2001年2月分

2月28日 ザリガニの撮影は、交尾の撮影から始まり、卵、子エビ、親子、喧嘩、威嚇のポーズ、

体のパーツのアップなど、とにかく細かに撮影をしていますが、すべての生き物を

ザリガニと同じように事細かに撮影するわけではありません。

あまり写真の需要がない生き物の撮影では、単に生き物の形を示す写真を数枚撮る

だけのこともあり、撮影にも力の配分があります。

この春から夏にかけて、まとまった量の撮影を予定している生き物の一つにカタツムリ

があります。

活動中のカタツムリのように、とてもゆっくりだけど常に少しずつ動くような生き物は、

案外撮影が難しい被写体です。

そのため、多少の工夫が必要になり、今日は、カタツムリを撮影するための準備を行

いました。

(フィルム4本撮影)

   
   
2月

26〜27日

ザリガニの親子の撮影は予想以上に順調です。

メス親の背中の上でくつろぐ子エビ達のかわいい姿を、たくさん写真に写すことができ

ました。

撮影と並行して、春からの屋外での撮影に向け、より快適に車内で寝られるように、

車の中に作られたベッドを改良したり、撮影機材に改造を加えたりといった作業も

していますが、20分に一度くらいザリガニの水槽をのぞきこみ、メス親の背中の上に

登っている子エビの数が多い時にシャッターを押し撮影を行いました。

ザリガニの親子の撮影をした一連のフィルムを、今朝、東京の現像所に向けて発送

しました。

現像されたフィルムは、3月2日の金曜日に届けれる予定です。

(フィルム2本撮影)

   
   
2月25日 今日も、ザリガニの親子の撮影に引き続き、飼育室の整備をしました。

水槽や水槽周辺の器具の設置も今日でほぼ完了し、この春以降、冬眠から覚めた

生き物を採集してくるのみになりました。

こうなると、これまで苦手とし、その場しのぎで切りぬけてきた水槽やスタジオでの撮影も

楽しみになってきて、この冬の水槽での撮影を、手を変え品を変え、徹底的に試したこと

が生きてきます。

一般的に日本のカメラマンは、スタジオ内に自然を再現して撮影するような手法を

あまり好まず、参考にできるような仕事が少ないのですが、ナショナルジオグラフィック

など海外の雑誌を見ると、あっと驚くような仕事がたくさんあり、今日は、数年分の

ナショナルジオグラフィックをめくり、参考にできる記事を探しました。

(フィルム4本)

   
   
2月24日 事務所の片隅には、大きなスイレン鉢が3つほど置いてあり、メダカやザリガニや季節

によりオタマジャクシなどを飼育しています。

冬の間でも特に手入れをせずに、そのままの状態で越冬させていますが、メダカたちは

鉢の底に積もったスイレンの枯葉や、土から飛び出した根っこの間に隠れて越冬

します。

越冬中の魚たちは、限られた鉢の中のどこに隠れたのだろう?と不思議になるくらい、

見事に姿をくらませますが、ここ数日の暖かさで休みから覚めたメダカたちがさかんに

泳ぎ回る姿を見かけるようになりました。

これから暖かくなるにつれてスイレンの葉っぱが茂り、菖蒲の茎が伸び、その茎に

トンボの抜け殻が残されていたり、アメンボの子供が鉢の中に浮いていたりと、

コンクリートの上に無造作に置かれた小さな水辺ですが、いろいろな驚きを運んできて

くれます。

(フィルム2本撮影)

   
   
