2000年12月分

12月31日

メダカの撮影・1日目

 今日は、メダカの産卵の撮影です。

早朝に水槽の電気をつけ、しばらく時間が経つと、オスがメスに求愛をはじめました。

何度も何度も求愛をしているにもかかわらず、なかなか卵を産まないので、待っている

間にちょっと餌をやろうと思いカメラから離れたところで、産卵がはじまってしました。

急いでカメラを構え撮影の態勢に入りましたが、与えたばかりの餌が水槽内に漂って、

写真に写り込んでしまいそうなので、今日はシャッターを押すのをやめ求愛〜産卵の

様子の観察に変更。

オスがメスに求愛をする場所などを注意深く観察して、撮影セットに手直しを加えました。

 小学生の時、授業でメダカのことを勉強した記憶があります。

教室で飼育をして卵を産ませ、繁殖をさせましたが、求愛をしているところや、産卵の

瞬間や、卵から子供がでてくる瞬間を見た記憶がありません。

授業はすべて、「こんな結果になりました。」という、事後報告だったような気がします。

何かをしているまさにその瞬間を見るためには、待っている無駄な時間が必要なので、

事後報告になってしまうのだと思いますが、先生達の怠慢だとも思います。

ただひたすら、教科書通りに手堅く事を運ばせて、安定した空間を与えるのではなく、

自分で工夫をしたり、自分で調べたり研究をして、スリルのある瞬間を演出すれば、

もっとたくさん、先生の果たす役割があるような気がします。

本を調べたり、飼育する道具(ライトやヒーターなど)を工夫することによって、目の前で

産卵のシーンをみることも可能です。

(フィルム2本撮影)

   
   
12月30日 昨日、交尾の撮影をしたザリガニは、しばらくすると産卵するはずです。

卵をお腹にかかえた母親、やがて卵がふ化し、母親の背中や頭の上に乗っかった

子供達の姿、脱皮を重ね大きくなっていく子供の様子などを継続して撮影していきます。

ザリガニが産卵するまでの間に、代わってメダカの撮影を行います。

今回、撮影のモデルになるメダカは、鞍手郡産。

今年の春と秋に、ザリガニの採集のついでに捕まえておいたもので、撮影を予定して

いるシーンは、求愛・産卵の瞬間と卵の発生の様子です。

メダカが産卵する明け方の時間帯(AM3:00〜10:00)に、メダカの水槽の前で待機

する生活をしばらく送ることになりそうです。

(フィルム1本撮影)

   
   
12月29日 前日、調子が悪かったメスのザリガニを諦め、別のメスを使ってザリガニの交尾の

撮影をやり直しです。

今回のメスは甲羅に苔が生えていて、赤い体色があまり鮮やかではなかったため、

撮影には使用しないことにしていたのですが、予定していたメスの調子が悪いのでは、

仕方がありません。

ところが、今朝、撮影をしようと思い、撮影用水槽をのぞいてみてびっくり。

ザリガニの背中の苔が一晩できれいになり、真っ赤な甲羅になっていたのです。

撮影用水槽の中の水草に苔が生えないように、苔の掃除屋さんとして入れている

ヤマトヌマエビがザリガニの背中の苔を食べ尽くし、きれいに掃除をしてくれたようです。

ちなみに、たわしで人が磨くと、ザリガニの甲羅は傷だらけになってしまいます。

今度のメスは体が大きいためか、オスの方がメスを恐れ逃げ回るため、急きょ、オスも、

別の個体に取り替え撮影を続行。

わずか45分で交尾が始まり、無事撮影をすることに成功しました。

昨日から2日がかりでザリガニの交尾を撮影をしましたが、もしも順調にいっていた

ならば45分で終わっていたことになります。

いつものことですが、「これでいける!」と頭の中で考えてから、一悶着、二悶着、

三悶着くらいのトラブルがあります。

(フィルム6本撮影)

   
   
12月28日 今日は、ザリガニのオスとメスを同じ容器に入れ、交尾の様子を撮影しています。

オスは交尾をしようとするのですが、メスの調子が今一歩で、どこか元気がありません。

そのためか、交尾をするところまでは至っていません。

弱っているのかもしれませんが、脱皮が近い可能性もあります。

それならば、脱皮の様子を事細かに撮影しようと待ち構えているのですが、脱皮が

始まる様子もありません。

メスが弱っている可能性もあるので、念のために、飼育室内で常温で飼育している

別のメスを室内に持ち込み、ヒーターを使い徐々に水温を上げ始めました。

場合によってはメスを代え、撮影のやり直しです。

(撮影途中・フィルム3本撮影)

