撮影日記 2015年1月分 バックナンバーへ今週のスケジュールへTopPageへ
 
 
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● 2015.1.29〜31 続・著者になること

 趣味で撮る写真と仕事として撮る写真の最大の違いは、趣味の場合は、自分がその時点で撮りたいと思う被写体にしかカメラを向ける必要がないのに対して、仕事の場合はそうではない点にある。
 例えば、昨年僕はヤドカリの撮影を依頼されたが、ヤドカリの写真を撮りたいなと思ったことは実はそれ以前に一度もなかった。

 被写体に興味を持てなければいい本が作れるわけもないのだから、撮影は、カメラを手にするよりも前に、ヤドカリに興味を持とうとすることから始まった。
 では、いったいどれくらい興味を持てれば、本の世界でそれが好きだと言えるのだろうか?
 逆の立場、つまり読者の立場に立ってみれば、すぐにわかる。
 それを趣味にできるくらい、つまり仕事抜きにそれにほれ込んでいる人の話を聞きたいと誰しも思うだろう。
 「生き物が好きなんでしょう?だったら簡単じゃない?」
 と感じる方もおられるだろう。
 半分は当たっていると思うが、半分は間違えだと思う。
 すでに何かの生き物に興味を持ちその写真を撮っている人であればあるほど、その他の生き物にはむしろカメラを向けたくない側面もあるのだ。
 鳥以外の被写体にはなかなか興味を持てない鳥のカメラマン。
 虫以外の被写体にはなかなか興味を持てない虫のカメラマン。
 マニア性と言ってもいいのだろうが決して珍しいことではないし、それを打ち破るには、大変な葛藤を要する場合がある。

 ともあれ、まずはヤドカリの本を読み、最低限の知識を頭に叩き込む。
 ただ商売として本を作ればいいのなら、何冊か本を読めば、それらのコピーアンドペーストでそれらしいものなら作ることならできる。
 だが、そこには真の感動はないし、人の心を打つことは難しい。
 第一、自分がヤドカリ見ようよ!という本を作るのに、自分が何度でも見たいと思わないのは矛盾も甚だしい。
 そこで、磯に通って観察をする。
 そのうちに、本を作らなければならないからとかではなく、
「ああ面白れぇなぁ〜。これ撮影したいよね。」
 という思いが込み上げてくるようになる。
「ああ、いいチャンスもらったなぁ。役得だ!」
 と思えて、ようやくカメラを手にすることができる。
 時にその過程に結構な時間がかかることがある。

 プロとして優れた人であればあるほど、未知の物事に対して惚れるのが上手いように思う。
 だから、その人にばかり、いい仕事が振り込まれているように、傍からは見える。



● 2015.1.24〜28 著者になること

 生き物の本やページを作る際には、誰かが著者になり、文章を書いたり絵コンテを描いたりしながら、本の基本になる箇所を作ることになる。
 そしてその著者になる人が、その生き物を見て
「面白れぇな〜」
 と感激できないようなら、それがいい記事やいい本になるはずはない。
 つまり著者に求められるのは、その場へ行ってそのものを見ること。そして何らかの感激を持ち帰ってくること。それができるくらいに、その生き物を好きであることだと言える。
 一方で編集者は、実際に自分がその生き物を見る必要は、必ずしもない。
 編集者の場合は、著者が作ったコンテンツを見て「面白れぇな〜」と感激できなければならない。
 そこに、著者と編集者やその他出版にかかわる人の、立場の違いがある。

