撮影日記 2015年2月分 バックナンバーへ今週のスケジュールへTopPageへ
 
 
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● 2015.2.28 故障


NikonD610 AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF) Capture NX-D
氷の下で暖かい日を待つヒキガエル

 ハイエースの走行距離は27万キロ。
 4ナンバーなので毎年車検があり、宮若市の石松自動車で、車検のついでにお任せで他に必要な箇所も整備してもらうようにして、これまで過去にたった一度の故障もない。
 同じタイプの1ボックスの車に乗っている他の人に聞いてみると、だからと言って車検の際に一緒に支払う代金が特に高額というわけではなく、むしろ、僕が聞いた範囲では安かった。
 石松自動車の整備の技術力の高さと、まるで自分の車のように、トータルとして一番安上がりになるように整備してくださる心配りがありがたい。石松さんは、聞いた話では、子供の頃から車が好きで好きでたまらなかったのだそうだ。
 それから、ハイエースは丈夫な車だと評価が高いが、確かにその通り。 

 ただし、社長が一人で整備をするので、時間が少々かかる。
 そしてなぜか、その間にハイエースと入れ違いで乗っている軽自動車に故障が起きることが多い。
 軽自動車の方は、ハイエースのようにはいかず、チョイチョイ故障する。走行距離はすでに約17万キロなのでしかたがないかな。
 今年も、先日ハイエースを車検に預けたら、軽がおかしくなった。
 今回は、ミッションのトラブルのようなので、事はやや重大。
 しかし幸いにも、この2月のメインのテーマであったヒキガエルの撮影がすでに一段落していることを思うと、幸運であるとも言える。
 ヒキガエルの撮影のために溜め込んでしまったデスクワークを一気に片づけてしまいましょうか。



● 2015.2.26〜27 社会の枠組み

 もう数年前の話だが、
「出版で写真を発表したいので、見て欲しい」
 と一人の男性がうちのお越しになった。
 さっそくCDに収められた画像を見せてもらうと、まずは高い技術力とあちこちを歩き回った馬力に驚かされた。
 写真を評価する際には幾つかの切り口があるが、まず第一は、人におやっと思わせるいい写真であるかどうか。その点では、紛れもなくいい写真だった。
 次に、その写真が使える写真かどうか。
 これは、その写真がどんな場所で使えるのか、つまり社会の枠組みの中のどこにはまるか。そしてそうしたニーズが日本の社会の中にどの程度あるかという話だが、残念ながらその点では使える写真は少なくて、僕が見た印象では、数百枚の中に、25枚程度ではないかと思った。
 昔、昆虫写真の海野先生に初めて写真を見てもらった時の話を思い出した。
「どんなに個性的な写真を持って行っても、使える写真がないと箸にも棒にもかからないよ。使える写真が最低500枚あれば箸にくらいはかかる。2000枚あれば文句なし。その500とか2000がまずあって、次にその中にあなたの個性が表現されたいい写真が200枚あれば、その時はそれがとても効果的です。」
と。
 訪ねてこられた男性は、それからそんなに年月が経たないうちに、癌で亡くなられた。おそらく自分の余命を知り、撮りためてきた写真をまとめようとなさっていたのではなかろうか。


NikonD3X Ai AF-S Nikkor ED 600mm F4DII(IF)
Ai AF-S Teleconverter TC-14E II

 泥にまみれ、まるでアニメ「もののけ姫」に登場するおっことぬしのようなオスが、すでに相手を獲得してペアーになったオスに挑みかかる。
 そのおっことぬしを、ゾクッとするくらいパーフェクトに写し撮るのは今シーズンに掲げた重大なテーマの1つであったが、残念ながら、納得できる写真はついに撮影できなかった。どれも周囲がゴチャゴチャして、抜けが悪いのだ。
 この場所は、泥にまみれたヒキガエルたちの争いがよく起きるポジションだが、光の向きの関係で午後のやや遅い時間帯の撮影でなければ、今日の画像のようにゴチャゴチャした絵になってしまう。すべてはその理想とする時間帯に争いが起きるかどうかの問題だった。
 ヒキガエルたちの争いは、青空が出て日差しがため池に射し込んでしばらくすると始まりやがて終わるが、今回はその青空が出るタイミングが早すぎ、僕が望んだ時間の前、昼前後に争いが終わってしまったのだった。

