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撮影メモ

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08月30〜31日(金〜土)

 昨日の飛行機で東京から帰宅をして、今日は、開催中の写真展の会場に出向いた。が、あいにくの台風で、会場の山田緑地には人がいない。写真展に人が来ないどころか、山田緑地への入場者そのものが数人しかいない状況だった。
 ただ、普段であれば、とても恨めしい台風になるのだろうが、ちょうど考え事をしたかったこともあり、それなりにいい時間にはなった。
 上京をした際に、昆虫写真の海野和男先生と比較的ゆっくり話をすることができ、色々と考えさせられることがあり、その時に感じたことを僕の中で消化をするための一人の時間と空間とが欲しかったのだが、今日はそのうってつけの日になった。
 海野先生に限らず、僕は、写真の世界の中で色々な人から教わることあるが、海野先生からは、便利な要領よりも、物の考え方を教わりたい。そのせいだろうか、10年近くも前に海野先生に初めて会ったときに教わったことで、最近になってようやくその意味が分かるようなこともあるし、僕にとって海野先生の話は、明日何をするかというよりも、これから僕がどちらの方向に向って歩くのかというような大きな方向性を決める際に参考になる話が多い。
 最近の僕は、写真を使う側の人や見る側の人に喜んでもらうことばかりを考えていて、それを目的にして写真を撮っていることが多いような気がする。人に喜んでもらうことは嬉しいし、大切なことだと思うが、僕は写真を通して伝えたい何かがあるからカメラを手にしたはずだし、今の僕は、その何かをちょっとばかり見失いかけていることに、海野先生の話を聞いていて気がついた。
 単に人に喜んでもらうことは、ウケル写真を撮ればいいのだから、そんなに難しいことではない。そうではなく、僕は、自分が伝えたい何かを伝えようとし、その結果、人が喜ぶ顔が後からついてくるのでなければならない。もちろん、小さな局面ではウケを狙ってもいいのだろうが、それがすべてになってしまってはならない。
 人が喜ぶ顔には大変な魔力がある。今の僕はその魔力にちょっとばかり取り付かれ、安易な方向に目が向いてしまっている嫌いがある。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点。
  

08月29日(水)

 今日は、午前中と午後に、一箇所ずつ出版社をたずねた。午後の方は、僕が全く趣味で撮影した写真を売り込もうとしたのだが、大変に反応が悪く、今回の上京では唯一、箸にも棒にもかからないという感じだった。
 上京すると、いつも体調が悪くなるのだが、今回も例にもれず、一昨日、昨日と少しずつ調子が下降気味で、今日はやや体調が悪い感じがする。東京は至るところが舗装されているし、人ごみもすごいし、東京の人は本当に大変だろうなと思う。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点。
  

08月28日(水)

 写真家が撮る写真には二種類の写真がある。一つは、その写真家が仕事として撮る写真であり、あとの一つは、仕事を抜きにして好きだから撮る写真だが、前者が商品ならば、後者は作品といった感じになるだろうか。
 僕は、商品としては子供向けの本の撮影の他、幾つかの撮影をしているが、作品としては、渓流を舞台にした「沢の流れの物語」と、渓流に限らず広く日本の水辺を舞台にした「水の贈り物」という2つの作品を同時進行で撮影している。
 今回の上京では、2つの作品を共に売り込みたかったが、「水の贈り物」の方は予想外のできごとで売込みを先に延ばすことになり、今日は、残りの「沢の流れの物語」の方を、本の編集者の方に見てもらった。
 出版社やその出版社の編集の方には、それぞれに特徴がある。売込みをするときには、自分の作品にあった売り込み先を考えなければならないが、「沢の流れの物語」については、僕は、どうしてもこの人に編集してもらいたいとずっと思い続けていた人がいる。
 今日は、その憧れの編集の方に写真を見てもらったが、作品を高く評価してもらうことができ、写真を預かってもらい、その写真から数日うちに出版社の方でコピーを取り、そのコピーを元に、「沢の流れの物語」が本に出来るかどうかを検討してもらえることになった。
 評価をしてもらったポイントは、100枚弱ある一連の写真が大筋で一つの物語としてよく並べられている点と、全体としてみた時に、風景あり、生き物あり、水中ありと色々な視点からの写真があり、飽きさせない点だった。僕は、正直に言うと、評価をしてもらえただけで嬉しくなり、一瞬満たされたような気持ちになったが、それはやはり僕の自己満足だと思い直した。
 自己満足ではなく、一人でもたくさんの人に自然を見てもらい、自然のことを知ってもらい、何か社会に接点をもった写真を撮れる人間になりたい。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点。
  

08月26〜27日(月〜火)