2月

22〜23日

小動物用の飼育室に、電源を引く工事が完了しました。

飼育室といっても、小さなプレハブです。

これまでは、事務所の換気扇用に屋外に設置されたコンセントから、長い電気コードを

引っ張り飼育室用の電源として使用していたため、大きな電力を必要とする器具が

使えませんでしたが、これで、合計1000Wくらいの器具までを使用できるようになり

ました。

天井に取り付けた蛍光灯は、タイマーにより自動的にON・OFFするように管理されて

いて、午前6時から午後8時までが飼育室の昼です。

これは、大部分の小動物が繁殖をする夏場の明暗を再現したものです。

野外での撮影の際に見かけた生き物を採集し、この部屋の中で飼育しておき、子育て

などの自然条件下での撮影が難しいシーンを次々と撮影しようという狙いです。

さっそく、新しい水槽の設置と、事務所の中に置いてあった水槽の一部を飼育室内に

移す作業をしましたが、水槽は無理をして動かすと水漏れがおこりやすいため、取り

扱いに時間がかかり、2日がかりの作業になってしまいました。

並行してザリガニの親子の様子も撮影しなければならず、あわただしい2日間になり

ました。

(フィルム6本撮影)

   
   
2月21日 生き物の撮影をしていて、いつも感じることがあります。

自然の撮影は、必ず難しいということです。

写真の技術的には簡単に撮れるものでも、被写体である自然には必ずといっていいくら

い旬があります。

その旬を感じ、旬を予測し、旬に先回りして、自然が見せる一瞬に自分が立ち会わな

ければ、本当にいい写真は撮れません。

僕は、長い間、水槽のような管理された環境の中では、撮影などいつでもできると思って

いましたが、実際はそうではありませんでした。

ザリガニの子育てを観察してみても、ザリガニは一日中同じようなペースで子育てを

しているのではなく、時間帯によって異なった振る舞いをします。

そして、子エビは、毎日少しずつ大きくなり、同じ日は2日とありません。

そのザリガニの振る舞いを見て、知って、次に何がくるかを予測して、そこに立ち会う

努力をして、初めていい写真を撮ることができます。

(フィルム1本)

   
   
2月20日 1月27日に産み落とされたザリガニの卵が孵化し、子エビが生まれています。

アメリカザリガニは、産んだ卵を木や石に産み付けるのではなくお腹に抱え、卵が孵化

し、ある程度の大きさに成長するまで保護をします。

現在は、孵化した子エビの一部が時々メス親から離れ、散歩をしているような段階です。

ザリガニは臆病で、水槽内で飼育をしても人の姿が見えると、おびえて歩き回り、落ち

着きがありません。

単に飼育をするだけであれば、隠れ家を作ればいいのですが、それでは隠れこんでし

まい撮影の方ができません。

これまでのザリガニの撮影の際には、ザリガニが怯えていても構わずに水槽の前で

カメラを構え、おとなしくなるのを待ち、時に、動き回るザリガニを棒で都合がいい場所

まで誘導したりと、強引な、その場しのぎの撮影で切り抜けてきましたが、今回は、

水槽の周りを黒い布で取り囲み、外の風景が水槽内のザリガニに見えないようにして

撮影してみました。

作戦 は大成功。

ザリガニが怯えず、のんびりと子育てをできるので撮影のチャンスも多く、水槽の前を

通りかかったときに、時々、カメラのファインダーを覗き込み、シャッターを押すだけで、

自然な親子の姿がたくさん撮影できています。

急がば回れとは、上手く言ったものですね。

(フィルム1本撮影)

   
   
2月19日 今日は、旅行を兼ねた撮影です。

撮影の被写体は、熊本県の阿蘇にある大きなイチョウの木で、今月15日に撮影した

秋月のイチョウの木と同様に、昨年の秋から定点撮影している木です。

今日は天気がよく、午前中風が弱かったため、わずか30分で撮影を終えることがで

きました。

撮影終了後は、阿蘇で地鶏を食べたり、昼寝をしたり、本当にのんびりとした時間を

過ごしました。

「いい写真を撮るためには時間がかかるのでしょう?」「粘られるのでしょう?」とよく

言われます。

その通りですが、全く逆でもあります。

一日の中で物が本当にきれいに写る時間帯は限られていて、晴れの日であれば、

午前中と午後のせいぜい1時間30分〜2時間ずつくらいの時間しかありません。

いい写真は、案外、短時間で撮れることも多いように思います。

(フィルム3本撮影)