 さて、一連のヒキガエルの撮影が一段落ついたが、落ち着いてみると今回は後悔が多い。
 自分が撮りたい写真ばかりを撮っていて面白い写真はたくさん残ったが、使える写真が非常に少ない。
 ただ好きな写真を撮るのではなく、自分の写真が社会の一員になれるように撮影しなければ、せっかくの写真がなかなか日の目を見ない。
 興奮しすぎて冷静さを欠いたな。悔しい。



● 2015.2.17〜25 Xデー

 ペアーになったまま、氷の下でその日を待つヒキガエル。あとは気象条件さえ整えば、産卵が一気に始まる。


Nikon1 AW1 1 NIKKOR AW 10mm f/2.8

SONY α55 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE

 天気予報を見て、運が良ければ数時間で撮影が終わるんじゃないか?まあ、せいぜい2〜3日でしょうと軽い気持ちで出かけたものの、現実には望んでいたような条件にはならず、一日また一日と滞在日数が伸びる。
 明日こそは、明日こそは・・・と気付けば、結局、ため池の付近で合計で8泊の車内泊。
 すべては、ヒキガエルが卵を産むことができる気象条件だ。

 それに対応できるよに、なるべく人と約束をしないようにして、いつでも動けるようにしておく。ただでさえ付き合いが悪いのに・・・
 あそこに行きたい、あの人に会いたいとなどいうのはすべて封印する。
 とは言え、完ぺきにはなかなか出来ないもので、人の用事って案外多いものだなとしみじみ思う。
 やがてヒキガエルに大きな動きがあり、いよいよという一番肝心な時に、一旦帰宅しなければならなくなった。この時期、車検で車を預けなければならないのだ。
 往復4時間を費やして、車内泊用のワンボックスカーを自宅に置き、代わりに軽自動車に乗り換えてまた現場に向かう。
 到着したら、一ヶ所に4ペアーが集まり、まさに産卵の真っ最中だった。
 例年の岸に近い場所ではなく、全く予想外のやや沖のアクセスしにくい場所なので焦る。
 大慌てで水中カメラを持ってため池に立ち入るが、いざカメラを構えると、カメラの視度がよく合っておらず像が微妙にぼやけて見にくい。何かの拍子に調整が狂ってしまっていたようだ。
 かと言ってそれを直すには、一旦岸に上がり、カメラを防水するハウジングと呼ばれる箱を開けなければならない。
 岸に上がるためには池の中を数歩歩くことになるが、その時に泥を巻き上げるので水が濁る。産卵場所までの片道なら、ゆっくりゆっくり丁寧に歩けばギリギリ許容範囲だったが、そこからさらに1往復はキツイ。
 しかたがないので、見難い像のまま、撮影を強行する。
 水中撮影は道具がややこしいので、そうしたトラブルが起こりやすい。
 生き物の生態の撮影は大抵ギリギリの作業であり、すんなりと楽に終わることの方が滅多にない。
 もっとも、自分にすんなりとできるようなことは、他の誰かにもできるのであり、時間がかかることよりもそちらの方を恐れたい。一筋縄でいかない時ほど、いい線行ってるな、間違えてないぞとニヤリとするくらいでありたいのだが、それは、一段落つき、苦しみがのど元を過ぎてからようやく思うことでもある。



● 2015.2.9〜16 大学時代の思い出

 山口で少し時間ができた。時間ができたというよりは、狙いが外れてすることがなくなったと言った方がいい。
 ともあれ、せっかくなので野鳥でも撮影して遊ぶかと思い立ったのだが、野鳥から離れてずいぶん時間がたちどこへ行ったらいいのかがわからないので、M君をたずねてみることにした。
 野鳥に詳しいM君と出会ったのは、僕が山口大学の学生の時だった。大学の近くを流れる椹野川で鳥の撮影中に、
「野鳥ですか?」
 と彼が声を掛けてくれたのだ。
 当時M君は福岡の大学へ通っていたのだが、頻繁に帰省していたようで、よく河原で出会った。
 その当時、何度かM君に怒られたことがあったので、今あらためて彼をたずねるのにはちょっと抵抗もあったのだが、会いに行ってみることにした。