   
   
12月27日 今日は、ザリガニの体のパーツを撮影しています。

ハサミ、ヒゲ、ツメ、目玉 ・・・・・・。

実は、まだ、撮影の最中 です。

水槽での撮影なので、単に写真におさめるだけならば簡単ですが、たかがハサミの一

つでも、表情のある、色気のある写真を撮りたいので、今日は、深夜まで時間をかけ

て撮影をする予定です。

ザリガニの写真は、子供の本に使われることが多いので、子供が見てワクワクする

ような写真を撮りたいと思っています。

子供の時に目を通していた図鑑を見ると、僕は、今でもワクワクします。

そして、図鑑に掲載されている写真の中でも、子供の時に特に好きだった写真は、今

見ても、不思議な感動が込み上げてきます。

昆虫の図鑑であれば海野さんの写真、魚の図鑑であれば桜井淳さんの写真など、今

では、ベテランの域に達している先輩方が、駆け出しの頃に撮影した写真です。

もちろん、現在出回っている最新の本に使用されている写真に比べるとクオリティー

は低いのですが、情熱や、試行錯誤や、迷いといった、単にクオリティーだけでは論じ

ることができない何かが、そこに写っているような気がしてなりません。

(撮影途中・フィルム4本撮影)

   
   
12月26日 僕達が仕事に使用するフィルムは、リバーサルフィルムという種類のもので、一般

の人が使用するフィルムとは種類が異なります。

「写真」というと、ネガやネガを焼き付けたプリントをイメージする人が多いのですが、

リバーサルフィルムは、現像をした段階ですでに色がついていて、ネガに色がついた

状態で仕上がってくると思っていただけると結構です。

写真を使用したいという需要があるときには、その色のついたネガ(ポジという)を

貸し出し、写真の使用料をいただきます。

人気がある写真は使用の申し出が重なったり、何度も何度も貸し出しをすることに

なったりして、紛失や破損の可能性も高まりますので、ポジをさらに写真に撮り、

コピーを作ります。

今日は、先日作成したコピー写真が仕上がってきました。

今回のコピーは、北海道で野鳥写真の仕事をしている大橋弘一さんのもとに預ける

ためのもので、コクマルガラスとアマミヤマシギの写真です。

いずれも、北海道では見られない種類のもので、コクマルガラスは九州を中心にする

西日本で、アマミヤマシギは奄美大島や沖縄に生息する鳥です。

   
   
12月25日 休日。でも、工作。

メダカの卵のような、ゼリー状の被写体は、光に透かすような状態で撮影しなければ、

質感が表現できません。

ちょうど、顕微鏡で観察をする時に、観察している物体の後ろから光をあて、物体を

光に透かした状態で観察をするのと同じことです。

今日は、休日の予定だったのですが、メダカの卵を光に透かした状態で撮影するため

の小道具(メダカの卵をのせる撮影台)の工作をしました。

工作そのものは、ほんの短い時間で終わりますが、どのようなやり方で目的を達成

するのかといったアイディアを出すのには、本当に時間がかかりますし、中には、

数年前から「どうしようかな?」と考えていることもあります。

僕は、年に数日、行き詰まったと感じた時に休みを取るのですが、それでも、なかなか

完全な休みというのはなくて、なんらかの作業をすることになります。

「今日は休みだ!」と思う気楽さが、意外にアイディアを生み出すことが多いからかもし

れません。

同様の理由で、北九州の写真事務所で仕事をする日でも、夜は、直方の自宅まで

帰宅しています。

事務所にいると、無限に仕事が生まれてしまうからです。

   
   
12月24日 光合成。

数年前、初めて渓流に潜った時、渓流の岩場に、たくさんの気泡がついているのを見て

「なんだろう?」と不思議に思ったことがあります。

キラキラして、とてもきれいな気泡だったので、とりあえず、写真を撮ってみました。

撮っているうちに、気泡は、岩についた苔が、光合成によって放出している酸素である

ことに気が付きました。

植物が、光合成によって酸素を作りだすことを知っている人は、たくさんいると思います。

また、酸素を作り出す植物の役割の重要性を説く人もたくさんいますが、実際に

酸素を作り出している様子を見たことがある人は、ほとんどいないのではないかと

思います。

酸素は、目に見えないからです。

しかし、もしも水草を育ててみると、植物が酸素を放出する様子 を目にすることができ

ます。

   
   
12月23日 強風。

今日は、ザリガニの水槽撮影。

外は、強風です。

一般的に、何が一番、撮影の妨げになるかと言えば風です。

特別な意図がない限り、強風の日は、屋外での撮影、特に風に揺れやすい植物の

や小さな生き物の撮影は諦めています。

雨は?