 昨日から上京している。昨日は午前中の飛行機で東京へと移動をしたが、東京はとにかく疲れる。仕事先を回り、夜は宿泊先に9時頃帰りついたが、翌日目を覚ますまで数度の電話がなったにもかかわらず、全く気が付かなかった。
 疲れはしたが、たまにホテルもいいなと思う。僕は、仕事場にいると延々と仕事をしてしまうが、ホテルでは写真が撮れないから、たくさん眠ることができる。もちろん、仕事場で延々と仕事をしている時間は充実しているし楽しいが、たまにはそんな日もいい。何もしないというのは、むしろ疲れるのだが、何も出来ないのはいい。
 今日は、出版社をたずねたが、アマガエルの写真を高く評価してもらうことができた。新しく仕事をすることができそうだ。
 アマガエルの写真に関しては、今市場にある大半の写真は、何人かの写真家の手で、ずっと以前に撮られたものが出回っている状態で、まとまった量の写真としては、多分の僕の写真が一番新しく撮られたものだろう。新しく撮ったのだから、すでに流通している写真よりもいいのは当たり前のことだが、それでも編集者の人に評価してもらえるのは嬉しい。
 写真は、もちろんある程度の自信を持って送り出すのだが、編集者の人の評価は、その自信の裏づけになるし、その裏づけがあれば、さらに一歩前に進むことができる。昨日までは、「あ〜撮ったな」という心持だったのが、今は、「こんなの撮りたいな」という心境だ。たった一日で、不思議なくらい心境が変わる。
 「人の写真をたくさん見ることが大切だ」とよく言われる。僕も人の写真はたくさん見る方だと思うが、中には、人の写真をほとんど見ないという人で、たいへんにオリジナリティーがあり、いい写真を撮る人もいる。 ただ、自分が撮った写真をよく見ない人に、本当に優れた写真家はいないような気がする。今回は、出版社で編集の人だけでなく、先輩写真家のMさんにも会うことができたが、Mさんが大変きれいに写真を整理していて、そこから自らが撮影した写真をとても丁寧に見ていることが伺えた。最近の僕は、ひたすらに撮ることに力を入れていたが、もっと自分の写真をよく見なければと反省させられた。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点。
  

08月25日(日)

 今日から、山田緑地での写真展が始まった。昨日も書いたが、今回写真展のために業者に依頼した三十枚のプリントの中には大変に焼き具合が悪いものが三枚あり、一枚はパソコンを使って自分でプリント作り直し、二枚は急遽別の写真に差し替えた。
 差し替えた二枚のうちの一枚は、全然別の展示のために作ったプリントで、残りの一枚は、去年の山田緑地での写真で使用した写真を再度持ち出してきて、再登板をさせることにした。再登板をさせたその写真は、実は去年の展示ではそれほどに人目にはつかなかった写真だ。写真展に関して、いろいろと感想を述べてくれた人がいたが、その写真に関して何か感想を話してくれた人は一人もいなかった。
 ところが、今年は全く同じ写真を展示したにもかかわらず、たった一日で四人もの人が、
「この写真が好きです」
 と気に入ってくれた。写真展は一枚の写真を見せるわけではないし、お互いの写真がひきたつように組み合わせを考えて展示する。周囲の写真との組み合わせ具合で、一枚の写真が生き生きとしたり、埋もれてしまったりすることはあるが、そのとても極端な例を今回体験することができた。
 中には、
「この中で、あなたの一番のお気に入りはどれですか?」
 と、お尋ねになった人もいたが、ある一枚の写真が他の写真との組み合わせによって、輝いたり、そうでなくなったりするのだから、写真展のような場で、「これがお気に入り」という写真は僕の場合はない。仮に写真展ではなく一枚一枚の写真を見た時はお気に入りの写真があるが、その一枚が、今度は写真展の中では逆に気に入らない写真になったりすることもある。僕は、「この写真が好き」といった、個人の好みよりも、どうしたら一枚の写真が生き、どうしたら死んでしまうのかといった、物事の法則性の方に興味を感じる。
 それは、科学者が自然に興味を感じる時と全く同じで、科学者は生き物が可愛いだとか、自然が人を癒してくれるから自然について研究するのではない。自然の仕組みってどうなっているのだろう?と自然の法則性に興味を感じるのが科学の目だ。
 僕は、実験や細かい作業が嫌いなので科学の世界を選ばなかったが、科学の考え方そのものは、とてもフィーリングにあう。
 
今月の水辺を更新しました。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点。
  

08月24日(土)

 明日から始まる写真展の飾り付けをするために、山田緑地に出かけた。ここのところ急激にデジタルカメラが普及しつつあるが、僕は、仕事の撮影にはデジカメを使用していない。すべてフィルムで撮影しているが、写真展に使用した写真も、30点すべてフィルムからプリントしたものだ。
 プリント作ってもらう会社は、いつも同じところを利用しているが、プリントの出来がいい時もあれば、そうでない時もある。時には、元のフィルムと同じ写真とはいえないほど、プリントが悪い時もあるのだが、今回は、どちらかというとやや悪いといった仕上がりだ。本来の色が出ずに、とても色が浅いプリントが数枚あった。
 プリントがいいと、張り切った気持ちで写真展に臨めるし、そうでなければ、展示期間がとても苦痛な時間になる。 ただ、山田緑地の展示場は会場がやや暗く、照明が白熱灯の赤っぽい明かりで、そこに写真を飾りつけてみると、明るい部屋でみた時よりも写真が栄えて見え、展示を終え、今日は少し安心している。
 それでも、どうしても納得できないプリントが三枚あり、二枚はその写真を外して、別のところで使用する予定で作っていた写真に差し替えた。あとの一枚は、パソコンのプリンターを使用して、自分で作り直してみることにしたが、結果は70点くらいの満足度で、他のプリントに混じっても、かろうじて違和感がないレベルに仕上げることができた。
 僕は、写真展で見せるようなプリントをパソコンで作るのは初めてで、何度も何度も試し刷りをして、たくさんの時間と、テスト用紙と、プリンターのインクが無駄になり、たかが一枚のプリントに結構なお金がかかってしまったが、写真展の開催を明日に控えて真剣になれたし、とてもいい経験ができた。
 そうなると、高性能なフィルムスキャナーや、プリンターや、現在使用してるウインドウズのパソコンではなく、画像を扱いやすいマッキントッシュが欲しくなるのだが、その前にもう少し、今の状態でプリントの練習をしてみるつもりだ。
 
今月の水辺を更新しました。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。
  

08月23日(金)

 今日は写真展の準備とHPの更新だ。写真展の方は、初日の自然写真教室で話すことを頭の中で整理し、また展示する一枚一枚の写真に張りつける撮影データや生き物の名前を準備している。HPの方は、今月の水辺を更新した。これから月末まで、写真展と上京とで忙しくなるため、先月から数えると、ちょっと早めの更新だ。
 
