TOP PAGE
撮影メモ

01年12月分

 
12月31日
(月)
−今ごろ、年賀状の準備−
昨晩から年賀状の準備をしています。
昨日は、熊本から帰宅をして、疲れをとるために3時間くらい仮眠をした後、住所録ソフトを起動させ、一人一人の住所を確認したり、まだソフトに登録されていない人の住所を加え、宛名を印刷しました。
それから、年賀状の文面を考え、宛名を印刷したハガキに、今度は文面の印刷です。
何度か試し刷りをして印刷位置を整え、本番の印刷を終えたのが今朝の5時。
それから事務所を出て帰宅をし朝食を食べ、自宅でしか住所がわからなかった数人の人の年賀状を作ろうと自宅のノートパソコンを起動させたところ、パソコンの調子が悪く、ほとんど作業ができません。
再度、事務所に戻り、ノートパソコンの中のデータを事務所のパソコンに移し、ハードディスクを初期化し、すべてのソフトを再インストールしました。
僕は、パソコンがあまり好きではないので、なかなかうまくいかなくて、試行錯誤を繰り返し、作業が終わったのは夕方の5時です。
僕は、いったん作業を始めると、作業を中断するのが嫌で食事をとらない事がよくありますが、今日も、昼食抜きでパソコンに向かい合っていました。
さすがに体に悪そうだな〜と感じ、自宅に帰り体にやさしそうな食事をとり、ようやく眠ることができます。
それでは、よいお年をお迎えください。
 
 
12月30日
(日)
 ダイコン

−泣く泣く帰宅−
今朝の熊本は、早朝から雨です。
時々、雲の合間から日差しが差し込むのですが、雨で気温が高いため、湧き水の池独特の霧が立ち込めることもなく、水中撮影も、陸上からの撮影も、諦めざるを得ませんでした。
今日は、阿蘇から菊地を通り帰宅をしました。
実は、明日が晴れの予報。
あと一日残って撮影がしたいのですが、年賀状や正月のための一切の準備をしていないため泣く泣く帰宅をしました。
早く準備しておくんだったな〜。
帰宅途中に、ダイコンが見事にできている畑を見つけ、撮影をすることにしました。
土がいい感じに盛ってあり、ダイコンの根っこが1/3くらい土から頭を出しています。
阿蘇の周辺の火山灰が混じった黒い土とダイコンの白のコントラストがとてもきれいで、葉っぱも、下葉まで黄色くなることなく青々と茂っていて、元気そうなダイコンのイメージそのものです。
作物など、人に身近なものには必ずといっていいくらい写真のニーズがありますが、かといって、一日の時間を費やして撮りにいくほどの被写体ではありません。
僕は、機会がある時に、面倒くさがらずに撮影をすることにしていますが、身近な作物でも、いざ、「あれを撮ってきて。」と依頼されると難しいものです。
作物の場合、虫食いや葉っぱの汚れが多く、なかなか完璧な被写体が見つからず、偶然、見つけたときに撮影しておけば10分で仕事になるところを、依頼されて見つけにいけば一日探しても仕事にならないことがよくあります。
今日撮影したダイコンも、下葉が黄色くなっている、ダイコンの根っこが土から頭を出していない、土がきれいではない・・・・など、滅多に条件が整わないのです。
(フィルム2本撮影)
 
 
12月29日
(土)


−一瞬の晴れ間−
今日は、ほぼ一日中曇りの天候でしたが、早朝と午前10時頃に数分間の晴れ間があらわれ、その間に数枚のシャッターを押すことができました。
早朝の晴れ間には霧の中のサギの姿を、10時頃の晴れ間には水の中の様子を撮影しましたが、ほんの一瞬の晴れ間にでも撮影をできると全然気分が違います。
仮に、天候の具合で撮影ができない日があったとしても、フィールドに出てシャッターチャンスを狙うことは、決して無駄ではないのですが、写真の世界は結果の世界なので、シャッターを押すことができる状況に恵まれることが、僕にとっては、自然からの何よりもの贈り物です。
(フィルム3本撮影)
 
 
12月28日
(金)
−今年最後の撮影−
今日から熊本へ移動をして、明日は、湧き水の池で水中撮影の予定です。
天気予報は、またまた何とも言えない予報ですが、こんな天候が続きそうなので仕方がありません。
年末は、日帰り温泉や食堂が休みになり、取材をしにくくなるので、なるべく撮影を避け、別の仕事をしたいという事情があり、明日、明後日に、今年最後の撮影をすることになります。
明日、水中撮影を予定している池で、23〜24日にテスト撮影をしていますが、そのフィルムを何度も見て、修正すべき点を頭に叩き込み、今から、明日の撮影を、頭の中で予行しているところです。
 