 さて、撮影した写真を簡単にまとめ、本作りのパートナーであるボコヤマクリタさんに渡すと、見事に編集〜構成され、本の体裁になる。
 美術性、作家性・・・、ボコヤマさんの技術は僕にとって、あんな夢、こんな夢をかなえてくれるドラえもんのポケットみたいなもの。
 しかし、ドラえもんのポケットにのび太が頼り切ってしまうように、僕も、ついボコヤマさんの技術に頼ってしまう。のび太の気持ちが非常によく分かる。
 頼れるところは頼ればいいと思っているのだが、自分ですべきこと、自分にしかできないこともある。
 それは、実際に生き物を自分の眼で物を見て感激し、その際の感激を表すことだ。ここだけは、どんなに人に頼りたくても、誰かに代わってもらうことはできない。
 よく考えてみれば当たり前すぎるくらいに当たり前のことだが、そんな当たり前が、なかなか分からないのだ。
 相手がどんなに優れた技術の持ち主であっても、楽をして写真を簡単に渡すのではなく、最低限自分の感激を表現できるところまでは本を作り込んだうえで渡さなければならないんだろうな。
 感激だけは、付け加えてもらうことができない。
 昨年から出版の準備をしているヤドカリに関する画像や資料を、先日、ボコヤマさんに渡した。

 生き物の出版の世界には、生き物の本はいつも同じ生き物ばかりを取り上げる、という批判がある。
 それに対して僕は、別に同じ生き物でもいいじゃないか!と、今の時点で思う。
 ただし、新たに本を作る際には必ず自分の眼でその生き物を観察しながら本の構成やシーンを決めること。
 同じ生き物ばかりが取り上げられることの最大の弊害は、新しい本を作る際に実際にその生き物を観察しながら本を作るのではなく机上で考えたり、あるいはすでにある本を見て、今風の言葉で言い表すなら、コピーアンドペーストで新しい本を作ってしまうことになることにある。
 それでは、人の心を打てるはずはない。
 現に、どんなに通いなれた場所でも、どんなにたくさん撮影したことがある生き物でも、新たにフィールドに出れば必ずと言ってもいいくらい、新しい発見がや感激がある。
 いつもの場所へちょっと偵察のつもりが、2時間、3時間となってしまうことは、別に珍しいことではない。



● 2015.1.20〜23 続・デジタル化

 大分県内のフィールドについて教わりたくて、トンボの神様・H田さんに助けを乞うたら、実に丁寧で分かりやすい説明付の地図が送られてきて唸らされた。
 やっぱり、スゴイ成果を上げる人は、何をするにしても細密なんやなぁ。

 昨年5月の末に夜の沖縄の森で道に迷いそうになり、ヒヤッとした。車がかろうじて通れるくらいの林道だったので、甘く見ていたのが間違いだった。
 そんなに分かれ道が多かったわけではないのだが、あとで分かったのは、良く似た雰囲気の道を勘違いしてしまったということ。
 1つ道を間違えただけでその先は完全に未知の世界なのだから、一気に危なくなることを思い知らされた。
 そこでハブにでも食いつかれようものなら!

 それ以降、ハンディーGPSをまめに持ち歩くようになった。
 さらに緊急用以外にもGPSを活用しようかという気にもなってきた。
 人から教わった場所で道路から離れた場所へ行く時などは、あらかじめGPSに地点を登録することにした。
 ハンディーGPSに表示される地図は、一般道路に関してはあまり良くないように思うが、山道に関しては素晴らしいの一言。その他の地図ではまず分からない小さな池なども表示され、おや!あそこまで足を延ばしてみようかな!という気にもさせられるし、立体感のある地図であたりの地形が分かるのもいい。
 GPSは、元々父が購入したもので、パソコンと連動させて真価を発揮するのだが、パソコンが得意ではない父には使えない道具だったようだ。
 ついでに写真が撮れれば非常に便利な道具なんだけどなと思っていたら、弟が撮影機能付きのGPSを持っていて驚いた。
 それもまた、父から譲り受けた物らしく、父は2度ほど、ハンディーGPSにチャレンジしたようだ。
 近年、パソコンの使いこなしは、何をするにしても肝になってくる。

 そうした地図や生き物に関する情報をまとめたファイルをデジタル化して、ノートパソコンやタブレットPCで持ち歩くようにしたことは前回書いたが、作った資料を、ノートパソコン、タブレットPC、スマートフォンとそれぞれに記録させるのは案外手間を取るので、インターネット(クラウドシステム)を利用して、すべての機器が自動的に事務用のパソコンと同じ状態になる(同期する)ように設定してみた。
 同期という概念は、何となく好きではなく積極的に利用する気にはなれなかったのだが、まだまだ先がある僕の年齢を考えると、活用し慣れるようにして、ついていかざるを得ないだろう。
 使いこなすと基本的に非常に便利で多くの煩わしさから解放されるが、便利であるが故の危うさもないわけではなく、一定程度の注意が必要というところだろうか。
 そのシステムになれるまで、ちょっと難しく感じる方もおられるだろう。