今月の水辺を更新しました。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。
  

08月21〜22日(水〜木)

 昨日(21日)の天候は晴れで、予定していた水中撮影を決行することができた。今回の撮影フィールドである菊池渓谷は、渓流では西の横綱といった人気であり、おとずれる人も多い。水中撮影などという目立つことをするのには向かいない場所なので、少しでも荷物を少なくし、さっと撮影をして、さっと立ち去るために、いつも水中撮影の際に着用する完全防水のドライスーツではなく、荷物が少なくてすむウエットスーツを使用したが、やはり水が冷たかった。
 僕はヤマメ釣りに熱中していた時期があるので、いろいろな渓谷を歩いたことがある。渓流で写真撮影をする際には胴長といって胸までの長さがある長靴を着用するので足は濡れないが、ヤマメ釣りでは場合によっては泳いで川を渡るので、胴長は履かない。胴長の中に水が入ると身動き取れなくなり大変に危険なので、はじめから水に濡れる覚悟で流れに臨むし、いろいろな沢の水温を肌で感じた経験がある。
 ただ、菊池渓谷は禁漁区なので、この川で僕は釣りをしたことがない。つまり菊池の水で足を濡らした経験がなく、今回始めて、その水温を肌で感じることになったが、まず足を突っ込んでみると、今まで、僕が歩いたどの沢よりも水温が低い。真夏の渓谷で、靴越しの水の冷たさで足がしびれるような経験は、今回が初めてだ。
 意を決して水に潜り撮影を始めてみると、体の胴体の部分は分厚いウエットスーツで覆われているので、それほどには冷たさを感じない。完全密閉のドライスーツのように蒸れないし、これは夏の撮影には快適だぞと嬉しくなり、顔がにやけてくる。水中では誰にも顔を見られないのでにやけ放題だ。
 ところが、それが大きな間違いであることをすぐに思い知らされる。ウエットスーツの仕組みは、スーツの中に水を入れ、その水を体温で暖めることで、水の冷たさを和らげるというものだが、一旦水から上がると、暖められた水がすべて抜け、再度水に入ると、また冷たい水がスーツの中に入ってくる。
 フィルム交換のために陸に上がらなければならない水中撮影では、フィルムを交換するたびに体温が奪われる。昨日は、2度目のフィルム交換を終え、3本目の撮影に入った直後に、どうしようもないほどの冷たさに襲われ耐えられなくなり、陸に上がると寒さで凍えた体がふらつき、まっすぐに歩くことができない。さらに、あまりに体を冷やしたからであろうか、ここのところ慢性的に寝違えたような痛さが首にあったのだが、それが悪化し、車の運転中のわずかな振動でさえ、痛みを感じるようになってしまった。
 僕は、カメラのファインダーを覗くと心が集中するし、冷たさも感じなくなる。結局2度目のフィルム交換後、そのフィルムを撮り終えるまで撮影を続けたが、陸に上がり、正気に返ると、かなりギリギリのところまで筋肉が疲労している。 今回潜った地点では、一番深いところで4メーターくらいの水深があり、下手をすると足がつっただけでも死んでしまう可能性がある。危険が伴う水中撮影ではもう少し自制心を持たなければならないようだ。
 ただ、こう書くと、根性で撮影していると受け止める人も少なくないが、そうではない。特に水中撮影は体力的に疲れる撮影だがギリギリまで体を使い、皮膚で水温を、鼻で水辺のにおいを、耳で鳥たちの鳴き声を、口の中で沢の水の味を、目で風景を感じで、それをどうやって撮ればいいのか頭を使う。体力と、五感と、頭を使って、何かに立ち向かえることは幸せなことだと僕は感じている。多くの人は癒されるために自然に足を踏み入れるが、僕は立ち向かい、打ちのめされるために足を踏み入れたい。それが僕にとっては楽しいからだ。

 今朝(22日)も、その首の寝違えたような痛みがひどい。まさか首の周辺の骨などに異常があってはならないから整形外科で診療を受けたが、そういった異常は見つからず、首の周辺を捻挫したような症状が悪化し、慢性化したようだ。しばらく安静にした方がよさそうだ。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。
  

08月20日(火)

 今日から熊本に出かけて、明日は渓流で撮影をする。以前にも書いたが、水中から見た真夏の青空を撮影したい。魚眼レンズを使用して、僕自身が魚になり空を見上げたかのような気分で撮影をする予定だ。
 魚眼レンズには二種類あり、フィルムの真中にまん丸く写真が写る全周魚眼と、フィルムの長方形の画面いっぱいに写真が写る対角線魚眼とがあるが、僕が使用するレンズは対角線魚眼で、そのレンズで撮影した写真は、つい最近作成したギャラリー「湧き水の池にて」の中にも使用している。
 海で水中撮影をするカメラマンは頻繁に魚眼レンズを使うが、海と川とはかなり条件が違い、海で通用する撮り方は、川では全く通用しないことが多い。そこで、多少の試行錯誤が必要になるが、流れが強く水温が低い渓流では、何か新しいことを試すのもむずかしい。ギャラリーに使用した写真は、明日、渓流で撮影することを前提にして、安全な湧き水の池でいろいろと試した中の一枚だ。
 陸上で撮影をする時には、考え過ぎないことも大切で、その場で柔軟に対応する心も必要だが、レンズもフィルムの交換することができない不自由な水中では、とにかくあらかじめの準備が大切だ。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。
  

08月19日(月)