12月
26〜27日
(水〜木)
−今月の水辺を更新−
今日も曇りです。
早く湧き水の池に潜りたい!
晴れてほしいのですが、天候だけは、どうしようもありませんね。
先日、東京からのお客さんを事務所にお迎えしたのですが、僕の事務所は、機材置き場と作業場も兼ねていて、とてもゆっくりと打ち合わせや話ができるような雰囲気ではありません。
物の並びも変で、お客さんが座る場所が部屋の一番奥にあり、なんだか人を逃げられないように閉じ込めているような感じもします。
来年からは、本格的に売り込みに力を入れる予定で、事務所に人を迎え入れることも多くなろうかと思い、今日は、机や整理棚の配列を変え、打ち合わせ用に置いてあるもののパソコン周辺機材で埋まってしまっている大きな机の上を整理し、ゆっくりと話ができる状態に整えました。
何となく人を迎え入れることに抵抗があった部屋ですが、そんな悩みも解決です。
今日は、今月の水辺を更新しました。

 
12月25日
(火)
−人のバイタリティー−
「やりたい事を見つける。」というフレーズをよく耳にします。
僕は、生き物が好きで、その生き物と接し続けるために写真を撮影しています。
もしかしたら、やりたい事を見つけたのかもしれません。
それでも、「生き物以上に興味があるかも?」と思えるようなことに、時々、出会います。
その一つに、人類や民族の起源に関する研究があり、もしも、僕が今高校生なら、間違いなく、そういった研究ができる大学に進学することでしょう。
人類がどこで誕生し、どのような過程を経て地球上に広がり、今のような生活を手に入れたのか、生物学や化学の最新の技術を使って調べる研究を特集したテレビ番組を見て、そう思ったことが今まで何度もあります。
人の祖先が、さまざまな工夫をして、自然に打ち勝ち、生き残ってきたことに、僕は、ただただ、「すごな〜。」と尊敬の念を感じます。
今、自然に打ち勝とうとすることを、どこか悪いことだとする風潮があります。
ダムを作ること、道路を作ること・・・・
僕も、山を切り開きダムや道路を作ってほしくありませんが、僕達の祖先が、寒さや飢えや渇きやいろいろな自然の恐怖に打ち勝とうとしてきた延長線上に今の人類の発展があることを思うと、人が自然に打ち勝とうとするバイタリティー、人の技術、人の能力・・・・人のすることに対して、もっと尊敬しなければならないような気がします。
開発を悪役に仕立て上げ、開発を否定する自分が正義になったような気になるのではなく、開発をしようというバイタリティーを十分に尊敬した上で、今はその必要は無いというスタンスが大切なのではないかと僕は思います。

 
12月
23〜24日
(日〜月)
 拡大

−ニコノスX−
今日の熊本は、晴れとも曇りともつかぬ中途半端な天候です。
朝、起きた時点では青空がのぞき、「やっぱり来て良かったな!」と喜んだのもつかの間、すぐに重い雲がかかり、雨でも降り出しそうな天候に早代わりしました。
「一日晴れ」というピンポイント予報は、いったいどこに?
予定していた撮影を早々に諦め、ゆっくりと過ごすことにしたのですが、それでは勿体ない気がしてきて、代わりに今回の撮影で使用する予定にしていた水中カメラであるニコノスXと水中専用15ミリレンズの試し撮りをすることにしました。
水中撮影をする時に一番神経を使う点は体調の管理です。
僕は、前日の夜から水分を取らないように心がけます。
僕がいつも水中撮影をする渓流や湧き水の池の水温は年間を通して低く、撮影の際には完全防水のドライスーツを着用しますが、ドライスーツは簡単には脱ぐことができず、撮影中のトイレは、かなりの大仕事になってしまうからです。
にもかかわらず、水中では体温が奪われトイレが近くなり、水分の摂取を控えていても、撮影終了後には、いつも不思議なくらいたくさんのおしっこがでます。
今日は、天候が思わしくなく一度撮影を諦めたこともあり、その間に水分を口にしてしまいましたが、その小さな油断から、テスト撮影の途中で、どうしてもおしっこが我慢できなくなってしまいました。
全速でドライスーツを脱ごうとするのですが、完全防水というくらいですから、体に密着をしてなかなか脱ぐことができません。
我慢の限界が近づき、危うくおもらしをするところでした。
あ〜危なかった。
油断大敵です。
(フィルム4本撮影)