● 2015.1.19 デジタル化

 場所が欲しいな、と思う。
 広い場所があれば同じことをするにしても効率が上がるし、そもそもそれだけの場所がなければ出来ないこともある。
 一方でコストの面から言えば、生活のすべてをなるべくコンパクトにして暮らしを低コストな体質にしておくことも、今の日本の経済状況を考えると重要だと思う。

 さて、普段撮影の際に持ち歩いている、県別に整理した資料を、今後はデジタル化することにした。
 例えば、生き物の生息地に関する地図、調べたWEBページ、人様が提供してくださった情報などはすべて画像化した上で、ノートパソコンとタブレットPCに保存しておく。
 そうすれば、まず事務所で場所を取っている大量のファイルが不要になるし、すべて持ち歩くことは不可能なくらいの大量のファイルに匹敵する情報を、常に、手軽に持ち歩くことができる。
 紙を束ねたファイルは大好きだし、ある部分、僕のロマンでもあるのですが・・・



● 2015.1.14〜18 分からないということ

 生物学の学生時代の仲間が教授になったというので、冷やかしも兼ねて会いに行ってみた。
「講義もするんやろう?」
「もちろん。」
「自信を持って語れることって、どれくらいある?」
「う〜ん(笑)」
「昔、僕が高校で講師をしてた時に、正直に言えば、高校レベルの教科書でさえ自信をもって教えられるところなんてほとんどないし、難しいんよ。基本的に、教科書に書いてあることをなぞることしかできんかった。中学の教科書でも自信なし。」
「いやいやそうよ。同じ。分かるって思えるところなんてほとんどないなぁ。」
「そう言えば、現役の研究者の眼から見て、小保方さんって、ウソついていると思う?」
「嘘はついてないような気がするけど、分からん。」
「何が起きたかは?」
「わかんないよね。」
 そんなもんだよね。



● 2015.1.11〜13 壊れる

 昨年12月の中旬の上京の直前、ニュースが「 近日中に大雪が降るかも」と警告するので雪用の靴を履いていったら、滞在中に縫い目が破れてしまった。
 雪用と言ってもフィールドで使用するには物足りない中途半端なもので、まだあまり使ってなかったし、まだまだ使えると思い込んでいただけにガッカリだった。
 おまけに穴が開いていて雨水が染み込んでくるくせに、全体としては防水防寒なので蒸れるのだから困る。
 よく女性のブーツは蒸れるため、あの華麗な外観に反して実は臭いなどと言われるが、なるほど、僕の足は確かに臭くなった。

 その時羽織っていったマウンテンパーカーも、上京中に壊れてしまった。
 パーカーなんて壊れようがないだろう?と疑問に感じる方もおられるだろうが、裏地に使用してある特殊なフィルムのような箇所がボロボロになり、粉になって剥げ落ちてきた。
 あちこちで僕が座った後が白い粉だらけになり、パーカーを脱ぐと肩のところにまるでフケのように白い粉が乗っているのだから、非常に始末が悪かった。
 一層のこと、ガムテープか何かでその加工をすべてはぎ取ってしまいたかったのだが、手前にメッシュがあり、それも出来ない。
 かと言って、上に羽織るものないのはキツイので、我慢をして使い続けた。

 東京から帰宅後に山登りに行ったら、今度は登山靴が壊れた。
 靴の本体は全く何の問題もなし。
 靴のソールも同様。
 問題は、本体とソールの間に挟まれた柔らかいクッションの部分で、そこが崩れ落ちるように劣化してしまった。
 痛んだパーカーも登山靴も、よく考えてみればその箇所が最初に劣化するのは当然であり、他の箇所にどんなにいい素材が使われていても、ある程度の時間が経てば使えなくなる作りになっていた。
 安物ならともなく、いずれもそれなりに高価なものだったが、いかにも今の時代の製品であり、長く長く使うことは最初から想定してないのだろう。
 