 今日も、昨日に引き続き複写の作業をしている。昨日は、645版のフィルムを645版のカメラで複写する作業だったが、今日は、35ミリ版のフィルムを645版のカメラで複写した。約50枚の写真を複写したが、とても疲れて肩こりと偏頭痛がひどい。
 僕は、645版のカメラを2台持っていて、片方にはフジのベルビアを、片方にはフジのプロビアを入れ、フィルムによって同じ2台のカメラを使い分けているが、一台を複写専用にすることにした。
 事務所の部屋に常に複写専用のカメラを準備しておき、フィルムを整理するたびにこまめに複写を作り、肩がこる作業をためこまないようにした方が良さそうだ。
 複写用として、事務所に645版のカメラを一台カメラを置いておくと、仮に取材先で機材を盗難されても、その一台は残るので仕事をすることができるし、それもいいかもしれない。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。
  

08月18日(日)

 僕は、気に入った写真や売れそうな写真は、複写といって写真を写真に撮りコピーを作っておくのだが、今日は約80枚の写真を複写した。
 複写によって作られたコピーの写真は、特別な場合を除いて、元の写真よりも良くなることはない。色が悪くなったり、シャープさが損なわれたりするのだが、少しでも元の写真の良さが損なわれないようにしなければならないから神経を使う。元のフィルムにほこりが付いていたりすると、コピーの写真にもほこりが写り込んでしまうし、コピーを作る時にピントが合っていなければ、コピーの写真がピンぼけになる。
 もしも、格安で複写をしてくれるところがあれば、任せてしまう方が正解かな?とも思う。
 普段、撮影済みのフィルムをルーペで見る時には気が付かないが、そんな目で注意深くフィルムを見つめてみると、フィルムには小さなほこりが所々に付着している。そのほこりを、風圧で突き飛ばしとり、取れないほこりはフィルムクリーナーで取り去ってから複写を作るのだが、これがなかなか時間がかかるし、その時間がもったいないような気もする。
 フィルムを複写するような作業は、どことなく生物学や化学の実験に似ている。実験の時は、ほこりや雑菌や実験に使用する有害な薬品などに気を遣いながらの繊細な作業が多いし、フィルムを複写していると、生物学の学生時代の実験を思い出す。僕は、生物学の研究者になろうかと考えた時期もあるが、実験が嫌いだったからその道へは進まなかった。
 
写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。
  

08月16〜17日(金〜土)

 「体調が悪い」と、15日の撮影メモの中に書いたが、僕は事務的な作業が長くなると体調を崩しやすくなる。事務的な作業とは、写真展、写真の整理、ホームページを作る作業、原稿を書く時間などだが、一番良くないのが写真展で、写真展やその準備は、不思議なくらいに疲れる。
 次に良くないのが、ホームページ関連の作業で、日記の更新などは何でもないのだが、ホームページのデザインや画像の色など、美術的なセンスが要求される作業が苦手だ。好きなのだけど、とても疲れる。
 そして、写真の整理だが、これは撮影をしてすぐに現像をして整理をするのなら、多分楽しい作業だと思うが、地方に住んでいるとそうはいかない。ある程度の本数(僕の場合、1〜2週間)のフィルムを撮り貯めして、それからまとめて郵送で現像に出すが、「写真を撮った」という達成感がなくなってからのフィルム整理は、つまらない作業になる。
 ここのところは、SSPの写真展、自らの写真展、ホームページの改良、上京のための写真の整理と、苦手な作業ばかりが続いているので体調が悪いのだろう。
 原稿を書く作業は、楽しい時と、そうでない時とがあり、気分が乗る時と乗らない時との差がとても大きい。頭が、そんな作業を受け付けないときに原稿を書く仕事があると大変い苦しい。
 写真撮影も、以前は同じように、楽しい時とそうでない時とがあったが、ここ2〜3年くらい、カメラのファインダーをのぞきこめば、いつでも自然と精神が集中して「無」になれるようになってきた。暑さも、寒さも、体調の良し悪しもほとんど感じなくなる。体調が悪い時などは、撮影に取りかかるまでは大変に苦しいが、一度取りかかるとフッと体が楽になり、それまでの不具合が嘘のように回復することが多い。

写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。
  

08月15日(木)

 体調があまり良くない。
 僕は、あまりたくさん食べる方ではないが、ここ2日間、ほとんど食事が喉を通らない。当然、力が出ないし、気力が湧いてこないのだが、まあ、そんな日もあるだろう。
 ここのところ、撮影の合間を縫ってHPを改良しているが、ギャラリーのページの改良がほぼ終わった。新しいページを2ページ付け加えた他、すべての写真をスキャナーで取り込み直して、画像処理をやり直した。僕は画像処理が上手くないが、これまでよりもかなり良くなったので、是非見てもらいたい。

写真展 「身近な水辺の小動物たち」 および 自然写真教室を案内します。
場所 北九州市山田緑地公園
期間 写真展 8月25日〜9月1日 (27日は休館)
    自然写真教室 8月25日(日曜日) 11:00〜12:00
内容 写真展 水辺の小動物およびその生息環境の風景写真30点
    自然写真教室 写真展で展示する写真30点を中心に、撮影のコツを易しく解説します。
自然写真教室は、スライドを使用して写真撮影の方法を解説しますが、単なるスライドショーとしても見られるように可能な限り配慮をします。是非、お越しください。

第23回SSP展・福岡展を案内します。
場所 フジフォトサロン福岡 福岡市博多区住吉3−1−1 092-281-0231
期間 7月30日から8月16日 9時から17時30分 (土・日・祝は休館)
内容 自然の不思議・神秘を捉えた写真74点で、すべてSSPの会員が撮影したもので、僕の写真も展示されています。
  

08月13〜14日(火〜水)