 
12月22日
(土)
−明日は晴れ?−
今日から、湧き水の池の水中撮影をするために、熊本県にでかけます。
今回は空気のボンベを2本持っていき、明日の午前中と明後日の午前中の撮影に使用する予定です。
あるテーマを持ち撮影を進める際に、最初は手探りの段階があります。
手探りの段階では、当面、いろいろな物を撮ってみる必要があり、晴れの日には晴れの日にしか撮れない被写体が、曇りの日には曇りの日にしか撮れない被写体があり、どんな天候の時にも、それなりに撮影するものがあるものです。
その後、テーマが煮詰まりイメージが固まっていくにしたがって、どうしても晴れてほしい、どうしても曇ってほしいなどと、天候に対する要求が厳密になっていきます。
今年の1月を中心に撮影する湧き水の池は、これまで数年間少しずつ撮影をしてきて、今年は一気にまとめ上げたいと考えていますが、完全にイメージが出来上がっていて、僕が望む天候は、雲ひとつない晴れの日です。
そんな目で天気予報を見た時、予報は曖昧で、どんな天気に転んでもいいような含みが持たせてあり、あまり頼りにならないように感じられます。
明日の予報もまさにそんな予報で、曇りなのか、晴れなのか、真剣に聞けば聞くほど、どちらとも判断がつけられないような予報ですが、インターネットで調べた熊本県嘉島町のピンポイント予報を信じてみることにしました。
晴れのはずです。

 
12月
20〜21日
(木〜金)
−おしい!−
今月の水辺を更新する準備をしています。
今回は、11日に湧き水の池で撮影した水中写真の予定ですが、現像をしたフィルムを一目見て、予想以上にいい写真があることに僕の胸は高まりました。
しかし、良く見てみると、問題点もありました。
僕は、水中撮影する際には、陸上で使用するカメラをハウジングと呼ばれる防水ケースに収めて使用していますが、ハウジングには幾つかの欠点ががあり、その欠点がはっきりと表れている写真だったからです。
ハウジングにカメラを収めた場合、撮影用のレンズの前にハウジングのレンズ部分が加わり、余分なレンズが一枚加わることになります。
言うならば、車のフロントガラス越しに車内から写真を撮るようなものですが、この余分に加わるガラスの悪影響が状況によっては、とても強く表れます。
具体的には、どんな時に車のフロントガラスが見難いかを考えると、運転をする人であれば誰にでもわかります。
例えば、逆光で、車内に直接に光が差し込むような場合、フロントガラスがキラキラと光ったり、日頃気にならない程度の汚れがとても目立つはずです。
このキラキラや汚れは、写真の中に写り込みやすく、今回の写真がまさにそんな写真だったのです。
そういった写り込みを防ぐためには幾つかの方法がありますが、当面、すぐに思いつく解決方法がありました。
カメラ自体が防水機能を持った水中専用カメラであるニコノスXと水中専用レンズを使用する方法です。
「プロカメラマン殺し」と呼ばれるほどの名作であるニコノスXと水中専用の15ミリレンズの組み合わせは、かつては、たくさん使用された道具ですが、使いにくい点も多く、ハウジングが普及した最近は、ほとんど使用されなくなったカメラです。
しかし、今回の撮影に限定していうと、かなり有効な道具に思え、もしかしたら最高の道具かもしれません。
このカメラを使って、なんとか写真を撮り直したいと考えています。
そう思うと、一秒でも早く撮影をしたくなるのが僕の性格なのですが、残念ながら今日(21日)は雨です。
 

12月19日
(水)
−もっともらしい説−
15〜16日にかけて、年輪の撮影で島根県をおとずれましたが、僕は、学生時代の6年間を山口で過ごしたため、今でも、撮影の舞台として山口〜島根県をよく選びます。
山口から島根に向う国道9号線沿いには、僕の指導教官だった千葉先生の自宅がありますが、撮影に向う道すがら、僕は、先生から教わったことをよく思い出します。
千葉先生は、生き物の体内時計の研究の第一人者で、時間生物学という講義を持っていましたが、一番最初の授業の日に、「もっともらしい説」という言葉について話してくださいました。
科学で学ぶことは、真実ではありません。
例えば、高い所にある葉っぱを食べるのに便利なようにキリンの首が長くなったという説があります。
理にかなっていますが、本当にそんなことが起きるのでしょうか?
それならば、もっとたくさんの動物の首が長くなっても良さそうです。
高い所にある葉っぱを食べるのに便利なようにキリンの首が長くなったという説は、こじ付けなのかもしれません。
「それでいいのだ。」と千葉先生はいいます。
科学で勉強することは真実ではなく、何らかの現象に対して人が一番自然にできる説明であり、そういった説明を「もっともらしい説」というのだと。
科学者にできることは、自分の説が真実ではなく「もっともらしい説」に過ぎないのだという謙虚さ持ちつつ、もっともらしい説を積み上げていく以外に何もないのだと、僕たちは教わりました。
僕は、科学の世界を選びませんでしたが、撮影の際に、「もっともらしい説」を思い出すことがよくあります。
いつも自分の成果に疑いを持ちつつ、今できるベストを尽くす以外に、僕にできることは何もないように思えるからです。
僕は、卒業以来、千葉先生の元をたずねたことは一度しかありませんが、今でも、僕の記憶の中に千葉先生にたくさんのことを問いかけ、教えてもらいます。
人には、いろいろな会話があるのですね。
 