雨は、面白い撮影条件です。

雨の日の水辺には、カニやカエルなど、水辺の小動物が、たくさん姿をあらわします。

雨の日は、とてもワクワクします。

今日は、室内での撮影なので、風は全く関係ありませんが、風の音を聞くだけで、

気分が沈んできます。

風=悪条件という条件反射が、いつの間にか僕の中にできあがってしまったようです。

(フィルム1本撮影)

   
   
12月22日 スタッドレスタイヤ。

今年の冬は、室内での水槽撮影を中心に仕事をする予定ですが、大雪が降りそうな時、

強い寒波が来そうな時は、冬の渓流を撮影したいと思っています。

そのために、車に冬用のスタッドレスタイヤを取り付けました。

僕が渓流に足を踏み入れるきっかけになったのは、渓流でのヤマメ釣りです。

ヤマメ釣りには、漁期があり、晩秋〜冬にかけては釣りをすることはできません。

昨年・一昨年は、冬の間中、渓流を歩き、初めて、冬の沢を体験しました。

今年は、的を絞り、一番冬らしい沢の写真を撮りたいと思います。

   
   
12月21日 本棚の中から、学生時代に山口で購入した一冊の本がでてきました。

山陰・山陽の絶滅に瀕した動物を特集した本です。

新聞社のカメラマンが撮影した写真と、取材した記事で構成された本で、今、僕が取り

組んでいる水辺の生き物では、オオサンショウウオやオヤニラミやゴギといったところ

が紹介されています。

また、ツキノワグマに関しては、かなり突っ込んだ取材の結果と写真が紹介されていて、

熊が冬眠をしなくなり、雪の中で、その姿を見かけるようになったという記事を、

おもしろく読み直しました。

僕は、本を読むのが不得意で、マンガの本でも、同じ本を10回くらい読まないと、

頭の中に入ってきた感じがしません。

その代わりに、その分、何度も読むことができ、そんなに同じ本を読んで面白い?と

言われることがあります。

今回、思いがけず出てきたこの本は、数年ぶりに目を通したことになりますが、

数年前に読んだときよりも、今回改めて読んだ時の方に、新鮮な面白さがありました。

   
   
12月20日 16日のテスト撮影のフィルムが仕上がってきました。

結果は良好。

思ったよりも、少しいいかな?

本番の撮影に、安心して取り掛かれそうです。

テスト撮影の結果がいいと、ある部分、本番の撮影結果がいい時よりもホッとします。

僕の場合、撮影の時に一番苦労するのは、集中力と気力を維持すること。

テスト撮影は、あくまでもテストですから、本番の撮影よりも集中できにくく、エンジンが

jかかりにくいため、数倍のエネルギーがいるからです。

明日から、ザリガニとメダカの撮影を並行して進めてきます。

メダカの方は、オスとメスの違い(ヒレの形が違います)が、はっきりとわかる写真。

ザリガニは、体のパーツを撮影してみたいと思います。

ヒゲやハサミ、目玉、足のつめなど、よく見ると、とても面白い形をしていますよ。

さらに、明後日は、ザリガニのオスとメスとを一つの水槽に入れ、交尾の様子を撮影

の予定。

   
   
12月19日 昨日は、寝る時間が遅かったため、今日は、とても眠たい一日になりました。

夕食を終え、少し横になり、ふと目を覚ますと夢を見ていました。

海外取材に行ったときの夢です。

やはり、撮影は、自然の中でするのが一番楽しい。

来年、暖かくなり、渓流や水辺で生き物たちに出会うのが楽しみです。

そのためにも、生き物たちが冬眠してしまう今の季節に、室内での小動物の撮影で、

丁寧な、いい仕事をすることが大切だと改めて感じました。

   
   