 アマガエルの撮影を続けている。今回は、カエルが葉っぱにぶら下がっている様子と、植物の茎を登っていく様子を撮影したが、茎を登るシーンが意外に難しくて、結構な時間がかかってしまった。
 茎を登るところなど簡単に撮影できるだろうと考えていたのだが、実際に撮ろうとしてみると、アマガエルは足を折りたたんでじっとしているかと思えば、ササッと素早く茎を登り、またじっとしての繰り返しで、登ってますよという感じのポーズで静止をしてくれない。
 撮影はストロボを使用するので、動いている最中にシャッターを押してもカエルの動きを写しとめることはできるが、出来れば正確にピントを合わせるための時間が欲しい。カエルがとまらなければ、ピントを確実に合わせることができないのだ。
 それから、葉っぱにぶら下がるシーンは、似たような写真をこれまでに何度も撮影をしたことがあるから、こちらは、あっという間に撮影を終えることができた。ただ、これまでは、アマガエルが葉っぱにぶら下がっているようすを解りやすく伝える写真を撮ることしか考えていなかったが、今回は、色々なぶら下がり方やポーズの写真を撮ることを心がけた。
 僕は、科学出身なので、どうしても生き物の最も特徴的なところだけを写真で捉えようとしてしまう。
 科学や生物学の世界では、生き物の性質を、一から十まで、ありのままに何でも記録するのではなく、取捨選択をして、特徴的な性質だけに目をつけるのが正しい。
 例えば、葉っぱにぶらさがっているカエルを撮影して、カエルの指先にある吸盤の吸着力のすごさを写真で見せようとするのであれば、それがうまく伝わるポーズの写真だけを撮ろうとする傾向が僕にはあるし、もしも、科学の論文の中で何か写真を載せるのであれば、そんな考え方で、余分なものはすべて削り落とし、シンプルに写真を掲載すればいいだろう。
 だが、一般の人や子供が見る本はそうではない。一枚のアジサイの葉っぱに、カエルが片手でぶら下がっていたり、片足でぶら下がっていたり、両手を片足でぶら下がっていたり、いろいろなシーンがあり、そこに遊びがあると、カエルについて単に詳しくなるだけでなく、親しみが感じられるようになる。
 今回の撮影は、
「アマガエルの器用な動きを表現する色々なポーズの写真が欲しい」
 という雑誌の編集の方のリクエストに答えるための撮影だが、編集の方からの具体的なリクエストには教わることが多く、僕にとっては大変にありがたい。

第23回SSP展・福岡展を案内します。
場所 フジフォトサロン福岡 福岡市博多区住吉3−1−1 092-281-0231
期間 7月30日から8月16日 9時から17時30分 (土・日・祝は休館)
内容 自然の不思議・神秘を捉えた写真74点で、すべてSSPの会員が撮影したもので、僕の写真も展示されています。
  

08月12日(月)

 今日は、アマガエルが葉っぱから飛び立つ瞬間を撮影した。昨日は、飛び立ってから空間を飛んでいる写真を撮影したが、その一連の撮影だ。アマガエルが飛び立つ動作に入り上半身を持ち上げた瞬間、足を蹴り体をぐーんと伸ばした瞬間、その勢いで宙に飛び出した瞬間の3つくらいのシーンが撮れていれば上出来だが、果たして結果はどうだろうか。
 撮り方は昨日紹介した通り、カエルがジャンプをする空間に赤外線センサーを仕掛けておくのだが、今日は、そのセンサーに遅延装置を取り付けて、カエルがセンセーを通過してからシャッターが切れるまでの時間をわざと遅れさせることで、予定している三態の撮影を試みた。
 一般的なカメラに赤外線センサーを取り付けた場合、センサーがカエルに反応しても、カメラがすぐにそれに反応できるわけではなく、実際にシャッターが作動するまでには0.07〜0.1秒くらい時間がかかる。ニコンのF5やキャノンのイオス1Vなどの高級機では反応が早く、その時間がかなり短いが、それでも0.04秒くらいの時間はかかる。0.04秒だと、ジャンプしているカエルは3センチくらいは移動するから、飛び立つ直後のポーズなどは撮影することができない。
 そこで、僕の場合は、KSKというメーカーが以前に発売していた特殊な装置を使用して、センサーが反応してから0.003秒くらいの超高速でシャッターが切れるような撮影セットを使用しているが、その撮影セットを、遅延装置によって、今度はわざと遅く反応させることで、飛び立つ直前から飛び立った後の写真まで違った瞬間を撮ろうという試みだ。
 そういったメカの力を駆使した撮影には、通常の撮影とは全く違う難しさがある。そして、メカでしか撮れないシーンがあり、撮影する内容によっては大変有効な手段である。その反面、機械的に写真を撮る結果、写真に個性がなくなり、それが奥行きのない写真に感じられなくもないし、自然写真を撮る人の中には、メカによる撮影を否定する人が少なくない。また逆に、メカには魔力があり、そんな撮影にはまってしまう人もいる。
 どちらが正しいわけでもないが、生き物の生態を撮影しようとすれば、メカによる撮影が必要になることもあるから、「そんな特殊な撮影は出来ません」ではダメだと思うが、メカによる撮影はあくまでも代打の切り札的存在であり、まずは、普通に写真が撮れることが大切だと思う。

第23回SSP展・福岡展を案内します。
場所 フジフォトサロン福岡 福岡市博多区住吉3−1−1 092-281-0231
期間 7月30日から8月16日 9時から17時30分 (土・日・祝は休館)
内容 自然の不思議・神秘を捉えた写真74点で、すべてSSPの会員が撮影したもので、僕の写真も展示されています。
  

08月10〜11日(土〜日)