   
   
2月18日 昨日の夕刻に、ヒメダカの産卵行動を撮影した現像済みフィルムが届きました。

フィルムは自分で現像するのですか?とよくたずねられますが、僕が使用している

カラーリバーサルという種類のフィルムは、自分で現像をすることができません。

僕の場合は、東京のクリエイトという現像所にフィルムを郵送し、そこで現像をしています。

この冬撮影したメダカのように、同じシリーズの写真をたくさん撮影する場合には、まず

試しに数本のテスト撮影をしてテスト現像を行います。

次に、テストの結果を踏まえて数十本の本番撮影をして現像をし、最後に、本番撮影

にさらに改良を加えたとどめの撮影をして現像を行います。

テスト撮影時の撮り方と、最後にとどめを刺す際の撮り方とが、全く違った方法になる

ことも少なくありません。

毎年のように撮影している被写体でも、撮れば撮るほど改良点があります。

どんなに簡単そうに思える撮影にも必ずといっていいくらいノウハウがあります。

ただ、人がどのような方法で撮影しているのか、詳しいことまでを知ることができる機会

はそう多くありません。

自分で手を動かして、自分の力で自分の方法を導き出さなければなりません。

それが僕の楽しみでもあり苦しみでもあります。

だから、「楽しそうですね。」という人に対しても、「大変そうですね。」という人に対しても、

僕は、「違うな。」という思いを感じます。

楽しいとか、大変だとかいうカテゴリーに当てはまらない世界だと思うからです。

あえて言葉で表すなら、充実した時間です。

(フィルム2本撮影)

   
   
2月

16〜17日

先日、メダカの卵を撮影する際にエアコンを使って温度調節をすると書いたところ、

「保温が必要な時期にわざわざ卵の撮影をするのはなぜですか?」とたずねられました。

答えは、保温をすれば撮影ができるからです。

冬らしい写真(雪や氷)を撮ることに関しては西日本は圧倒的に不利で、東日本在住の

人には太刀打ちできませんが、水槽内での撮影に関しては、保温をすることで季節に

かかわりなく撮影ができます。

春〜秋は野外で、野外での撮影が不利な冬季はスタジオでという季節の使い分けです。

急激に春の気配がただよってきたここ数日は、スタジオ撮影から野外での撮影に切り

替えるためのさまざまな準備をしています。

すでに冬の間にも幾つかの撮影依頼が寄せられています。

そういった依頼を計画表の中に書き込み、有効に時間を使えるように、心と体と撮影に

必要な機材や撮影を支える小道具・大道具の準備をしているところです。

   
   
2月15日 今日は、久しぶりに野外での撮影です。

今日の被写体は、葉っぱを落としたイチョウの木で、昨年の秋から定点撮影を続けて

いる木です。

木がある場所は、福岡県南部の秋月という城下町で、僕の父方の祖母の一族の出身地

でもあります。

木の撮影に最も適した時刻よりも一時間くらい早く到着したので、撮影の前に、秋月の

町を散歩して、 秋月城址 をデジタルカメラで撮影しました。

(フィルム3本撮影)

   
   
2月14日 メダカの撮影の中心である産卵と卵の成長の撮影は、ほぼ終了しました。

あとは、その他のメダカのちょっとした行動を撮影したり、一連の撮影が単に仕事

をこなしただけに終わらないように、自分が興味を感じた瞬間だけに的を絞った撮影を

する予定です。

こちらは、毎日毎日詰めて撮影をするのではなく、タイミングを計り、リラックスした状況

で撮影を進める予定です。

今日は、春以降の計画を頭の中に描きました。

といっても、まだ具体的なものではありません。

何について計画を立てるか考えてる段階です。

そんな中で、一つだけ具体的になったのは、生き物を飼育するための設備を整えると

いうことで、飼育室の中に、大容量の電源を引く準備をさっそく始めました。

生き物を飼育して撮影する方法は天候を選ばないため、コツを掴み、うまく野外での

撮影と組み合わせることで、時間を有効に使うことができます。

そのためには、日頃から被写体を捕獲して飼育しておく必要があるからです。

   
   