12月18日
(火)


−ストロボテスト−
僕は、いつもはペンタックスの645版のセットを持ち歩き、風景〜小動物まで幅広い被写体を撮影する準備をしていますが、来年は、日によって、ある程度的を絞った撮影をしようと思っています。
特に強化したいのが、夏の渓流で出会える生き物たちの写真で、生き物の表情と共に夏の暑さが伝わってくるような力強い写真です。
今日は、そのために、生き物の撮影に適した道具を、新たに撮影セットの中に加える作業をしていて、具体的には、キャノンの100ミリマクロレンズ・65ミリマクロレンズ・マクロ用のストロボのテスト撮影をしました。
まず、いつも使用しているペンタックスの645版と120ミリマクロレンズとストロボを使用して、いつものデーター通りに身近にあるものを撮影してみます。
今日は、セーターを撮影してみました。
次に、新しく撮影セットに加えるキャノンのレンズとストロボを使用して、いろいろな設定で同じ洋服を撮影します。
そして、フィルムを現像して、キャノンをどのような設定にした時に、いつも使用しているペンタックスと同じ明るさに写るのかを割り出します。
最後は、ペンタックスと同じ明るさに写るキャノンの設定を紙に書き留め、キャノンのレンズに貼り付け、撮影時にいつでも見れるようにすれば作業完了です。
僕は、ニコンを使い慣れていますが、キャノンの65ミリレンズは、1ミリくらいのサイズの被写体でも、それなりの大きさに撮影できるレンズで、これに匹敵するレンズは、ニコンには存在しません。
この65ミリを使用するために、来年は、キャノンを持ち歩くことにしました。
(フィルム1本撮影)
 

12月17日
(月)
−年輪−
今日は、今年の8月に写真展を開催した北九州市の山田緑地公園に出かけました。
目的は、年輪の撮影です。
山田緑地公園は、木をテーマにした公園なので、年輪がわかるような木の資料があるのでは?と考えたのです。
その結果、「これぞ!」というような年輪(年輪がはっきりしていて、模様が美しい)はありませんでしたが、撮影に使えそうな年輪を見つけ、木をもらって帰ることができました。
明日は、今日もらって帰った年輪の切り口をヤスリで磨き、綺麗な状態にして撮影する予定です。
僕は、木や年輪に、特に興味を持ったことはありませんが、撮影をするとなると、じっくりと被写体を観察しなければなりません。
年輪を見つめ、どんな特徴があるのかを理解し、その特徴をはっきりと写すためには、どんな撮り方をしたらいいのかを考えます。
そうして、真剣に見つめているうちに、自然と興味が湧いてくることもあります。
今年撮影したカタツムリに、僕は、これまで興味をもったことがありませんでしたが、毎日のように向かいあううちに、とても面白い生き物であることがわかりました。
人からテーマを与えられることも、自分でテーマを探すことと同じくらい、大切なことだと僕は感じています。
僕は、生物学の出身ですが、一般に生物学の専門知識がある人は、自分のテーマにこだわり過ぎる嫌いがあるように感じます。
(フィルム1本撮影)
 

12月
15〜16日
(土〜日)
 木目

−年輪−
今日は、年輪を撮影する予定で島根県の匹見町に向かいました。
「材木問屋に行けば撮影できるよね?」と、年輪の撮影を依頼されたのですが、問屋に置いてある木の切り口は鋸で切っただけの汚いものです。
そこで、木に関する博物館のような施設で撮影をさせてもらうことを思いついたのですが、真っ先に思い浮かんだ場所が、匹見町にあるウッドパークという施設だったのです。
もしも匹見町で撮影できなければ、北九州の自然史博物館へ。
それでもダメなら、汚く切られた木の切り口を磨くための電動ヤスリをもって、材木問屋をたずねるという計画を立てました。
残念ながら、匹見町のウッドパークでは美しい年輪を見つけることができなかったのですが、20種類近くの木の木目を見つけ、この機会に撮影させてもらうことにしました。
島根からの帰り道に、山口市の21世紀の森という場所にある森の資料館と山口県立博物館をたずねてみましたが、撮影できるような年輪はありませんでした。
明日は、北九州の自然史博物館を訪ねます。
(フィルム4本撮影)
新しいページ「武田晋一の愛用品」を追加しました。
 