 アマガエルの撮影をしている。今回撮影しているのは、アマガエルの身のこなしの器用さを伝える写真で、ジャンプをしている様子や植物の茎に飛びついたり、ぶら下がったりする様子だ。
 僕は、撮影用のアマガエルを飼育しているが、アマガエルは結構人に慣れるような気がする。なつくわけではないが、飼育していると、指先に乗せてもじっとして、あまり逃げ回らなくなる。飼育ケースの蓋をあけても、採集当初のように一目散に逃げようとするようなこともなくなる。餌をいつも同じケースの中に入れておくと、餌が空になってもケースの縁に止っていて、餌の在り処も覚えるようだ。
 今日は、アマガエルがジャンプをする様子を撮影したが、2本のアジサイの茎を用意して片方にアマガエルをとまらせ、他方を、いかにも飛び移りやすそうな場所に立てておく。茎と茎との間には、赤外線のセンセーをセットしておき、センセー上をカエルがジャンプをして横切ると、センサーからシャッターに連絡が送られ、自動的に写真が撮れる。
 アマガエルのこの手の撮影は、これまでにも何度も経験があるが、今回は、今までとは違う方法を思いつき、新しい方法を試してみた。ほんの些細なアイディアでも、何かを思いついた時に試しておくと、後々それが役に立つことがある。

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08月08〜09日(木〜金)

 オニヤンマの撮影をした。場所は、森の中を流れる小さな流れのほとりだ。
 その流れの近辺には多分4〜5匹のオニヤンマがすんでいる。それらが、流れにそって上流から下流に、下流から上流に何度も何度も行き交い、僕は、その流れの中に入り、カメラを構えてトンボが通るのを待ち、目の前を通る瞬間にシャッターを押す。
 レンズのピントは30センチの距離に固定しておいたが、30センチというのは、カメラのフィルムからの距離なので、レンズの先端からオニヤンマまでの距離は10〜20センチ程度になる。そんな近距離に物があるにも関わらず、オニヤンマたちは全く気にするようすもなく、目の前を飛んでくれた。
 撮影に費やした時間は2時間程度だと思うが、その小さな流れに次々と野鳥がやってきて、水浴びをする姿を見せてくれた。今日、種類を確認できたのは、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、ソウシチョウの5種類だ。機会があったら、その鳥たちも撮影してみたい。

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08月07日(水)

 ランの撮影に出かけたが、今年はいつもの場所に咲いている姿を見つけることができなかった。茎も葉もなかったので、なくなってしまったのかもしれない。
 採られたのではないと思う。ランが咲いているのは小さな沢沿いで、その沢を見つけて5〜6年になるが、これまでに人が入った痕跡を見つけたのが二度しかないような場所だからだ。一度は、釣り師が残した折れたつり竿で、あとの一度は、残されたゴミから推測して昆虫の調査か採集だと思うが、いずれも単発的で、この場所に定期的に人が入っているようなようすは感じられない。
 沢は、イワナの仲間で絶滅が危惧されているゴギの宝庫で、恐らくそこらあたり一帯のゴギが集まり産卵をするゴギの供給源になっている場所だと僕は推測している。これだけ野山が人で溢れる時代に、そんな沢がひっそりと残されていることは奇跡に近い。
 花がなくなってしまったことは残念な気もするが、「そんな手付かずの場所なのであれば」という前提付きで、なくなってしまうからランは魅力的なのかもしれない。野生の生き物が、人に採り尽くされて辺りから姿を消してしまうのは論外として、自然の中で、姿が見られなくなったり、また忽然とどこかで姿を見かけるのは素敵なことだと思う。
 代わりに今日は蛇を見つけた。その蛇を撮影したり、触ったり、水をかけてみたり、また捕まえた蛇を沢で泳がせてみたり、いろいろと触れてみた。
 最初は、恐いという印象を多少受けるが、いろいろと試してみると(蛇にとっては大変に迷惑だが)、毒蛇でもない限り、トカゲやカメなどとそう大きく違うわけではない。試しているうちにグッと蛇が身近になるし、また蛇だけでなく爬虫類全体に興味を感じるようになる。

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08月06日(火)

 ここのところ晴れの日が続いていたが、明日は多少天候が崩れるらしい。今日は、これから島根県に出かけ、明日は、渓谷でランの花を撮影する。植物を撮影するのであれば、曇りの方がいい。
 昨日書いたように、晴れであれば熊本で水中撮影を、曇りであれば島根でランの撮影と、どちらにも対応できるよう計画を二本立てにしていたのだが、心の中では水中撮影をする準備をしていた。植物は、僕でなくても、たくさんの人が撮影をしているが、淡水で本格的な水中撮影をしている人はほとんどいない。淡水の水中で、いろいろなアイディアを凝らすと、まだ見たことがないような写真が撮れる可能性があるから、それが何よりも面白い。もちろん、近いうちに水中撮影の方もするが、一番その気になっている時に、一番やりたいことをできれば、それに越したことはない。
 ただ、野外での撮影で何よりも優先すべきなのは気象条件だ。逆に、ランの花が撮りたいな!曇ってくれないかなと望んだとしても、8月には曇りの日が大変に少ない。ましてランが開花している間にとなれば、年によっては、いや大抵の年は、花の撮影に適した曇りの日が一日もない場合もある。気持ちを切り替え、素直に天候に従うことも大切だ。
 明日、撮影する予定のランは、数年前、渓谷の撮影中に見つけたものだ。当時、そのランは、水辺に立ち枯れた木の幹の上に根を下ろしていて、偶然にも花が咲いている時にそこを歩いたため、ピンク色の花に気がついた。
 ただ、ランが生えている場所は、とても高い場所であり、撮影ができるような場所ではなかったから、カメラを向けようとは思わなかったが、そのランに気付くほんの少し前、その近辺で撮影した風景写真の中にそのランが写っていて、写真を現像後に、僕がその花を偶然にも写真に写していたことに気が付いた。米粒のように小さく写ったピンクの花に大変な存在感があり、もっと近くで写してみたいものだと、その時感じた。
 昨年は、8月の2日に、またそこを歩いた。今度は、立ち枯れていた枯れ木が倒れ、渓谷に横たわっていて、ランを間近で見ることができたが、まだ花が咲いていなかったから、明日あたり、うまくいけば撮影ができるかもしれない。倒木がすでに流されているかもしれないが、その時は、その沢で釣りをする予定だ。