 確か一番最初に怒られたのは、M君のご両親が経営する紳士服店を僕が知らなかったからだった。ある時M君から、
「いいですか。驚いちゃいけませんよ。実は、うちは何を隠そうTなんです。」
 と店の名前を打ち明けられた。
 驚いちゃいけませんよと言われた時には逆に驚かなければならないと相場が決まっているので、
「えっ、Tですか!」
 と小さく叫んでみたものの、実はTというお店を知らなかったので、
「あの・・・、Tって何?」
 と聞いたら、
「Tを知らない。考えられない。」
 と怒られ、なじられ、呆れられたのだ。
「紳士服の、ほら、商店街の中にある。」
 そう説明を受けても、おしゃれに疎い僕には全く見当がつかなかったのだが、
「ああ、あのTというお店はM君のところの!それは凄い」
 と話を合わせておくことにして、あとでこっそり店を見に行った。

 それから、時々一緒に野鳥を見に行くようになった。
 ある時は、藪に立ち入ったら、あとで
「私の両親が怒っていますよ。その人はとんでもない人間だと言ってます。」
 と報告を受けた。
 なんと、Mくんが着用していたズボンは一流の高級品だったらしくて、それが傷んでしまいご両親の逆鱗に触れたというのだからうかつだった。M君は、一見おしゃれとは程遠い雰囲気なので、配慮を欠いてしまったのだ。
 そうして、1年、2年と時が過ぎ、大学の4年生になると、M君には大原簿記の資格を取るための専属家庭教師がついた。
 ところがまたしても、僕は大原簿記を知らなかった。
「大原簿記ってなに?」
「そんなことも知らずに、よく山口大学に合格できましたね。大原簿記は、それを取れば、どんな銀行にでも就職ができる凄い資格ですよ。ええ、知らないなんて考えられない。常識ですよ。」
 そうしていったい何度怒られたことだろう?

 さて、M君のご両親が経営する紳士服のTをたずねてみたら、更地になっていた。
 仕方がないのでいったん帰りかけたのだが、ふと、隣のお店の人に聞いてみようとUターンしたところ、そこにM君が通りかかった。何たる縁!
「いやぁ、Tは売り払っちゃいましたよ。」
「今何してるの?」
「不動産関係の方で。」
「ということは、どこかに事務所でも構えて?」
「いえ、私は外回りばかりです。」
 野鳥のことを聞いてみたら、25〜26年前とほとんど同じ、マニア独特の答えが返ってきた。
 白髪が増えたものの話の中身はまさに当時のままで、何1つ、変わってなかった。
 懐かしいなぁ。次はいつ会えるだろう?



● 2015.2.8 僕が新しいジャンルに取り組むとき

 昨年、紫外線写真の撮影をリクエストされ、よく調べもせずに引き受けたところ、あとでそれなりの出費が必要であることが分かり、クラッと倒れそうになった。
 一般的な写真用のレンズは紫外線をあまり通さないので、そうではないレンズが必要になるのだが、昔、ニコンのカタログに専用レンズが載っていたので、その中古でも手に入れようと思っていたらまず物があまりないし、あってもとても高価だった。
 仕方がないので、安上がりな、裏技的な手法はないものかと紫外線写真をインターネットで検索してみたら、昆虫写真の海野先生とアシスタントをしていた高嶋くんの日記が引っかかった。
 それらの記事はすべて読んではいたものの、自分には縁がないと思っていたので「へぇ」くらいの受け止め方だったのが、いざその必要に迫られてみると非常に有用であり、記事の意義を思い知らされた。
 また、紫外線写真は昆虫を語る際に時に不可欠とは言え、ニーズは多くはないないだろうから割に合いにくいと思われるが、それでもあらゆるジャンルを網羅しようとするその姿に「プロ」を思い知らされた。

 ともあれ、紫外線専用レンズではなくても、市販の一般的なレンズの中になぜか紫外線をよく通すものが存在することが分かり、その中から一本購入することにした。
 ところが必要なものは、それだけではなかった。
 何と、デジタルカメラは紫外線をカットするように作られているため、カメラに内蔵の紫外線をカットするフィルターを取り外した改造品を準備しなければならなかったのだ。
 カメラが紫外線をカットするというのは、フィルム時代には無かった機構だ。
 まさか、カメラを買うことになるとはなぁ。
 さらに、紫外線以外の光をカットするフィルターが必要であることは最初から分かっていたのだが、紫外線写真はしばしば、普通の手法で撮影された写真と並べて使われるので、紫外線写真用に改造したカメラを元の状態のように戻すフィルターも必要になることが判明して、またも出費を強いられた。