2月13日 メダカは産卵後の数時間の間、卵をおしりのところにぶら下げたまま泳ぎます。

その後、水草や枝などに擦り付け移しますが、今日は、水草に擦り付けるシーンの撮影

を試みました。

ビデオなら簡単に説明できるのでしょうが、写真では難しく、何度か撮影を試みなければ

写りそうもありません。

撮影はドラマチックなシーンよりも、何でもないシーンの方が難しいことが多いように

思います。

(フィルム2本撮影)

   
   
2月12日 生き物を扱う作業には、予測もしないような失敗がつきものです。

この冬、僕が撮影しているメダカとヒメダカは色が異なるだけで、生物学的には同じ種類

の生き物なので取り扱いは全く同じですむはずです。

ところが、人間の手で、飼育施設の中で代を重ねてきたヒメダカは、野生のメダカに比べ

ひ弱になる傾向にあり、同じように水槽内で飼育していても、口の先端など硝子にぶつけ

やすい部分に傷が出来やすいようです。

特に活動的なオスの方にそういった傷が多く、撮影用のきれいなオスがとうとう一匹し

かいなくなってしまいました。

その一匹のオスに傷ができないように広めのスペースを与え、なるべく驚かせるような

機会を無くすように注意することにしました。

ほとんど同じ内容の撮影でも、被写体が変わったとき、場所が変わったときには、必ず

と言っていいくらいアクシデントが起き、新しく僕が勉強することがあります。

逆に言うと、手を動かしている限り常に勉強することができ、先に進むことができます。

   
   
2月11日 メダカの撮影水槽の横には、ザリガニを飼育しておくための水槽を設置していて、

メダカの撮影の合間や、撮影でカメラを覗く目が疲れたときに、このザリガニ水槽を

眺めます。

この水槽を眺めていて最近気が付いたことは、午前中のある時間帯に、ザリガニが

ハサミを振り上げたままにして敵を威嚇するかのようなポーズでじっとしている時間

があるということです。

ザリガニの威嚇のポーズは、ザリガニを棒などで軽く突付いたりしてたくさん撮影したこ

とがありますが、この時間帯に撮影すると簡単に自然に撮影することができそうです。

(フィルム2本撮影)

   
   
2月10日 今日は、ヒメダカの産卵行動を2つがい、メダカの産卵行動を2つがい、合計4つがいの

メダカの産卵行動を撮影しました。

すでに、写真はある程度の品揃えが出来ているので、今日の撮影では今までよりも

シャッターを押す基準を厳しくして、グレードの高い写真を撮るように心がけました。

写真の良し悪しには撮影技術の上手い下手もありますが、どのレベルの写真を撮影者

が撮ろうとするのかというレベル設定が大きく影響します。

といっても、ない袖は振れないので、闇雲にレベルを高く設定しても徒労に終わるだけ

です。自分の力量をある程度把握しておかなければなりません。

「自分が普通に撮影に望んでどの程度まで撮れるのか。」ということは、割とはっきり

把握することができます。

しかし、「それから、さらに踏ん張ってどの程度まで撮れるのか。」という自身の限界は

自分でもわかりません。

ただ、自分が無難にこなせる撮影よりも上のレベルの撮影に必ずトライする習慣をつ

けると、自分でもわからない限界が、なんとなくですが感じられるようになります。

それは、撮れそうな予感です。

その予感のことを「自信」と呼ぶのかもしれませんね。

(フィルム4本撮影)

   
   
2月9日 今日は、メダカの稚魚が卵から孵化する様子の撮影を試みました。

撮影を開始したのは昨日のPM7:00頃、終了したのは今朝のAM7:00。

徹夜の撮影です。

稚魚の体が卵の殻を破ってから外に出てくるまでの時間は一瞬です。

稚魚が順調に孵化をしたら、とても撮影するような時間はありません。

稚魚の体が孵化をする時に卵の殻に引っ掛かり、ちょっと孵化に時間がかかるような

ケースが撮影には最適なのですが、今朝の孵化は鮮やかなくらいに順調な孵化で、

撮影をすることはできませんでした。

何らかの工夫をして、再度撮影を試みる予定です。

   
   