 一方で、僕が中学生の頃に父に買ってもらったマウンテンパーカーは、さすがに古くなったが、未だに使おうと思えば使うことができるし、随分前に製造中止になっているはずだが、今でも同じ製品を身に付けている人をたまに見かける。
 メーカーはアシックスであり、おそらく、いや間違いなく、シェラデザインズの60/40パーカーのコピー商品であり、そんなに高価ではなかったはずだが、大変に長く使うことができた。
 アシックスは当時アウトドア製品にも力を入れており、タラスブルバというブランド名で販売されていた。
 マウンテンパーカーの他にも、タラスブルバのものでは、ガントレという靴や釣り用のベストを買ってもらった。釣り用のベストなどは、昨年ようやく引退させたくらいだ。



● 2015.1.10〜11 レンズの性能


NikonD7100 AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF) SILKYPIX

 海外で、ニコンの300mmレンズの新製品が発表された。
 新製品の噂は耳にしていたし、200〜300mmクラスのレンズに関しては新しいものを一本買いたいと思っていたので、何を買うにしてもすべてはその発表を待ってからと思っていたのだが、予想外のスペックのレンズが発表された。
 従来のレンズとは異なる仕組みのもので、300mmとしてはあり得ないような小ささと軽さ。
 ただし、その仕組みのレンズは、過去に他社で発売されたものではボケに癖があるとされている。そしてニコンも、今回のレンズにはそうしたそうした癖があり、それについては画像処理ソフトである程度まで対処することをアナウンスしている。
 軽くて小さいというのは非常に非常に非常に魅力的だが、僕は過去に一度もボケに癖があるレンズを好きになれたことはなく、すべて手放している。
 さて、どうしたものか・・・

 ならば今使用しているものを改めて試してみようか、と昨日ドッグランに行ったついでにうちの犬にレンズを向けてみた。
今回試した AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF) は、今ではより新しい製品に置き換えられており製造されていないが、新製品より接写能力が高いという特徴があり、これは、小さな生き物にカメラを向ける者にとっては、何にも勝る非常に優れた性質だ。
 一方で描写は、使用するカメラによって評価が大きく違ってくる。FXフォーマットと呼ばれるシリーズのカメラを使用すると画像の周辺の描写がかなり悪いが、DXフォーマットと呼ばれるシリーズのカメラなら問題なし。僕は、両方のシリーズを使用しているので、その点では、評価が難しい。
 手振れ補正は、今となっては、最新のものよりも劣る。
 が、作り自体は非常に上質で、動いているものに手動でピントを合わせる際のピントリングの感触などはすばらしい。
 気に入っている面と気に入らない面がごっちゃごっちゃに入り混じった悩ましいレンズなのだが、もうしばらくコイツで頑張ろうかな。



● 2015.1.9 伝説のレンズ


NikonD800 Ai AF Nikkor 28mm F1.4D NX-D

 目の前に滝があり、その一筋の流れに月光が射し込むのを待つ。
 ただし、滝は奥まった場所にあるため、光が当たるかどうかはまさにギリギリ。便利なスマートフォン用のアプリを利用して月のコースをシュミレートしても読み切ることができない。
 結局、一晩その前で待って、自分の目で確かめるのみ。

 さて、Ai AF Nikkor 28mm F1.4Dは、製造中止になって以降、一時期30万円近いプレミアム価格がついたニコンの伝説のレンズの中の1本だ。
 実は、随分前にどうしてもお金に困って、このレンズを手放してしまおうかと考えた時があったのだが、当時のニコンには、このレンズの後継や近いスペックのものがなかったため、手放すとまた必要になった時に代用品も含めて二度と手に入らない可能性があり、かろうじて思いとどまった。
 一般的なレンズよりも、暗い場所に強いという特徴がある。

 その後、デジタルカメラの感度が良くなり、暗い場所に強いレンズの出番がめっきり減ってしまい、今度は多数の道具の置き場の関係で再度手放すことを検討したのだが、やっぱり持っていて良かったと思う。このレンズの性能はスゴイ!
 手放すどころか、2年に1本ずつくらいでいいので、使用頻度の高さに関係なく、高額でも個性派のレンズを入手していこうかという気になってしまった。



