンプルなものに変えましょうか。
 ようやく水が漏らない組み合わせを見つけて水槽に水を注ぎ、水槽にろ過装置をセットしようとしたら、なんと、パーツが1つ足りません。
 ハ〜。
 自分で運んでみてしみじみ思ったのですが、自力で運べる距離を超えて水槽を引っ越しするのは、ほぼほぼ不可能だということ。
 その場合は古いものをすべて廃棄して総替えするに近いことになるでしょう。
 よく考えてみれば、新品の水槽を通販で1つ買うのですら、なかなか大変です。
 
 

● 24/4/8 海の生き物水槽

 引っ越しでもっともやっかいな荷物の1つだっのが、海の生き物水槽でした。
 まずは海水を150Lほど準備しなければならないし、海からやや遠い場所に引っ越す関係で以前ほど頻繁に海水を汲みにいけなくなるので、水をろ過する仕組みをグレードアップする必要がありました。
 150Lの海水と言えば、20Lのポリタンク(一般的な灯油缶が18L)を使うと、海と車の間を7〜8往復なのでかなりの重労働です。
 うちの近所には水汲みに適した、すぐ近くまで車をつけることができて水面付近まで下りられる構造の港がないので普段は磯で汲んでいるのですが、もっとも嫌な作業の1つなのです。
 ただ運がいいことに下関まで行けば、無料でホースから海水が出てくる場所があるので、車を走らせました。
 100Lのタンクが10秒くらいで満タンでした。



 ろ過のシステムのグレードアップは、これまで使用してきた外部フィルターを使用したろ過から、オーバーフローと呼ばれるシステムに変更しました。
 オーバーフローは、ろ過能力は高いのですが、撮影に使用するとなると市販品を改造する必要があり、予想通り、そこそこの試行錯誤が必要でした。

 さて、その海の生き物水槽の引っ越しをしてクタクタになった晩、疲れのピークのタイミングで、なんと、今シーズン是非とも撮影したい生き物の卵が孵化の気配を見せました。
 孵化は恐らく夜の間。
 いつもなら昼間に仮眠をしたりコンタクトレンズを外して目の負担を減らすなど準備をするのですが、今回は全く備えがありません。
 さすがに、疲れに耐え切れなくて居眠りしそうだったのでパスしようかと検討しました。
 でも、それならやってみて居眠りすればいいや、と撮影してみることにしました。
 結果は、なんとか撮影できました。いや、できているはずです。
 というのは、疲れ果ててしまい、まだ画像を見ていないのです。
 仕事はつらいものだと思っているのですが、生き物の写真撮影は本来楽しいことでもあるので、どうせなら楽しくできそうな時に画像をチェックすることにしました。
 いや、それにしても疲れました。



● 24/4/2 大量の荷物



 カメを引っ越しした翌日は、ミジンコの引っ越しです。
 前日のうちに、船と呼ばれる180Lの容器に水を張り、準備をしておきました。
 ミジンコのような小さな生き物の場合、魚などと違って網で一匹残らずすくって小さな容器で運ぶのは難しいので、一部を運び、新しい場所で増やし直すことにしました。
 残りは、かわいそうだけど流してしまうか、メダカを入れて食べさせてしまうようなやり方しか思いつきません。
 ちょうど今の時期、いい感じで増えていただけに、残念です。今撮影ができたら、理想だったのに・・・



 ミジンコの引っ越しの翌日は、撮影機材を引っ越しました。
 撮影機材は、主なものを運ぶだけでも、借り物の日産キャラバンで3往復もの分量がありました。
 自分で運べる程度の近くだからいいもの、もしも遠方に引っ越しするのなら、いったい僕はどうしたのでしょう?そんなつもりはないけど、ついつい考えてしまいました。
 それはともあれ、もしも僕が急死をしたら、この量の機材や生き物の後片づけはとんでもない作業になることでしょう。
 今のうちに、欲しい物は差し上げる代わりに不要なものを処分してくれる人を決めておいた方がいいのかなぁ。

 撮影機材の引っ越しの最中に、今シーズンどうしても撮影しておきたかったシーンを撮り逃してしまいました。
 ハッと気付いた時には手遅れ。生き物の撮影は撮り逃すと次は1年後になってしまうので、痛いです。
 
 

● 24/4/1 ミカン



 引っ越し先には、持っていけないものもあります。
 中でも残念なのが、ミカンの木です。
 僕がよく撮影を依頼される被写体の中にはアゲハチョウがあり、アゲハの幼虫が食べるのがミカンの葉。したがって、いつでもアゲハを飼育〜撮影できるようにミカンを植えていたのですが、柑橘類は移植をするとほぼほぼ枯れてしまうらしく、うちのミカンの木は立地的にもきれいに抜き取れそうな位置ではないので、移動を諦めることにしました。
 うちの敷地はいったん更地になるので、抜かれてしまうのでしょう。
 今ちょうど生えている新芽を見ると、とても悲しい気持ちになります。

 ミカンと言えば、思い出したのは、東九州道と呼ばれる高速道路の工事でした。一ヶ所、みかん農家の方が立ち退きを拒まれ、最終的には行政代執行されました。
 みかんが一面に植わっていた小山を2つに分割するかのように、山の中央が削られ、そこに高速道路が敷かれました。
 土地の所有者の方は、地下の水の状態が変わり、残ったミカン畑に悪影響が出る可能性があることを主張しておられました。また、代替えの高速道路のルートも提示しておられました。
 でも本当のところを言うと、ミカンは移植が難しいとなると、山が削られる部分に植わっているミカンが死んでしまうのが悲しかったんじゃないかなぁ。


   
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