撮影日記 2018年12月分 バックナンバーへ今週のスケジュールへTopPageへ
 
 
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● 2018.12.20〜31 写真集の話

 以前、写真集を作りたくて、写真集向けの写真表現にこだわった撮影を生活の中心に据えていた時期がある。
 だがある時、何か違うなと感じて、そんな暮らしを保留にした。
 何が違うのかな?
 僕の主な仕事は、身近な生き物たちの生態を丁寧に見て、記録して、人に伝えること。
 だから、写真にこだわった写真集を作るための暮らしをするのではなく、生物にこだわる日頃の仕事の中からまるであふれ出すかのように写真集ができて欲しい。そんな自分の思いに気が付いたのだった。
 日本の自然写真家の中では、今森光彦さんのスタイルが、それに一番近いのかな?写真の技術屋として標本みたいなものも撮るし、子供向けの本のようなもの作るし、図鑑も作れるけど、そんな仕事の中から、写真集もできてきて、表現者としての側面もある。
 写真を撮る人を呼ぶ言葉には、いろいろある。
 例えば、「カメラマン」とか「写真家」とか。
 カメラマンは、一般的には技術屋さんのことを指す。
 一方で写真家は、作家活動をしている人のことを指し、「写真家」の方が格上に扱われる傾向があるのだが、僕は、まずカメラマンであり同時に写真家でもある人、が好きなのだ。
 少なくとも、
「俺は写真家だ!」
 という気持ちにはならない。
 ところがこれが思いの他難しい。
 因みに、ひたすらに写真集のようなものを目指したのが、若い頃の嶋田忠さん。
 嶋田忠さんの「極限の名剣術師」的な写真は大好きなのだけど、自分が同じようなことをしたいのか?と言えば、そうではない。写真表現にこだわった写真は大好きだけど、僕の場合、もっと根っこの部分で、子供の頃に図鑑に噛り付いた単なる生き物好きなのだ。

 自然写真って難しいなと思うのは、時間がかかること。
 あっ、何か違うなと感じ、軌道修正をしようとしても、当たり前のように2〜3年を要してしまう。
 ともあれ、来年は自分の思いをもう少し実現できたらな、と思う。



● 2018.12.18〜20 風邪〜回復

 のどの痛みと頭痛が、薬を飲まなくても我慢できる範囲に治まってきた。
 体のきつさから判断してただの風邪ではなかったはずし、一瞬、もしかしてインフルエンザか?と疑ったのだが、熱が平熱のままなので、インフルエンザではないはず。
 ともあれ、やれやれと安堵したら、その日の夕刻、36度台だった体温が、急に38度へ。
 思い当たったのは、もう大丈夫だろうとイオンに買い物に行ったことだった。
 しまった・・・あの時、まだ弱っている体がインフルエンザでももらってしまっか・・・、これからさらに一週間苦しむのか?
 まだ完ぺきではないのに、調子に乗って出かけてしまった愚かな自分を悔いた。自分が憎い!
 しかし翌日には、37度台まで熱が下がった。
 ああ、良かった。あの高熱は何だったのだろう?
 イタチの最後っ屁ではないけど、僕の体の中から駆除されつつあるウィルスたちの最後のあがきだったのだろうか?
 喉、頭痛、熱と推移した症状は、今度は鼻水だ。
 座っているだけで、ポタッポタッと鼻水が落ちてくるので、ええい、もう知らんわ、と拭くのをやめて垂れ流しに。
 鼻の症状がなくなれば、さすがにもう回復でしょう。

 体調不良の間に、仕事が2つあった。
 1つは撮影で、あとの1つは写真の提出。
 撮影の方は、自由で楽しい内容だったのに、とにかく体がきついのとアイディアが湧かないので苦しかった。せっかくの機会が、勿体ないな。
 こんな状況なので、写真さえ提出できればそれで十分と開き直ろうとするのだが、一方で、単行本は後々まで残るから納得できない写真は嫌だよなとも思う。
 結局、「こんな被写体はこう撮る」という How to に当てはめることで、何とか、切り抜けることができた。
 僕は普段、 How to に当てはめるのではなく、なるべく閃きを重視して写真を撮るのだが、撮り終えた後に、そこにはどんな How to が存在するかを文責して言語化して整理することにしている。
 直観頼りだと自分のコンディションに左右されてしまうので、調子が悪い時には、考えるのをやめて過去のパターン仁当てはめて機械のように写真を撮る。
 写真の提出の方は、提出用の画像のデータをちゃんと整理していたので、探す必要がなく、救われた。ちゃんと整理した過去の自分に感謝感謝。