● 2015.1.7〜8 スマホ



 最新のデジタルカメラの多くは、スマートフォンでコントロールできる。ファインダーをのぞく代わりにスマートフォンの画面に像を表示させ、シャッターを切ることができる。
 上の画像は、左側に写っているニコンのD610が捉えた像を、スマートフォンに表示させたものだ。
 トンボがよく止まる杭の前にカメラを固定し、離れた場所でスマートフォンに転送される像を見ながら写真を撮るなどというのは、かなり使える手法だと思う。
 ベッコウトンボなどを至近距離で撮影した経験で言えば、人が近くにいない方が、お気に入りの杭によく、そしてすぐに止まる。

 その際には、スマートフォンの画面でピントを合わせることもできる。画面にタッチをしたらその場所にピントが合うので、スマートフォンはある面、ただのリモコンよりはずっと優れている。
 僕が所有しているカメラの中のWifi内蔵の機種は、特に何も買い足すことなしにそうした撮影に使用できる
 Wifi蔵を内蔵しないカメラの場合は、アクセサリーを使用することになる。
 ニコンD610の場合は、



 ニコンD7100の場合は、



 その場合に使用するスマートフォンは、電話会社と通信の契約をする必要はなく、どこのメーカーのものでもいいので、端末だけがあればいい。
 電話会社では、大抵激安で購入できる端末が準備されているが、それを買うには通信の契約をしなければならず、端末だけを購入しようとすると非常に高価になる。
 そこで端末だけが欲しい場合、電話会社ではなく、通信の契約を前提としないメーカーの物を買えばいい。そうした端末はSIMフリーという名前で売られており、1〜2万円くらいで購入できる。
 僕が購入したのは、



 端末の機能は、アイフォンなどと比べると一部省略されている箇所がある(例えばコンパスが内蔵されおらず、スマートフォンで地図を駆使する場合に、他にコンパスを準備する必要がある)ので、、端末を撮影の際にあらゆるケースで駆使したい人は、アイフォンかもっつ高価なフル装備のものを買った方がいいだろう。

 せっかくスマートフォンを購入するのだから通信もしたいなと思う人は一層のこと電話会社でスマートフォンの契約をすればいいのだが、月々の支払いが気になる人は、SIMカードだけを激安価格で提供している会社もあるので、そうした会社と契約し、それをスマートフォンに射し込めばいい。
 僕が利用しているのは、ツイッターでお互いにフォローしあっている岡山大学の笛田薫先生から教えてもらったIIJという会社で、幾つかコースがあるが、例えば、月々900円で2G、1520円で4Gまでの通信ができる。
 僕は、約一ヶ月の取材で、タブレットを使っての調べ事やパソコンを使ってのホームページの更新などで、過去に月あたり4Gを超えたことがない。
 通信の際の回線はドコモの回線を使用するので、ドコモの携帯電話が通じる範囲ならどこでも使用できる。したがって、つながらないという不満はない。
 IIJのSIMカードを挿したスマートフォンを、テザリングというモードに設定すれば、スマートフォンを介してパソコンをインターネットに接続することもできる。
 したがって、旅先の車の中でホームページを更新できる。
 +月額500円〜700円で通信以外に電話も可能になるが、通話は、秒あたりの通話料が高価なので、僕はガラケーを持ち続けている。
 そうした格安のSIMカードを使用する場合、確か、通信の仕組みが他社と異なるAUの端末には使えないという話を聞いたことがあるので、AUの端末を持っていてそうしたSIMカードを使うことを考えている人はよく調べた方がいい。
 また、そうした道具を扱うことに自信がない人は、多少知識を要するので、手堅く電話会社で契約をした方がいいと思う。

 タブレットでも、スマートフォンと同様に、カメラをコントロールすることができる。
 スマートフォンでカメラをコントロールする際の弱点は電池の持ちが悪いことだが、タブレットなら、電池の持ちがいい製品もある。
 ただし、タブレットは少々大きいので、僕は常に持ち歩く気にはなれない。