2月8日 先週採卵したメダカの卵が、ぞくぞくと孵化を始めました。

昨日の深夜から今日にかけて、30匹弱のメダカが生まれました。

親のメダカを採集した場所に放したり、メダカがほしいと頼まれていた知人に分けるため

にある程度の大きさになるまで水槽の中で飼育します。

親と同じ水槽に入れると食べられてしまうため、稚魚はザリガニの水槽の中に放しました。

ザリガニは、見かけは凶暴そうに見えますが案外鈍く、生きた魚を捕まえることは水槽内

で観察した限りでは滅多にないようです。

(フィルム4本撮影)

   
   
2月7日 今日は、午前中で撮影を切り上げ、午後からは知人を訪ねました。

今回、おじゃましたのは、英彦山のふもとに住む後藤さんの会社 アングル です。

アングルは、鳥類を中心に環境の調査をする会社です。

僕は生物学出身で、今でも生き物と接する仕事をしている関係もあり、時々、調査の

仕事を持ちかけられます。

また、知人に環境調査の仕事の経験者も多く、調査の仕事は、学生時代からいつも

気になる仕事でもあります。

今日は、アングルの後藤さんに調査の仕事に関して、日頃詳しく知りたいと思っていた

ことをたくさんたずね、教えていただきました。

生き物の研究をしたり、環境調査をしたり、生き物の写真を撮ったりすることは、同じ

類の作業と思い込まれがちですが、案外違っていて、お互いに相容れない部分があり

ます。

生き物の研究には、他の人にはできないような発想が必要です。

調査の仕事には、飛びぬけた発想よりも、地道で正確な記録が必要です。

生き物の写真には、人の心を動かす何かが必要です。

(フィルム1本撮影)

   
   
2月6日 事務所の片隅に小さな花壇があり、花が咲く植物を数種類植えています。

大部分の花は、先日の積雪で枯れてしまったのですが、今日見ると、また新しい茎が

伸びてきてシクラメンが を咲かせていました。

動物と植物とは全く違う生き物のようですが、共通の祖先をもって大昔は同じ生き物で

あったと考えられています。

簡単に言うと、人もシクラメンも昔は同じ生物だったわけですが、そのことに異論を唱

える人もいて、僕が大学時代に植物のことを教わったA先生もその一人でした。

「動物と植物とはその起原が違うんだ!」という話を授業中に聞いた記憶があります。

A先生の主張は、生物学全体の常識からすれば、かけ離れた意見であることは学生の

僕にも明白でしたが、たった一つだけ僕の心に深く入り込んだ言葉があります。

「動物と植物とは命の概念が違う。」という言葉です。

仮に2本の茎があったとします。

その茎が地中でつながっていたとすると、その2本は一匹の生き物。

でも、その茎と茎の間のつながりをハサミでチョキンと切れば、一匹が二匹になるという

点で、植物と動物とでは1匹(命)という概念が異なっているというのです。

僕は、今まで植物に特別な興味を感じたことはありませんでしたが、僕の生き物に対す

る興味は、動物の命という部分にあるのかもしれません。

それでも、昨年植物の芽生えの撮影をしたことをきっかけに、植物に対しても少しずつ

ですが興味を感じるようになってきました。

(フィルム1本撮影)

   
   
2月5日 昨日、うまくいかなかった卵の塊の撮影は、今日は、今のところ順調です。

あまりに同じような室内撮影ばかりが続くので気分転換の必要を感じ、昨日は焼肉

を食べにいきましたが、今日は、ここ2ヶ月で撮影したザリガニとメダカのフィルムを整理

しファイルに収め、どのシーンの写真が不足していて、どのシーンの写真が十分なのか

を見直しました。

まずは、毎日定時的に撮影しなければならない卵の成長の撮影に全力を注ぎ、早く

終わらせること。

そして、その後は、天候などを配慮しながら時に遠出をして気分転換をしながら、室内

撮影で写真が不足している部分をピンポイントで強化していくことにしました。

午後からは、「今月の水辺」を更新。

2月の水辺は、「メダカの産卵行動」です。

(フィルム2本撮影)