● 2018.12.14〜17 風邪

 13、14、15日はひどいのどの痛み。
 午前中はまだいいのだが、甘く見て調子に乗って何かをしようとすると、午後からどうにもならないほど痛くなる。
 13日はひたすらに辛抱
 14日は、前日あれだけ痛かったのだからさすがにピークは越えているはずだし多少はマシになっているはずでしょうという僕の淡い期待は見事に裏切られ、13日と大差なし。ほんの少しのスタジオ的な撮影がどうにもならないくらいに苦痛で、まるで自宅で遭難したかのよう。
 15日は、前日よりもほんの少しだけましかな?この後いよいよ一気に快方か?と思ったら、喉の痛みに加えてひどい頭痛。
 頭痛があまりにひどいので、僕はだいたい薬は飲まないのだが、珍しく薬を飲んだみたら、みるみる治まり、さらに翌朝にはのどの痛みがほとんどなくなった。
 頭痛薬って、喉の痛みにもこんなに効果があるんだ!
 あまりに身軽になったのでてっきり治ったのだと思ったけど、しばらくしたらまた頭痛と喉の痛みで、追加で薬を飲むとまた治まる。
 一時的に楽になったのは、治ったわけじゃなく、やっぱり薬の効果なんだ。
 薬を普段あまり飲まないのは、自分の感覚として薬が効いた試しがないからだが、効く時は効くんだなぁ。もっと早く飲めば良かった。
 腹痛は、僕の場合よくあることなので慣れているし、平気で仕事ができるのだが、頭痛やのどの痛みは滅多くない代わりに、ひたすらにキツイ。
 風邪の類は、子供の頃よりも明らかに治りにくくなっているよなぁ。



● 2018.12.13 更新のお知らせ

 時々、ひどい無気力になることがあり、勝手に無気力症候群と名付けている。
 自然写真のような仕事は馬鹿げているくらいの情熱が命だから、無気力になると、その情熱の泉が涸れてしまったのではないか?と不安になる。
 自分のことでありながら、自分ではどうにもできないのだ。

 最近気が付いたのだが、無気力になった2〜3日後くらいに、お腹を壊したり、熱が出たり・・・と体調を崩すことが多い。
 すべての無力がそれで片づけられるとは思わないのだけど、多くのケースで、もしかしたら無気力は、体調不良の前触れなのかもしれない。
 ここ数日、ひどい無気力だったのだが、やがてお腹を壊し、今日はひどい喉の痛みで、何か風邪のような病気に罹ってしまったようだ。

 さて、体がきついので撮影を取りやめにして、11月分の今月の水辺を更新しました。



● 2018.11.21〜12.11 SNS

 自分が関わった本が刊行された際に、本をSNSで紹介しアマゾンのリンクを貼っておくと、約50人がクリックしてくれれば一冊の割合で本が売れる。
 出版社の人にそれを話してみたところ、興味を持った人50人に対して一人が買うというのは、非常に高い確率なのだそうだ。
 ところが、だからSNSに威力があるのか?と言えば必ずしもそうではない。
 例えば、50人に一人が本を買ってくれるということは、4000冊の本を売ろうとすると、20万人がクリックされる必要があるが、僕らが作るような自然関係の本で、WEBで20万回クリックしてもらうというのは、有名な芸能人でもなければほぼ不可能に近い数字だろう。
 実際には、4000冊は初版で刷られることが多い数字で、それを売り切って本が増刷されることもあるわけなので、自然関係の本に関して言うと、SNSの拡散力よりも、従来の販売網の方がはるかに強いということになる。
 つまり、SNSは、小さな局面では非常に有効だが、大きな局面でビジネスが成立するようなスケールにはなりにくい。
 ここのところ、立て続けに人と会う機会があったのだが、実際に出版関係の人と会ってみても、SNSを見ている人は意外に少ない。
 SNSを本格的に駆使しようとすると、自分もアカウントを取得し、何か発信しなければならない雰囲気があり、SNSは自分からも発信したい人以外には意外に敷居が高い。また、中でもツイッターのような、次から次へと投稿が流れていくタイプのシステムは、それを追いかける人ができるようなある意味暇な立場の人にしか面白くない、というのも考えられる。


   
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自然写真家・武田晋一のHP 「水の贈り物」 毎日の撮影を紹介する撮影日記 2018年12月分


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