● 2015.1.6 体の変化

 冬期に北日本へ取材に行くと、人の寒さに対する感受性に、かなりの幅があることに気付かされる。
 例えば北日本で雪がしんしんと降るような極寒の日でも、温泉の露天風呂で湯船から出て長い時間体を冷ます方がおられるのだが、僕はどんなに湯につかって体を温めても、寒くて到底そんな真似はできない。
 時に、同じ人間だとは思えなくなることがある。
 さらに、年々、寒さには弱くなっているように思う。
 僕はわがままな人間であり、元々寒さも暑さも大嫌いなのだが、以前なら、寒さよりも暑さが苦手だった。寒いのは服を着込めば解決できるが、暑いのは全部脱いだって我慢できないなどと理由をつけてみたりもした。
 が、近年は、寒さの方に、より嫌なイメージを持つようになってきた。

 特に車内泊が堪えるようになってきたのだが、こんな製品が存在することを近所のラーメン屋さんの大将に先日教わり、取り付けてみたくなっている。
 問題は、僕のハイエースはすでに25万キロ走っていることで、どうせなら、寿命が長い車に取り付けたくなる。
 しかし車屋のおやじさんによれば、
「自分が整備すれば、ハイエースは50万キロは走りますよ。」
 とのことなので、僕の車はまだ半分しか走ってないとも言えるし、最近は、近場での取材はもっぱら軽自動車にして、ハイエースの走行距離が伸びないようにしていることを思えば、まだまだ寿命がある。



● 2015.1.5 更新のお知らせ

2014年12月分の今月の水辺を更新しました。
12月は、今年の一枚です。



● 2015.1.4 ボウイ50S



 昨年の9月に注文したルアーが、年末にようやく届いた。
 イトウクラフト社のボウイ50Sは、1個、およそ3000円。量産がやり易いプラスチック製なら1000円〜1500円くらいで買えるが、バルサ製は高価だ。

 バルサにせよプラスチックにせよ内部にはおもりを内蔵し、トータルとしての重量が、投げやすい、或いは魚が待っている層まで沈めやすい重さに整えられているのだが、より比重が軽いバルサの方が動きがよく、魚を誘う能力に長けているとされている。
 3000円もするルアーを水中のどこかにひっかけたり、キャストミスで対岸の高い枝などを釣り失くしてしまったなら、僕はその日を明るく過ごせる自信はない。
 が、釣り師は、よく釣れるという言葉には極めて弱い。

 バルサ製のルアーと言えば、僕が中学生の頃にバルサ50というシリーズが登場して一世を風靡した。
 バルサ50は、当時の価格でおよそ3000円〜なので、中学生の僕にとっては、あり得んやろう!という値段だった。
 その後、おそらく大学生の時だと思うが、バルサ50をようやく何個か手に入れた。
 それは未使用のままタックルボックスの中に眠ったままになったが、やがて写真の道を志すようになりフィルムの現像代がどうしても捻出できなかった時にオークションに出品したら、非常に高価なプレミア価格がつき、僕の危機を救ってくれた。
 それ以前ではフィンランドのラパラがバルサ製として知られているが、近年日本で作られるバルサのルアーは、ラパラよりもはるかに質がいいし、性能もいい。

 バルサ50は、おもちゃのような外見でファンを魅了したが、性能とリアリティーや美術性を兼ね備えたルアーと言えば、僕が大学生の頃に登場したウッドベイトと呼ばれるシリーズだった。
 ウッドベイトは、1つだけ購入し今でも所有しているが、当時いくらだったんだろう?
 現在販売されているウッドベイトに関していえば、物によっては10000円を超える値段がついている。

 ともあれ、作り手さんを応援しよう!などと理由をつけ、昨年初夏にインターネットでボウイ50Sを購入しようとしたら、どこも見事に売り切れ。
 応援するどこか、お前には売らん!と拒否されたかのようでがっかりさせられた。どうも年に一度生産されたものは確実に売り切れてしまう、人気商品のようだ。
 しかし9月になると、次回生産分の予約を受け付けます、とお店で告知されるようになり、お願いしますから是非買わせてください、と大奮発して2個ほど注文しておいたのだ。



