今月の水辺 / メダカの学校

OM-D E-M1 Mark III
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO MC-14
(撮影機材の話)
マイクロフォーサーズは、オリンパスとパナソニックとを併用しているのだが、特に、動体など撮りにくい被写体を写真で撮影することに関しては、よりそれに特化しているオリンパスの方がお勧め。またそういう用途の場合は、少しでも明るいレンズが欲しいので、パナソニックのLEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.を所有しその描写にとても満足しているにも関わらず、開放f値の違いから、近い焦点距離のM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROも購入してみた。実際に使ってみると、ピントリングを回した際のピントの移動の具合など、写真に限定すると、やはりオリンパスの方が使いやすいように感じる。


撮影後記 

 ヘビが隠れていた穴の入り口に、広角レンズ付きのカメラを置いた。そこから少し離れたところに拠点を作って、スマートフォンからカメラを遠隔地操作できるようにセット。
 拠点からヘビの穴を注視し続けると、ヘビに僕の殺気が伝わり、穴からなかなか出てこないような気がして、わざと席を外すために、今度は望遠レンズ付きのカメラを持ってあたりをうろうろ。
 すると、田んぼの水路にメダカの稚魚の群れを見つけた。
 撮影者の殺気が生き物に伝わるかどうかは、今はいろいろな遠隔地操作の方法があるのでそれらを駆使して検証してみているのだが、僕の答えはNO。自分の中では、殺気の『気』などというものは存在しないという結論が出ているのだが、それでも、他の何かをしていた方がヘビがすんなりと出てきてくれるような気がするのは、人の心理の面白いところ。
 ともあれ、メダカの稚魚たちにしばらくレンズを向けてみることにした。

 カメラを構えると、自然と、童謡・メダカの学校のメロディーが流れてきて、つい歌詞を口ずさんでしまう。

めだかの学校は 川のなか
そっとのぞいて みてごらん
そっとのぞいて みてごらん
みんなで おゆうぎ しているよ
 
 ホントだ、ホントだ。
 おゆうぎしているようにも見える。
 
めだかの学校の めだかたち
だれが生徒か 先生か
だれが生徒か 先生か
みんなで げんきに あそんでる
 
 なるほどねぇ、先生と生徒と来るか!
 ということは、一枚の写真の中に、先生にふさわしい大きな個体も写っていなければ、メダカの学校とは言えないのか・・・
 そこで、大きな個体がやってこないかなと待ってみるのだが、ついに最後まで現れず。
 カメラマンは、つい絵にすることばかりを考え美術性を追求したくなってしまうけど、メダカの学校を口ずさみたくなるような写真があったら、楽しいだろうな。
 小さな個体と大きな個体は泳ぐ場所が違っているだろうし、生態写真としては、小さな個体なら小さな個体だけが、大きな個体なら大きな個体だけの群れがより自然なのかもしれないけど、生き物の写真は、『楽しい』もとても大切だったりします。
 写真と生き物の論文とは別のものであり、写真は、ただ正しければいいわけではないから。
 
 
 
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自然写真家・武田晋一のHP「水の贈り物」 毎月の撮影結果を紹介する今月の水辺 2020年9月分


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