12月14日
(金)
 拡大

−写真は好きですか?−
「私も写真が好きなんですよ!」と、時々声をかけられます。
「私も」という表現に、僕は、ドキッとします。
「私も」という言葉には、「お互いに共通していますね。」という、その人の思いが込められているからです。
僕は、自分自身を自然が好きな人間だと考えていて、「写真は?」と問われると、特別に興味を持っているわけでないような気がしています。
でも、「写真は、ただの仕事なのか?」と自問してみると、そうでもありません。
たくさん話をしてみると、「私も写真が好きなんですよ。」と声をかけてくれる大抵の人よりも、写真に特別な興味があるわけではないと考えている僕の方が写真に興味を持っているからです。
僕が考える好きは、何にも増して興味があることであり、大抵の人が口にする好きは、ほんの少しでも興味があることを意味し、同じ好きという言葉に対するイメージの違いが生み出すすれ違いのようです。
写真に特別な興味があるわけではないと考えている僕には、HPに文章を書き込む時に一つのこだわりがあります。
写真を撮る人にしかわからないような記述は、可能な限りしないというこだわりです。
一方で、撮影機材など、それなりに僕は興味を持っているので、写真が好きな人だけが読む部分もあっていいのでは?とも思います。
そこで、撮影メモの中で、時々、僕が使用している機材について紹介して、いずれ、カメラマンだけが見て楽しい一つのページにまとめてみようと考えています。
今日は、僕のメイン機材の紹介です。
 

12月13日
(木)
 解説

−自作フィルター完成−
昨日は、一日がかりで、半水半陸の撮影のための小道具であるハーフNDフィルターに関して検討をしました。
午前中に町で買い物をして、午後からは、買ってきたハーフNDフィルターをカメラに取り付け、本番撮影のための予行練習のつもりでした。
ところが、水中撮影用の防水ケースにカメラを収めようとしたものの、買ったばかりのフィルター部分が大きすぎて、防水ケースに入らないというお粗末な結果になりました。
今日は、昨日購入した四角形のハーフNDフィルターを、レンズ前面の形に合うように、円形に切り抜く工作を施しました。
詳しくは、解説をご覧ください。
 

12月12日
(水)
 解説

−半水半陸を検討中−
昨日、撮影した湧水池の隣にはプールがあり、池とプールは水中でつながっています。
僕が、撮影をしていると、一人のおじさんがやってきて、プールで水泳を始めました。
この池の水温は、一年を通して19度なので、真冬でも泳ぐ人がいます。
冬になり、気温が下がると、19度の水温と気温との温度差により霧がでて、池の水面は、5M先が見通せないほどの真っ白な世界に包み込まれます。
一方で、ほんの数センチ水に潜ると、どこまでも深い青色の世界が広がっていて、何度潜っても、きれいな場所だな〜と心を揺さぶられます。
この池の写真は、この冬の間に30枚くらいの写真でまとめ、来年、上京した際に売込みをして、どこかの雑誌で発表したいと考えています。
幻想的な霧の風景と青い水中の風景、霧の中のカモの鳥影と魚たちの魚影、霧の中の釣り師と水中の釣り針・・・・
水面をはさんだ水際の世界を、陸上と水中の両方から表現する予定ですが、その中に、どうしても加えたいのが、半分陸上、半分水中の半水半陸の写真です。
陸上は霧が出て白っぽく、明るく、水中はそれなりの深さがあり暗いこの池は、半水半陸の撮影をするには、かなり難しい撮影条件になります。
極端に明るい被写体と暗い被写体とを同時に一枚の画面の中に写す事は、写真の仕組み上不可能なことだからです。
霧の白く明るい部分を写せば、池の中の暗い部分が写らず、池の中を写せば、明るい霧の部分が写らなくなります。
そういった場合、陸上での撮影では、一つの方法があります。
カメラのレンズの前に、半分透明で半分黒いガラス(ハーフNDフィルター)を入れ、被写体の明るい部分をサングラスのような黒いガラスで暗くする方法です。
今日は、そのハーフNDフィルターを水中で使用するための検討をしています。
詳しくは、解説をご覧ください。
 