 そうなると、購入した機材使ってさらに紫外線写真を撮り続けて何らかの仕事をしなければ、割に合わなくなってしまう。そしてさらに紫外線を写真を撮り続けようと思えば、出来ればあと一本レンズが欲しい。
 仕事をしているのか、出費をしているのか、自分でもよく分からなくなってくる。僕が新しいジャンルに取り組む時は、そんなケースが多い。
「勇気ある撤退」などという言葉も脳裏に浮かぶが、ここで引くのは男じゃねぇという気にもなる。
 時々、詐欺で、
「儲かりますよ。ただし最初に物を買ってください。」
 という類の話を耳にした際に、
「なんでそんなのに騙されるかなぁ?」
 と思ったりもするのだが、なるほどなぁとも思う。



● 2015.2.6〜7 更新

今月の水辺を更新しました。


● 2015.2.5 コマーシャルと報道

 「生き物のカメラマンを目指そうと思う」
 と大学4年の時に父に伝えたところ、ジャンルは違うけど一人だけ名の知れた写真家の知り合いがいるというので、東京でスタジオを経営するNさんに会いに行った。
 その時、
「それぞれのジャンルの事情があるから、自分が目指すジャンルの人にも話を聞いた方がいいよ。」
 と教えられ、僕は憧れだった昆虫写真家の海野先生に手紙を書くことになる。
 Nさんは、父の親友の弟さんだった。

 Nさんのアドバイスは他にも今でも時々思い出すが、中でも印象が強いのは、写真には2種類あるという話だ。
 2種類の写真のうちの1つの中心は、コマーシャル写真。
 撮影の際に原則何をしてもいいのだという。例えば青空を飛ぶ鳩の写真が欲しい時に、スタジオに青い紙を貼り、大きな扇風機で風を起して鳩を何度も何度も飛ばして撮影をしてもいいのだと。
「あなたたちの世界だったら、鳥をそうして撮影するって、あり得ないでしょう?」
 と。
 それも、コマーシャルフォトの世界では、その人の技術の1つになる。
 あと1つの写真は、報道写真を中心とする写真で、コマーシャルとは逆に作り物を見せれば、そのカメラマンの命取りになる。
 生き物の写真の場合は、基本は報道写真的で、その中に部分部分コマーシャル的な要素が入ってくるが、コマーシャル写真のように何をしてもいいわけではなく、演出を加えようとすればするほど、見識や生き物に対する知識が求められる。



 昨年撮影を担当したチャイルド本社の3冊の月刊誌は、いずれも担当の編集者が異なる。
 そして編集者が違うと、考え方も作り方の手法も違ってくるし、実は、僕はこの手の仕事ではそこが一番面白いと思っている。
 さらに、生き物の記事に関しては、原則として、編集者が絵コンテや文章を書く。
 つまり、編集者は著者を兼ねる。
 ところが多くの編集者は「編集の専門家」ではあっても「著者」としての訓練を積んでいるわけではない。大半の人は、生き物について語れるほど、自分の目で見て知っているわけではない。
 それでも編集者が著者になるのには、理由がある。
 それは、幼児向けの月刊誌が単なる本ではなく、幼稚園や保育園の先生と子供たちのためのコミュニケーションツールであることだ。生き物に関する知識よりも、他にもっと重要なポイントがあるのだ。
 その結果、コミュニケーションの手段として欲しい絵の撮影が優先される。
 おのずと、求められる写真はコマーシャル的になる。
 しかし、同時にやはり生き物の記事でもあるので、カメラマンには、何が許されて、何が許されないかの見識やモラルも求められる。
 僕の結論は、自分の撮影の中身を、例えば本を子供たちに読んで聞かせる幼稚園や保育園の先生方に、楽しいメイキングのお話として語ることがでくるならよし。それが後ろめたくて出来ないのならダメというものだ。
 そして、生き物についても編集者に知ってもらえるように、伝える努力をするということ。

