今月の水辺 / 里山ビオトープ

NikonZ7U
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
(撮影機材の話)
三脚の雲台部分は、マクロ撮影なら自由雲台、超望遠撮影ならビデオ雲台やジンバル雲台、風景の撮影なら3ウェイ雲台かギア雲台といったところだろうか。でもどれか1つとなると、大型の自由雲台か3ウェイ雲台があたり万能だろう。マクロの割合が高いのなら大型の自由雲台、超望遠の割合が高いのなら3ウェイ雲台を、僕は選びたい。実は、性能のいい3ウェイ雲台が探しているのに、好みに合うものが見つからない。唯一、ジッツオの3ウェイフルード雲台 GHF3Wを使ってみたいのだけど、3ウェイ雲台としては非常に高価で悩ましい。

撮影後記 

 今年の春は区画整備に伴う引っ越しがあったので、春が撮影の期間に含まれる仕事の依頼をすべてお断りした。
 実は去年の段階では、少々忙しくても、引き受けてしまえば火事場のバカ力で何とかなるに違いない、と考えていた。
 そこで、移転がどのような進行になるのかの詳細を役所の担当の方に問い合わせてみたところ、夏の段階では、なかなかクリアーな答えが返ってこなかった。
 口ぶりからすると大体のことは決まっているはずなのに、うかつに口にしてはならない決まりになっているのか、はっきりと答えてはもらえなかった。
 さてどうしたものか?何とか仕事を引き受けようとするとやはり詳細なスケジュールが必要になる。
 でもそれを知りたいと思うと、役所の対応が妙に腹立たしく感じられてしまうので、一層のこと、すべての仕事をお断りすることにした。
 果たして実際に転居をしてみると、思っていたよりも格段に労力がかかり、仕事を引き受けないで良かったと思う。
 その結果、秋〜春までのずいぶん長い期間、じっくり取り組むタイプの写真撮影から遠ざかった。

 しばらくその手の撮影から離れてみると、よくあんなキツイことをやっていたな、と思えてきた。やたらに暑かったり寒かったり、長い距離を歩いたり待機があったり徹夜があったり・・・・
 そして困ったことに、もう2度と、前のようには撮影ができないような気がしてきた。
 引っ越しが一段落して撮影に行こうと思えば何とか行ける状態になってもなお、写真を撮る気力が湧いてこなかった。
 頑張って出かけてみても、何かうまくいかないことが多くて、波に乗ることができなかった。
 まるで写真の撮り方を忘れてしまったかのようだった。
 そんな中、釣りのユーチューブチャンネルを見ていると、釣りタレントの村田基さんが、
「釣りがうまくなりたいのなら、魚がたくさんいるところに行って釣りをするのがコツ。」
 と話しているのが引っ掛かかった。魚が釣れないところで何時間釣りをしても釣りはうまくならない、というのだ。
 その点は、写真も、同じかもしれないな。
 シャッターが押せない状況で何時間待機をしても、写真は上手くならないだろう。
 ということは、絵になりやすい状況で生き物がたくさんいて、どんどん写真が撮れる場所といえば、今の時期どこやろう?
 そうだ。ビオトープに行ってみよう!と僕は里山ビオトープに行ってみることにした。

 例年なら定期的に現場を見ているので、出かける段階から主に何を狙うのか予定が立つのだが、今回はしばらく遠ざかっているのでまったく様子がわからない。
 すると道具の選定ができないので、困った。
 ストロボみたいなややこしいものを排除して、風景撮影用のワイドレンズと小さな生き物用の望遠レンズの組み合わせにした。
 とにかく現場に行ってみると、まずは緑がとてもきれいに見えた。
 よし、まずはこの景色を撮影しよう、とカメラを三脚に固定し、ああでもない、こうでもないと試行錯誤をする。
 するとその最中に、次々とトンボたちの姿が目に飛び込んでくた。
 この日は、なかでもオオイトトンボの数がとても多くて、あちこちで交尾中だった。
 その姿をレンズで追いかけてみると、僕は、いつの間にか撮影に夢中になった。
 元々田んぼだった場所を、ボランティアの人たちが手入れをしている里山ビオトープ。こんな楽しい場所を作り、さらに維持してくれてありがとうございます!
 
 
 
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自然写真家・武田晋一のHP「水の贈り物」 毎月の撮影結果を紹介する今月の水辺 2024年5月分


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