12月11日
(火)
 湧き水の池の夜明け

−待ちに待った晴れ−
待ちに待った晴れの日です。
今日は、熊本県益城郡にある湧き水の池で水中撮影をしました。
今日、撮影をしたのは、水草が、池の底一面にびっしりと生えている様子と、その水草が光合成をして酸素を放出している様子です。
今朝は、まだ暗いうちに池に入り、約3時間の間にフィルムを5本撮影しました。
水中撮影の場合、フィルムの交換はとても面倒な作業です。
体に巻きつけてあるおもりと空気ボンベを背負った状態で、「どっこいしょ」と陸に上がり、カメラの水気を取り、水が滴り落ちないように体を拭き、そっと水中カメラの蓋を開けフィルムを交換して、水が漏らないように注意深く蓋を閉めなければなりません。
時間が10分くらいは必要でしょうか。
フィルムの交換をしている間に、太陽の位置が刻々と動き、いい光の状態を過ぎてしまうこともよくあります。
撮影の終わりは、いつも、フィルムが終了した時で、撮影に全エネルギーを費やし、フィルムを交換する余力が無くなった時です。
今日のように、フィルムを5本も撮影するようなことは滅多にありません。
それだけ、晴れの日が待ち遠しかったのと、予想通りの、水中の状態の良さが、何度も何度もフィルムの交換をするように、僕を元気付けてくれました。
(フィルム5本撮影)
 

12月10日
(月)
 植え付けられたばかりの麦、その他

−思うようにならない天候−
今日は、熊本県益城郡にある湧き水の池での水中撮影を予定していましたが、雲が多く、撮影を断念しました。
湧き水の池の水の色は、天候によって全く違う色に写り、晴れの日の深いブルーが僕のイメージなのです。
こうして毎日記録を取っていくと、天候が思うようにならず予定を変更せざるを得ない日がなんて多いんでしょう。
代わりに何を撮影するのか迷いましたが、阿蘇周辺の農耕地を車で走り、目に入ったものを次々と撮影することにしました。
土地が広い阿蘇の周辺では、整然と植えられた作物が作り出す模様が見事です。
身近な作物の写真には案外ニーズがあり、こういった機会に目に付くものから撮影をすることにしています。
作物を撮影する時には、凝り過ぎないように、無理に被写体を探すのではなく、自然と目に付き季節感を感じさせてくれる物を、優しくて明るい感じに撮影をします。
写真は、望遠レンズで撮影をすると優しい感じに写るため、望遠レンズで、やや離れたところから、美しいパターンに撮るよう心がけます。
日頃、一生懸命撮影すればするほど、写真を撮ることを難しく考え過ぎてしまいますが、考えれば必ずしもいい写真が撮れるわけではありません。
時には、よく考えながら、時には、今日のように撮り方を決め、深く考えずに。
時には、苦しみながら、時には、楽しみながら。
時には、じっくり構えて、時には、構えずに。
やたらに楽しみましょう!という人も、やたらに根性論を唱える人も、僕は、好きではありません。
写真に限らず、今何が必要なのかの状況判断が大切だと思います。
(フィルム3本撮影)
 

12月09日
(日)
 拡大

−不釣合いな夫婦−
今日は、熊本県の菊池渓谷での水中撮影で、今回のねらいは、水中に積もった落ち葉の撮影です。
菊池渓谷には、水の流れの関係か、驚くほどに落ち葉がたまる場所があります。
その、「あっ」と驚くほどの落ち葉を撮影するつもりで、水中撮影の道具を持って出かけたのですが、先日の雨のためか、今日は、ほとんど落ち葉がたまっていませんでした。
自然は、難しいですね。
きっと、増水時に流されてしまったのでしょう。
代わりに、渓谷内の淵を泳ぎ、水中の風景を撮影しました。
画像は、今月の水辺で紹介した水中の倒木で、撮影時よりも20Mくらい下流に流されていました。
今月の水辺の画像の撮影時は、根っこが、まだ陸上に残っていたのですが、今日見てみると、木全体が水中に沈んでいました。
九州の中では、佐賀県が田舎だというイメージが強いのですが、僕が撮影でおとずれた場所に限っていうと、熊本や宮崎の方が田舎だな〜と強く感じる県です。
取材時に食堂に入っても、温泉に行っても、よく言えばのんびりしている、悪く言えば何の工夫もない、そう感じることがたくさんあります。
家族での行動が多いのも田舎の特長です。
おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供、こんな組み合わせの家族連れにたくさん出会います。
それから、都会では、華やかな人のグループと、地味な人のグループとが2分化していて、カップルや夫婦といえば、服装だったり、共通の趣味だったり、それなりにバランスが取れているものですが、田舎では、綺麗な女の人に不細工な男の人という夫婦の割合が高く、「なんで、この人が!」と今日だけで何度感じたことでしょうか。
その夫婦の子供を見ると、不思議なくらい、不細工なお父さんの方に似ているのも、田舎の不思議の一つです。
(フィルム3本撮影)
 