● 2015.1.2〜3 一脚+ネジ穴




 一脚の先端にネジ穴を取り付けた。



 そこに小型の三脚をねじ込めば、ただの一脚よりも安定する。
 小型三脚はマンフロット製のMTT2-P02。ヨドバシカメラで2480円。
 2480円の割にはかっこいいし、手触りもいい。
 一脚の足を延ばし過ぎなければ一応自立もする。



 三脚を取り付けない場合は、ネジ穴の中に泥などが入り込むのを防ぐために、オスオスのネジを使ってゴムキャップを取り付けておく。
 ゴムキャップにはメスのネジ穴がきってあり、何に付属していたのだろう?記憶にないのだが、普段からネジばかりを入れあるケースの中にあるものを使用した。
 ネジの類は、特殊なものは必ず保管して取っておくし、珍しい物を見つけた時には、すぐに用がなくてもとにかく買って持っておくことにしている。
 したがって、うちには包装の封も切ってないネジがたくさんあり、僕はネジマニアだ。
 子供の頃から、合体ロボにはただならぬ興奮を覚えていたものだが、今あるものを繋げて使用するのが大好きなのだ。

 最初からこういう構造になっている製品(http://panproduct.com/?p=16640)もあるにはあるが、数が少なくて一脚の部分のサイズや重さや操作性などを選ぶことができないので、すでに気に入って使っている一脚を改造をするにした。
 いやいや、上のURLの製品は、これはこれで欲しいと思うのだが・・・
 工作は、プルーフ(http://www.proof-08.com/)の水元さんに依頼した。
 こういう道具が欲しいという理由の他に、僕は水元さんの工作が大好きで、作ってもらったものを所有したいという動機もある。

 昨年から、小型軽量のニコン1というシリーズのカメラを多用しているのだが、三脚などという野暮な物体を持つと、小型のカメラを使用する最大のメリットである機動力が損なわれてしまう。
 でもね・・・時にカメラを固定する道具が欲しい場合もある。
 その点一脚なら、ほどほどの重さのものを選んでおけば杖としても使えるし、ヤブの中に隠れこんでいるカタツムリなどを探す場合には、手の延長としても使用できる。
 うかつにそんな場所に手を突っ込んでいたら、ダニやヒルやヘビにやられてしまうのだ。



● 2015.1.1 謹賀新年

 2014年は、5月の末からは、ひたすらにカタツムリ図鑑制作のための取材でした。
 事前に予定を立てた段階でそうなることは分かっていたのですが、それでも心のどこかで、他にもいろいろな被写体を撮影をする機会はあるよな、と思っていました。
 ところが実際にやってみると、当初の予定以上に厳しいスケジュールになりました。ちょろいと思っていた取材でいつも時間が足りなくなり、予備日を使ってもなおノルマを達成できず、何度も何度も日程を組み直しは時間を絞り出す日々になりました。
 結局最終的にも、当初図鑑で取り上げることを予定していた種類の中で、一種類だけ、時間切れで見つけ出すことができない種類が出てしまい、悔しい思いもしました。
 とにかく、ひたすらにカタツムリ漬けの毎日でした。
 今年は、その反動もあり、いろいろなことに取り組んでみたい気持ちを強くしています。
 また、カタツムリ取材の間は、 機材やその他に関して、ここは修正したい、修正した方がいいと分かっている箇所があっても、それをする時間を捻出できないケースが多かったので、道具の改良や改造、新しいテクノロジーの採用にも時間をかけたいと思います。

 2014年のきびしかった暮らしは、もう同じようなことはしたくない、とはならず、むしろ、最高に思い入れが深く充実した一年となり、今後の取材にどう取り組めばいいのかの指針となりました。
 それゆえに、カタツムリ図鑑そのものは当面赤字になる可能性が高いのですが、とても儲かった感じがする一年であり、そんな得をしたいものだと思いました。


   
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自然写真家・武田晋一のHP 「水の贈り物」 毎日の撮影を紹介する撮影日記 2015年1月分


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