12月18日 撮影用水槽のテスト撮影も終わり、あとは、撮影をするだけです。

撮影用のメダカは、室内の水温や照明を調節した水槽の中で、オス、メスを別々に

して、約10匹を準備していますが、今日は、その中に、さらに10匹の別のメダカを

を追加することにしました。

新しく追加するメダカは、屋外のスイレン鉢の中で飼育していたもので、大きなものから

10匹を選び、室内に移動。

ヒーターを使って、徐々に水温を上げ、25℃に設定しました。

10匹のメダカを調べてみると、オスが2匹、メスが8匹。

メダカは、圧倒的にメスの比率が高い生き物です。

産卵する体勢が整ったメダカから順に、撮影用水槽に移し、産卵を撮影します。

   
   
12月17日 手直し。

きょうは、昨日の、メダカのテスト撮影の際に感じた不具合や不安な要素を徹底的に

改善し、改善の記録をノートに残しました。

僕は、室内で、自然を再現して撮る撮影が、あまり得意ではありませんが、この機会

に、徹底して研究して得意ジャンルにしてやろうと思っています。

自然の中での撮影の難しいところは、光や天候や風などの条件がめまぐるしく変わって

いくところで、カメラマンには、チャンスを逃さない鋭敏さが求められます。

一方で、室内で、自然を再現しておこなう撮影は、天候や風などの影響を受けず、

いつも、均一な仕上がりを期待することができます。

実は、ここに落とし穴があります。

いつも均一な写真が撮れるということは、室内での撮影は、もしも、最初の準備に

手抜かりがあれば、何百枚撮影しても、すべて失敗作になってしまいます。

気合よりも、本当に確実な撮影技術が求められるジャンルです。

   
   
12月16日 メダカを撮影用水槽へ。

今日は、メダカを撮影用の水槽に移しました。

今日、水槽に移したのはメス3匹。

そして、メダカの産卵に適した条件を整えます。

水温を25℃前後、照明が一日のうち14時間点灯するようにセットしました。

メスのお腹が卵で膨らんできたら、オスを入れ、産卵の様子を撮影します。

メスを入れた水槽の様子を観察。

また、本番の撮影に備えて、テスト撮影をしました。

撮影には、仕上がりの具体的なイメージがあらかじめ決まっていて、そのイメージ通りに

撮影する場合と、何が起こるかがわからない状況の中で、何かを感じ取り、その一瞬

を切り取る場合とがあります。

どちらにもそれなりの面白さ、魅力がありますが、水槽での撮影は前者。

この場合、安易にシャッターを押さず、決して妥協せずに、十分な準備をしてから撮影

をすることが大切です。

(フィルム2本撮影)

   
   
12月15日 パソコン通信。

昨年から、取材の際に、ノートパソコンを持ち歩くようになりました。

きっかけになったのは、E-mail の送受信。

それから撮影記録をディスク上に残しておくためです。

それまでは、メモ帳に撮影時の記録を残し、帰宅後にパソコンを使用してディスクに

記録していたものを、撮影したその日の夜の記憶が鮮明な間に、取材先で、ディスク

に記録するためです。

そのノートパソコンと携帯電話を使用して、先週は、この撮影メモの中に、桜の木・牛・

渓谷・イチョウなどの画像を掲載。

ところが、画像をインターネット上に送るのには、意外に時間がかかります。

E-mail に画像が添付されて送られてくる時には、それほどじれったさを感じないのです

が、なぜかホームページ上に画像をUPする時には、自分のホームページだから

でしょうか?同じ時間がとてもじれったい。

携帯電話ではなくPHSを使うと、画像の転送速度が速いので、パソコンに強い友人の

エコロジスト栗原(このホームページにもリンク)に問い合わせて見たところ、

山沿いは、ほとんどPHSの圏外というアドバイス。

代わりにパケット通信を勧められ、さっそくパソコンショップに調べにいきました。

ついでに、ショップの隅から隅まで見て歩き、他にも使えそうなものがないか物色。

写真は、表現したいもの(人の思い)があり、それを伝えるために技術があるわけです

が、これだけデジタルの技術革新が急激に起こると、先に技術があり、その技術を

使って自分が何をできるのか、何をしたいのかを考えることも必要になってくるのでは

ないか?最近、感じています。

   
   
12月14日 今朝の新聞の記事の中に、福岡県内の山中で、白骨化した人の遺体が見つかった

という記事を見つけました。

遺体は、かなり古いものらしく、遺骨は散乱していて、山に入った人が偶然に見つけた

という内容です。

僕も、撮影で、ほとんど人がこないところに入ることがよくあります。

時々、ここで事故がおき死んでしまったら、いつ見つけてもらえるのかな?というような

ことを考えます。

   
   