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期間 7月30日から8月16日 9時から17時30分 (土・日・祝は休館)
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08月05日(月)

 これから9月にかけて、アマガエルの動きがあるシーンを徹底して撮影する。また、その合間を利用して渓流の撮影もするが、明日は夕方からその渓流に出かける。もしも晴れれば、熊本県の菊池渓谷で、水中から見た真夏の青空の写真を、曇れば、島根県で渓流に倒れ掛かった倒木の上に咲くランの花を撮影したい。
 晴れた場合の菊池渓谷は水中撮影になるが、今回はいつも使用している水が入らないドライスーツではなく、水が入ってくるウエットスーツを着用する。
 ドライスーツは水が入らない防水服だが、その仕組みは、洗面器を裏返しにして、中に空気を入れたまま湯船に沈めると、中に蓄えられた空気が邪魔をして洗面器の中に水が入ってこないのと同じだ。ドライスーツの中に空気を入れておき、その空気が邪魔をして水がスーツ内に入らないようにする。つまり、空気入りの風船を水に沈めているのと同じなので、かなり重たい鉛を背負わなければ、水に沈むことができない。
 その点、ウエットスーツの場合は、ずっとおもりが少なくて済む。人がとにかく多い菊池渓谷では、なるべくゴチャゴチャした作業をしたくない。さっと撮影して、さっと引き上げたいが、機材やその他、荷物をコンパクトにするために、水が冷たいと思うがウエットスーツを使用する。昨晩から、そのためのウエットスーツを点検したり、その他の準備をしている。

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08月04日(日)

 大学時代の同級生・栗原智昭の講演を聴きに行った。同じ生物学出身の自然写真家でも、彼は、僕とは全くタイプが違う。僕が、
「自然ってこんなものですよ」
 と自然について語ろうとするのに対して、栗原氏は、
「人は自然に対していかに接したらいいのでしょうか?」
 と人について語りかけようとする。
 写真以外の何かに無理矢理にたとえるとすると、僕が科学者なら、彼は政治家だと思うが、それだけに彼の話は、人の生活に大変に密着していて、人間味溢れていて面白い。同じ講座で、以前に僕も講演をしたことがあるが、僕よりも、断然に講演向きだ。
 そういうと、
「あなたの講演の方が好きという人もいると思いますよ。個人の好き好きですよ」
 と言う人もいるだろうが、それは話を聞く人の「個人的な好み」の問題であり、客観的な講演の完成度の高さや、向き不向きとは、また違う。僕が講演向きと書いたのは、そういった個人の好みを排除して、客観的に講演とは何を満たしてなければならないかを冷静に考えた場合の話である。
 今日の栗原氏の講演は、とても完成された内容だったし、彼が取材した内容は、講演やテレビといった、彼自身の顔が出てくる形式での発表が一番生き生きとしたものになると僕は感じた。

 最近、「個性を大切にする」ことと、「個性的である」こととが、ごちゃ混ぜにされてるような気がする。人は、一人一人必ず自分の思いを持っていて、それが、平凡なものであろうが、特徴的なものであろうが、その思いを個性という。一方で、平均的な人間像からはみ出した何かを持っている人を「個性的な人」という。
 僕は、個性は大切にしなければならないと思うが、個性的な人間になる必要はないと思う。僕にとって個性を大切にすることは、自然を仕事に選ぶことかもしれないが、ある人(大部分の人)にとっては、ごく普通に会社に勤め、家族を愛することだろう。それは、個性的ではないかもしれないが、個性を大切にした素晴らしい生き方だと僕は思う。
 実は、栗原氏の講演は、僕とジョイントでなされるはずだったが、僕が講演を降りたため、彼の単独講演になった。栗原氏の講演の、「好きなことをするってどんなこと?」というタイトルは、本来、僕が僕の話をするために考えだしたものであり、「好きなことをするとは、個性的になることではなく、個性を大切にすることだ」という僕の思いが込められている。
「あなたにとって、どんな人が一番手強いですか?」
 と僕がたずねられたなら、写真をはじめた当初は「優秀な写真家」だった。が、今は違う。
「普通に会社に勤め、家族を愛し、子供を育て、しかもそれを堂々とやってのける人」
 と僕は答える。

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08月03日(土)