12月08日
(土)
 解説

−瞳孔−
人の黒目の中でも、中央部分の特に色が黒い部分を瞳孔といい、光は、この瞳孔を通って目の中に入ります。
瞳孔の大きさは、周囲の明るさによって変化し、周囲が明るい時は小さく、暗い時は大きくなります。
今日は、この瞳孔の大きさの変化を撮影しました。
本当は、川に行く予定だったのですが、おいしい仕事がある時には、しっかり仕事をしておくことも大切なので、予定を変更して、昨日から撮影をしています。
この撮影も、教材向けの撮影です。
実は、今後の予定として、小動物のビデオ撮影を手がけたいと思っていて、ビデオ機材を買うためにも、早くお金を貯めたいのです。
僕は、生物学専攻で、高校の頃から生物の資料集など、興味をもって眺めていたため、この手の撮影に関しては、写真がどのページで、どのような使い方をされるのか、手にとるようにわかります。
昨日の、耳たぶやつむじやまぶたの撮影は、遺伝の章で使用される写真、瞳孔の大きさの変化は、動物の行動を勉強する章の中でも、反射による行動を勉強するページで使用される写真です。
今晩からは、渓流に向う予定です。
(フィルム2本撮影)
 

12月
06〜07日
(木〜金))
 解説

−教材の撮影−
先月、人の皮膚や瞳・・・・などの撮影をしましたが、またまた同じ教材関係の仕事で、今回は、人の耳たぶ、人のまぶた、人のつむじ、人の舌の撮影です。
耳たぶには平耳と福耳、まぶたには一重まぶたと二重まぶた、つむじには右巻きと左巻き、舌には巻き舌と巻かない舌とがあり、これらは遺伝によって決められています。
こういった身近な現象の写真は、教科書や教科書に準じた資料集にたくさん使用され、ちょうど、4年に一度の教科書の改訂の時期にあたる今年は、似たような仕事がたくさんあるというわけです。
この手の撮影の難しさは、モデルを探すことで、今日は、上記の8種類のシーンを撮影するためのモデル探しに奔走し、なんとか撮影をすることができました。
撮影そのものは、難しくはありません。
単に使える写真を撮ることは、簡単なことですが、より解りやすく写真に説明力を持たせることは、それなりに難しい作業になります。
例えば、上の写真で耳の右側に影をつけていますが、これは、耳の輪郭をわかり易くするための工夫で、僕は、こういった撮影に関しては素人なので、いろいろな写真に目を通すように心がけ、どのような工夫がありうるのか、もっと知らなければなりません。
「使用されるからそれでいいや。」ではなく、「どうしたらよりわかり易くなるのかな?」という気持ちを決して忘れないようにしたいものです。
そうった、些細な心遣いは、自然を撮影する時にも、とても役に立ちます。
(フィルム5本撮影)
 
12月05日
(水)
−沢の流れの物語−
何かを製造している会社があったとします。
その会社の営業マンと、技術者とは、同じ会社の人間であっても、価値観も、発想も、目標も全然違うはずです。
何かを売ることと、作ることとは、別の行為だからです。
写真も同じで、写真を売る行為と撮影する行為、売れる写真といい写真との間には隔たりがあり、自分も含め、大部分のカメラマンにとって、写真を売ることは、撮ることよりも断然難しい作業です。
来年からは、これまで撮影に入れてきた力のうちの何割かを、写真を売る行為に注ぎたいと考えていますが、ここ数日の写真の整理の際にも、売ることを多分に意識しながら写真を見直しています。
昨日〜今日にかけては、僕が写真集(仮題、沢の流れの物語)にまとめたいと考えている渓流の水辺の写真を見つめなおし、来年からの本格的に売り込みの体制を整える作業をしました。
大きな岩、透明な水、一瞬見え隠れする魚影、暗い中に射し込む一筋の光・・・・ 
子供の頃から、渓流釣りをして、沢に親しんできた僕には、自分なりの渓流のイメージがありますが、そんな自分のイメージだけで写真を構成するのではなく、岩場に咲いた色鮮やかな花の写真やさわやかな開放感のある写真を加え、一般受けする要素もたくさん取り込み、足りない写真は来年撮り足してきます。
 