 さて、そろそろ読者に届けられるサンチャイルド3月号「わたしはみつばち」は、非常に稀有なケースで、編集者自らが農作業やミツバチを趣味にしておられる。
 ミツバチに関して僕よりも詳しくて、撮影に際してミツバチに関する質問をすると、的確な答えが返ってくる。
 つまり、完全な著者であり、幼児向けの月刊誌を作る際の理想形の1つだと感じた。
 月刊誌は毎月作られるのだから、常に著者になりきれるわけではないだろうし、そのことはご本人もおっしゃっていたのだが、一方で、普段から、ハチに限らず、自分が著者になるかもしれないという意識の高さを感じさせてくださる。
 一緒にハチの撮影に出かけても、生き物屋の僕と同等か、それ以上にハチを見ようとしておられたことが大変に印象的であり、衝撃的だった。



● 2015.2.4 画像処理

 12月に入ってから毎日早朝に2時間ずつくらい時間を取って進めていた、カタツムリ取材の際の画像処理が、昨日ようやく終わった。
 毎日少しずつだから・・・と思っていたのだが、期間が長いとさすがにこたえるもので、これで少し自由になれる。
 最後に残ったのは、2013年の夏〜秋に東北〜北海道で撮影した画像だった。

 通常なら、長期取材から帰宅をしたら、長い車内泊の暮らしへの反動で車に乗りたくなくなるから事務所にこもり画像の整理に精を出すのだが、カタツムリ取材の場合採集したカタツムリの標本写真があり、取材中に撮影した画像にはなかなか目を通すことができなかったのだ。
 画像処理で最も労力を要するのは一枚ずつ画像を見てどれを残すかを決める作業なので、それだけは現場で車の中でやっておくべきだが、NikonD800の3600万画素の巨大なデータは、当時持ち歩いていた脆弱なノートパソコンではハードディスクにコピーをするので精一杯であり、画像を見るところにまでは至らなかった。
 ひどい日には、コピーに要する時間が2時間近い日もあった。

 僕は普段、ニコンのカメラで撮影した画像の処理にはシルキーピクスというソフトを使用することが多いが、ISO800以上の高感度で撮影した画像に関しては、ニコンの純正ソフトの方が明らかに画質がいい。
 そして雨の日と薄暗い場所を好むカタツムリの画像には、その高感度で撮影したものが多い。
 ところが、当時のニコンの純正ソフトであるCapture NX 2は、一枚の画像を丁寧に処理をするのには非常に優れたソフトだったが、量を捌くことには実に不適であり、おまけに突然動かなくなるなど欠陥も多く、これまたたまった画像の処理をおっくうにした。
 しかしその後に登場したCapture NX-Dは、前のモデルであるCapture NX 2よりも機能が劣るという信じられない事態になったものの、量をさばくことに関しては非常に扱い易くなり、その操作性の改善には救われた。



● 2015.2.1〜3 ベストドレッサー

 僕はいまだに、生き物のカメラマンという仕事に憧れを感じる。
 なのになぜだか分からないのだけど、人から自分がカメラマンだと見られるのが嫌で、普段、カメラマンらしい恰好をするのが好きではない。
 例えば、カメラマン用のベストには小さなポケットがたくさんあり、小道具を多く必要とする写真撮影には身に付ける物入れとして非常に便利だが、あれを着用するといかにもカメラマンという感じに見えてしまうので、これまで敬遠してきた。
 ベストが嫌いなわけではない。
 釣り用のものは大好きで、釣りに行く時は何の抵抗もなく着用する。
 しかし先日、ついに写真撮影用のベストを一着購入し、これまでウエストバッグに入れて持ち歩いていて小物をベストのポケットに移した。
 ウエストバッグを身に付けると変な位置に荷物を抱えることになり案外疲れるのと、僕のように撮影時に胴長と呼ばれる胸までの長さの長靴をはくことが多いと、その上から締めたウエストバッグは蒸れの原因になるのだ。
 今年は、長い距離を歩きながら写真を撮りたいと思っていて、なるべく荷物を減らした上で荷物を上手に軽く持ち、少しでも快適に歩きたいと思う。


    
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自然写真家・武田晋一のHP 「水の贈り物」 毎日の撮影を紹介する撮影日記 2015年2月分


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