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● 2019.1220〜12.27 動画の話



 動画の仕事を引き受けてみたら、パンやティルトやズーミングといった操作が予想以上に難しくて、やり直しの連発。
 普段、写真のついでに生き物の映像をなんとなく撮る際にはあまり感じたことがなかったのだが、本格的にガッチリ構えてカチッとした映像を撮ろうとすると、画面の動きがスムーズではないことが気にかかった。
 そこで、電動の雲台を買ってみた。



 安価な製品なので品質に疑いも持っていたのだが、ちょっとテストした感じでは、十分使える印象だ。
 ズーミングに関しては、電動ズームのレンズを手に入れようかと思う。



 車の中から超望遠レンズで撮影する際に使用する窓枠雲台も、動画の撮影を想定して油圧式のものに変更。

 僕にとっての動画と写真の違いをあげるなら、写真は趣味でも撮りたいけど、動画は趣味で撮りたいとは思わない点だろう。
 動画は完全な仕事。
 だから同じ額を稼げるのなら、なるべく安い道具で済ませたい。例えば、120万円のレンズと15万円のレンズとで同額が稼げるのなら、15万円のレンズが望ましい。
 もちろん、120万円のレンズと15万円のレンズとでは、細かいところを見れば画質が違うのだが、現実にはそうした細かい点は査定の対象にはまずならないし、むしろ撮り方が分かりやすいことの方が断然に重要。
 一方で写真の場合は、趣味でもあるので、仕事で求められること以外の点も気になってしまう傾向がある。高級品を持ってみたいという衝動に駆られる。
 そういう意味では動画の方が割り切りやすく、不要に疲れない感じもする。



● 2019.12.19〜12.20 更新のお知らせ

11月分の今月の水辺を更新しました。



● 2019.12.12〜12.18 M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO+MC-20


Panasonic G9PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO+MC-20

 オリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは、35ミリ判換算で600mmに、2倍のテレコンバーターMC-20を取り付けると、1200mm相当する。
 テレコンバーターを使用して1200mmと言うと、僕が写真を覚えた頃の機材では、「確かに大きくは写るものの、もはやしっかりとは写らない」だったのだが、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO+MC-20に関して言うと、十分に実用になる画質が得られる。
 上の画像はそうして撮影したマイクロフォーサーズ機の縦横比4:3の画像の上下をトリミングしたもの。
 上下をトリミングするのは、ツイッターの画面(2:1)に合わせるためと、不正使用対策。不正使用をされて、「いやこれは自分が撮影した画像だ!」と言い張られた時に、トリミング前の画像を持っているのは撮影者だけなので、僕はネット上に画像を掲載する際には、念のために多少のトリミングをすることが多い。
 ともあれ、このホームページの小さな画像でも、テレコンバーターを使用した1200mm相当とは思えないカチッとした画質が伝わるのではなかろうか。

 1200mm相当と言っても、300mmf4にテレコンバーターを取り付けたものなので、サイズ的にも重量的にも、日常的にカメラバッグに入れて持ち歩くことが可能。三脚は軽量で済むし、車の中から手持ちで撮影するような場合でもレンズが軽いと断然ぶれにくい。
 手振れ補正も、とても強力。
 ただし僕の場合は、カメラボディーがパナソニック機なので、よく調べてないのだが、オリンパス機を取り付けた時のような超が付く強力な手振れ補正効果は得られない可能性が高い。
 レンズがあまりに高画質なので、せっかくだから、そのうちオリンパスの超強力な手振れ補正のカメラも手に入れようかという気持ちにさせられる。
 オリンパスとパナソニックのマイクロフォーサーズ機は共通の規格を採用しているので、お互いにどちらのレンズでも使用することが可能になっている。
 僕がパナソニックのカメラを使用するのは、長年使い慣れているニコンのカメラと操作が似ているからという事情がある。さらにニコンに似ているだけでなく、パナソニックは他社のカメラのいいところをとてもよく勉強しており、パナソニックのカメラが好きというのもある。

 マイクロフォーサーズ機の特徴は軽量コンパクトさなので、レンズがあまりに馬鹿でかくなると良さが消えてしまうが、400of4クラスのレンズなら使ってみたいなぁと思う。すでに開発が発表されているM.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PROはそれに該当するスペックだが、あまりに高価になってしまうと、同じ画角を得るのに安く上がるというマイクロフォーサーズの特徴が損なわれてしまうので、値段が気になるところだ。



● 2019.12.1〜12.11 魚部カフェ

 数日の日程で上京して、出版社で幾つか打ち合わせ。
 本当はまだ何ヶ所か行きたいところがあったのだが、今回は予定を切り上げていつもよりも早めの帰宅。
 水辺の生き物をテーマに掲げる北九州魚部がカフェをオープンすることになり、帰宅の翌日は、プレオープンのイベントに行ってきた。






 魚部が運営するカフェなので、生き物関係の書籍がたくさん。



 書籍の中には、市販されていないものも。



 当然水槽もある。



 それからカフェなので、美味しい食べ物も。
 元々、魚部には驚かされることが多いのだが、カフェとは、これまたビックリ。
 面白い!と思ったら、とにかく果敢にチャレンジして、猛烈な熱量でやり遂げてしまうのが、魚部の特徴。

 まだ学生の頃に、
「僕もプロの自然写真家になりたい!」
 と昆虫写真家の海野先生に相談した際に、
「付き合いを良くして人間関係でやっていく方法と力勝負をする方法とがあるよ。」
 と教えてもらったのだが、僕は力勝負を選択した。今にして思うと、僕の身の回りには人間関係で物事を進めていくタイプの人がいなかったので、そうしたやり方のイメージが湧かなかったのだと思う。
 でも結果的に、自分の選択は、今のところ間違えてないような気がする。
「先生〜、お手伝いさせてください!」
 などと言って、重要なポジションにスルスルと潜り込もうとする人を何人も見てきたけど、やっぱりその人の力以上のことはできないし、所詮お手伝い以上にはならないから。
 お手伝いはお手伝いでありがたい存在なのだけど、それは便利だからであり、本当の仲間にはなかなかならないのだ。
 結局この世界は、力の世界であり、面白いものを作るしかない。

 面白いものを作りたい時には、大切なことがある。
 それは、面白いことをやっている人たちの中に身を置くこと。形だけのことをする人とは距離を取って、自分に悪い癖をつけないこと。
 イベントをするにしても、本を作るにしても、ホームページを作るにしても、SNSをするにしても、何が面白いのか?の本質を追及すること。
 ただちゃんとしたものを作ればいい訳ではなく、見てもらって、喜んでもらってなんぼ。
 例えば役所のホームページを作るのなら、それを必要とする人が必要とした時に見れればいいし、面白いコンテンツで一人でもたくさんの人に見てもらおうとする必要はない。
 だが、自然写真の活動でただホームページがあればいいという風に振舞うならば、それはいわゆるお役所仕事であり、クリエイターとしてのおしまいを意味する。
 もちろん、お金やその他の事務作業も大切だけど、何が面白いのか?の議論がないのは、結果は最高でも現状維持であって、大半は下り坂になるから。
 僕は時々、
「お前はとても人付き合いが悪いのに、いい仲間がいるのが不思議だ。」
 と言われることがあるのだが、何が面白いかを追求していれば、同じように面白いを追及している仲間が仲間は自然とできるのかな?という気がする。


   
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自然写真家・武田晋一のHP 「水の贈り物」 毎日の撮影を紹介する撮影日記 2019年12月分


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