 僕は、遊びでデジタルカメラを使用することはあるが、自然写真の撮影にはフィルムを使用している。だから、ホームページに写真を掲載するためにはスキャナーでフィルムの画像を取り込み、デジタル化しなければならない。
 ところが、スキャナーを使用してフィルムをデジタル化しても、最初は元画像とはかけ離れた色の画像ができあがる。それを、フォトショップなどのソフトを使用して元画像に近い色合いに画像処理をするのだが、それが意外にむずかしい。
 僕は、そもそもパソコンがあまり好きではないこともあり、画像処理が苦手だし、「こんなHPにしたい」というアイディアはたくさんあるのに、画像を取り扱うのが億劫でほとんど何も実行していない。頭の中にある色々なアイディアを実行して、ある程度、僕のイメージ通りの形に近づいた時に、大々的にHPを宣伝しようと考えているのだが、「まあ、いいか」といつも先延ばしにしている。HPを作って以来、延々と試験運用期間が続いている。
 最近はデジタルカメラが普及したこともあり、画像処理の方法を解説した本をたくさん見かけるようになったし、以前に比べて解りやすい本が増えた。つい最近、そんな本を一冊買ったら、僕が画像処理を覚えた頃に読んだ本とは大違い。その本は、カメラの紹介がメインで、ほとんど付録のように画像処理が紹介してあるのだが、試してみると、今まで僕が使っていた方法よりも断然いい。
 僕はデジタルカメラに詳しい人から、大変に精密に画像処理をする方法を教わり、その方法を解説した本をゆずってもらったのだが、自然写真の世界は、たとえデジカメで撮影したとしても、細かすぎる画像処理はしないという方向に進みつつある。僕もその方向性は正しいと思うし、特別に細かい処理をする方法よりも、もっと簡単な方法の方が合っていたようだ。 どうも、今までは、料理で砂糖の重さを量るのに超高性能な化学天秤を使用して、「思い通りにならない」と途中で投げ出すのに近いことをしていたようだ
 画像処理は、原色に近い色はやさしい。むずかしいのは、淡水の水中写真の水の色やオオルリの背中の青色や渓谷の色など、やや濁りが入った微妙なニュアンスの色で、5月分の今月の水辺に使用したオオルリの画像などは、どうしても思うような色合いにならず、元画像とはかけ離れた画像を掲載した。が、今回覚えた方法で画像処理をやり直しHPに掲載してみると、ずっとイメージに近い画像に仕上がった。

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08月02日(金)

 夏といえば「強烈な青空」のイメージだが、谷間の引っ込んだ場所にある渓流の写真で、青空を表現することは難しい。上を向いて青空を撮ろうとすると水の流れが撮れなくなるし、下を向いて水の流れを撮ろうとすると、青い空はほとんど入らなくなる
 そこで水の中に潜り、今度は水中から真上を見上げ、魚眼レンズ使って青空を撮ろうと以前から考えていていたが、今日はその撮影を決行する日だ。
 僕が考えた、その撮影のための一番理想の場所は菊池渓谷だが、今の時期、人気が高い菊池渓谷にはやたらに人が多くて、一人になって撮影に集中することがむずかしい。そこで、今日は第二候補の緑川渓谷をたずねてみることにしたが、こちらは、僕の予想よりも木々の緑が濃く、水中から真上を見上げても青空が見えないほどの植物の茂り具合だった。渓流の水中からみた真夏の青空は、また次の機会に撮影することにした。
 水中撮影は機材がやたらに多い。下手をすると、車との間を三往復くらいして荷物を目的地に運ばなければならないから、人が多い場所では、「何をやっているのですか?カメラは水につけても大丈夫なのですか?」などたずねられ、どうにも集中できにくい。
 僕は、元々おしゃべり好きな人に話しかけられるのは嫌ではない。温泉や撮影フィールドや取材先のガソリンスタンドや、日頃よく利用するいろいろな場所におしゃべり好きなおじさんがいて話をするが、そんな時間は僕にとって大変に楽しい。だが、団体旅行などでドヤドヤと押しかけてきて、旅の恥は掻き捨てとばかりに話しかけられるのは、どうしても好きになれない。もっと静かに自然を味わいたいな〜と、いつも思う。
 次回の撮影時には、荷物を運んだりサポートしてくれる人をお願いして、菊池渓谷で撮影する予定だ。

今月の水辺を更新しました

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08月01日(木)

 夏の渓谷を撮影するために、熊本にきている
 今日は、菊池渓谷でイワタバコの花を撮影したが、イワタバコは、主に7月から8月にかけての渓谷で、洒落た紫色の花を咲かせる植物だ。今までも何度か撮影をしたことがあり、いずれも素直に、植物の写真としてシャッターを押してきたが、今回は、ちょっと趣を変え、真夏の自然の強烈なエネルギーや力強さを伝えるための素材として、この花を撮影してみた。
 イワタバコ科の植物と言えば、栽培種ではセントポーリアなどがあるが、このグループにはとても花が綺麗なものが多くイワタバコもその例外ではない。「これって日本の野生の花なの?」と思わせるような個性的な花だが、生えている場所は、人の手が入らない渓谷の岩場であり、外来種や栽培種が入り込むような場所ではない。
 そんな、いかにも日本的な環境に、ちょっとエキゾチックな花が咲くのだから、イワタバコの花には何とも言えない存在感があり、その存在感は僕にとって夏のイメージそのものだ。似たような印象を受ける植物にはランの仲間があるが、渓谷でランの花を見かけると、やはりハッとさせられるし、この夏は、時間が取れればランの花も撮影してみたいとと考えている。
 ここのところ、事務所での仕事やスタジオ撮影が多かったが、いずれにしても、時間を気にせずに仕事ができ、その結果、生活がとても不規則になり、しだいに力が出なくなって、やがて時間だけが費やされて仕事の能率が上がらないという悪循環に陥りやすい。
 ここのところも、そんな良くない状態に陥っているが、今日と明日はフィールドの中で暮らし、強制的にお天道様のリズムに合わせた生活をさせる意味も今回の取材には込められている。ここ一週間ばかり、早朝の3時頃に眠る習慣がついていたので、今朝の5時起きはさすがにこたえたが、早朝の渓谷を一時間ばかり早足で歩き、ドバッと汗をかき、そしてイワタバコの花に向かい合っているうちに、体がよく動くようになってきた。
 ただ、車で寝泊りする夏の夜は地獄だ。あまりその期間が長くなると参ってしまうので、真夏は2〜3日くらいの取材が好ましい。

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自然写真家・武田晋一のHP「水の贈り物」 毎日の撮影を紹介する撮影メモ 2002年8

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2001/05/26