12月04日
(火)


−ビオトープ−
僕は、大きなスイレン鉢を幾つか持っていて、今年は、家の庭に3つ、事務所の片隅に2つの鉢を置き、水辺の植物を育てました。
生き物の飼育に、ほとんど興味がない僕にとって、飼育は、むしろ苦痛な作業なのですが、アマガエルの撮影をするためのミニスタジオとしてスイレンを植えたのが始まりです。
人工の小さな水辺をビオトープといいますが、単に植物を育てるだけでは、もったいないので、鉢のようすを写真に撮り、「ビオトープを作ろう!」などという企画で写真を使ってもらえればと考えています。
そのスイレン鉢も、冬のおとずれとともに、葉っぱが枯れ、黄色くなってきたので、今日は、黄色く枯れかかった葉っぱを撮影しました。
植物の育て方を紹介するのであれば、趣味の園芸雑誌用の写真を撮影しているようなカメラマンがたくさんいるはずで、ちょっと違った視点にするために、昆虫やカエルなどの小動物の撮影はもちろん、冬になり枯れていくようすまで撮影をしています。
(フィルム1本撮影)
 
12月03日
(月)


−アマガエルのうんこ−
一昨年に撮影したアマガエルの写真は、今年、さっそく売れ始めました。
今年使用してもらった写真の他にも、まだ、未使用の写真でいい写真がたくさんあり、しばらくは売れ続けてくれるのでは?と期待をしています。
今年撮影したカタツムリの写真には、先月上京した際にいい話があり、こちらは、その仕事が成立することを期待しつつ待っているところです。
来年は、アマガエルとカタツムリの写真で、今年上手く撮れなかった写真を補い、写真の品揃えを豊富にする予定ですが、「では、具体的には何を撮影するの?」と、ここ数日、写真の整理と並行して計画を立てています。
今日は、アマガエルの写真の中から、自分で物語を考えつつ写真を選び出し、物語を作る上で、今の僕の写真に欠けているシーンを書き出しました。
その中に、アマガエルのうんこの写真が含まれていたのですが、今すぐに撮影をすることができる写真であったため、早速撮影をしました。
(フィルム2本撮影)
 
12月02日
(日)
−デジカメ画像の整理−
僕のパソコンの中には、デジカメで撮影した画像がたくさん保存されていますが、パソコンにトラブルが生じると、そういった画像が一斉に消えてなくなる可能性もあります。
画像は、トラブルに備え早めにディスクに記憶させておいた方がいいのですが、僕は、パソコンには全く興味がなく、パソコンでの作業がとても面倒に感じるので、撮影したデジカメ画像はパソコンの中に、ごちゃごちゃに詰め込んできました。
今日は、そういった画像を、ペット、植物、人物・・・・と分類し、さらに撮影日ごとにまとめ、CDに記憶をさせる作業をしました。
作業が終わってみると、予想以上にすっきりし、思った以上に「なんとかしないとな〜。」という気持ちがストレスになっていたことがわかりました。
気持ちがすっきりすると、不思議なくらい新しい撮影意欲が湧いてきます。
逆に言うと、些細なストレスが、撮影意欲を奪っているとも言えるのですが、なんとなくやる気にならないとき、僕は、掃除や整理をすることにしています。
その勢いで、これから、3月までの大まかな計画も準備しました。
1月は熊本市周辺の湧き水の池を中心に、2月は北国で水鳥の撮影を、3月は水槽撮影でメダカの撮影を予定しています

 
12月01日
(土)

  
−写真を見つめ直す−
昨日、フィルムを整理しましたが、写真をテーマごとに分類してみると、今年撮影した写真の中に、あと一歩で、まとまりそうな写真がたくさんあることに気が付きました。
ザリガニの成長の様子や、水草の光合成、水辺の生き物の顔・・・・、いくつかのテーマについて、写真がそろい始めていて、「あっ、面白そうだな〜。」という予感がします。
今年は、カタツムリの生態を撮影することに気を取られ、その他の写真に関して、撮影済みの写真をじっくりと見つめる時間がなく、写真を撮ったままになっていましたが、それなりに成果が上がりつつあるようです。
ところが、カタツムリの撮影に力を入れた結果、どのテーマもどこか不足していて、来年、多少の撮り足しをしなければなりません。
何を撮ったらいいのか、よく整理をして、計画的に撮影を進めなければ、いつもまで経っても、あと一歩の所で足踏みをしてしまいます。
今日は、テーマごとに写真を見つめ直し、どんな写真を追加したらいいのか、じっくりと検討をしました。