   
   
2月4日 今日は、卵の成長を撮影するために新たに卵を採卵をしました。

今回の撮影は卵を一つずつではなくて、数個の塊のまま撮影していくためのもので、

同時に産み落とされた卵が全体に同じタイミングで同調をして成長をしていく様子を

伝えるためのものです。

卵は鮮やかなくらい同じタイミングで成長をし、ほぼ同じ時期に孵化します。

不思議ですよ。

残念ながら、今日採卵した卵の塊の中にはうまく成長をしない卵が含まれていて、また

明日採卵のやり直しをすることになりました。

(フィルム1本撮影)

   
   
2月3日 ヒメダカは、人為的に交配を重ねているためか野生型のメダカに比べると奇形が多く

見られます。

奇形といえるほどのものでなくても、なんとなく体形がおかしな個体もいて、全部で20匹

以上購入したヒメダカの中に典型的といえるヒメダカは数匹しかいませんでした。

また、野生型のメダカに比べて簡単に産卵をするなど全体に扱いやすく、「え!」と

驚くほど小さな個体までが産卵をします。

(フィルム4本撮影)

   
   
2月2日 今日は、ヒメダカの産卵を撮影しました。

撮影は快調に進み、メダカの産卵を撮影する際に、小さな問題点でも妥協せずに解決

して、時間を先行投資してきたことが報われる思いがしました。

僕は、野生の生き物が好きで、ペットや人為的に手が加えられた生き物にはあまり興味

がなく、ヒメダカよりもメダカの方に興味を感じますが、カメラを手にし、少しでもきれいに

いい写真を撮ろうとすると、そういった先入観を消し去ることができます。

現在は、熱帯の鮮やかな魚たちがたくさん輸入されてきますので、ヒメダカは単なる地味

な国産魚に過ぎませんが、昔の人が、まれにメダカから生まれる黄色いヒメダカを見つ

けた時の感激がレンズ越しに伝わってくるような思いがしました。

メダカやヒメダカは、毎日一度だけ早朝に産卵します。

現在、撮影可能なヒメダカは3つがいなので、一日に三度の産卵行動を撮影することが

できます。

この調子であと一週間くらい撮影すると、納得できる写真を揃えることができそうです。

(フィルム5本撮影)

   
   
2月1日 現在撮影中のメダカの卵の成長具合が思わしくありません。

調子よく成長をしているかと思えば、急に成長が止まったり、死んでしまったりと、

これまでに費やしてきた多くの時間とフィルムとが無駄と化しています。

あまりに無駄が多いので、思いつく限りの原因を探ってみました。

まず思い当たるのが温度です。

実験室内で生き物を飼育する際の標準の温度は25℃なので、エアコンを使用して室温

全体を25℃に調節しています。

卵には向きがあり、その向きを変えずに撮影を続けるために、卵はシャーレーという

小さな容器に入れカメラの下に置いたままにしてありますが、エアコンの温度調節に

むらがあり、シャーレーの中の水温が周りの温度の影響を受け、卵の成長が思わしくな

いのでは?と考えてみました。

さっそく温度計を置き、こまめにシャーレー付近の温度を計測してみたところ、23〜

28℃くらいの間で、短時間にかなりばらついていることがわかりました。

よほどに鈍い人でも、手で触れてみて2℃の水温差を感じない人は皆無ではないかと

思います。水温で5℃というのは、かなりの大きな揺らぎです。

エアコンでの微調整は無理と判断し、白熱灯の電球の温度で調度理想的な温度になる

に調節しました。

(フィルム1本撮影)

   
   
2000/02〜