12月13日 ヤマトヌマエビ。

撮影用の水槽には、自然の池や川の環境を再現するために水草を植え、水草を育

てえるのに適した条件を整えます。

ところが、水草が育ちやすい環境は、同じ植物の仲間である苔が発生しやすい環境で

もあり、放っておくと、水槽内は、あっという間に苔だらけ。

そこで登場するのが、水槽の名脇役・ ヤマトヌマエビ です。

このエビは、水槽内に発生する細い糸状の苔を好んで食べるため、水槽内に植え込んだ

水草が見苦しい苔で覆われてしまうことを防ぎます。

ほんの少しだけ水草の新芽も食べてしまうのですが、ごくわずかで、水草には、ほとんど

悪影響を与えず、しかも、生きている魚を食べてしまうようなこともありません。

   
   
12月12日 事務所に帰ってきました。

今日は、メダカの撮影用の水槽に植えられた水草をトリミングしました。

水草を茎の途中でカットすると、その切り口から数本の新しい茎が生えてくるため、

一本の水草の茎がほうき状に分岐した状態になり、水草にボリュームを出すことがで

きます。ちょうど、庭木の剪定と同じです。

また、撮影用に飼育している小動物たちの様子を確認。

水槽内に飼育しているメダカの匹数を数えてみましたが減っている様子はなく、特に、

異常はありません。

これまで熱帯魚の飼育に熱を入れていたことはあるのですがメダカを、専用の水槽を

作り、真剣に飼育するのは実は初めて。

飼ってみて驚いたことは、とても飼い易く、生態も面白いということ。

とてもよく人になれ、簡単に繁殖までを見ることができます。

メダカは小学生の理科の教材として定番ですが、子供にとって面白いものは、ある

意味で、本当に面白いものなのですね。

よく考えると、生き物のカメラマンの中でも、すぐれたカメラマンほど、身近な自然を

馬鹿にせずに、身近なものにたくさん目を向けているような気がします。

   
   
12月11日 イチョウの撮影。

昨日の午後に、菊池市の近くで見つけたイチョウの木の撮影を試みました。

しかし、天気が変わりやすいのに加え、あいにくの強風。

風が止んだかと思えば太陽が陰り、太陽が顔を出したかと思えば風が吹き、一向に

シャッターが押せません。

そうしている間にも、強風で次々と黄葉が 落ちていきます。

一応、撮影を終え、また別の木の撮影をしようと、やはり前日に見つけておいた場所

にいってみてびっくり。

前日は、ふさふさとしていた黄色い葉っぱが、一枚残らず落ちていました。

時には、一日で落葉してしまうのですね。

   
   
12月10日 菊池渓谷

先月、紅葉の渓谷を撮影しようと訪れた時には、休日と重なったこともあり、とにかく

人・人・人・・・・という感じ。

あまりの人出の多さに、渓谷の入り口で撮影をあきらめて、平日に改めて出直したほど

ですが、大部分の葉っぱが落ちてしまった今日は、ほとんど人の姿がありませんでした。

昨日、予定していたイチョウの木の撮影に黄色信号が灯ったこともあり、午後は、

菊池市の周辺で、別のイチョウの木を探して車をはしらせました。

   
   
12月9日 朝一番で、定点観察中の 一心行の大桜 を撮影。

ちょうど、一ヶ月前に、紅葉を撮影したばかりなのですが、今月は、すっかり葉を落

としていました。

この木から、歩いて2〜3分ほどのところに、やはり定点観察をしている、大きなイチョウ

があり撮影を試みました。

ところが、僕が撮影ポジションにしていた場所が牛の放牧場に。

柵の中に入って撮影中に何気に後ろを振り向くと、怒った牛 が、僕に向かって突進中。

慌てて逃げ出したのですが、三脚を中に置いたまま逃げだしてしまいました。

牛は、なかなか三脚の近くから立ち去ってくれず、結局、昼まで三脚を回収することが

できず、イチョウの撮影もできませんでした。

定点観察は、意外に難しくて、撮影ポジションが工事のため、なくなってしまうことも

少なくありませんが、牛に襲われたのは初めてです。

何か作戦を立てなければ。

   
   
12月8日 移動日。

今日は、阿蘇へ移動。

明日が晴れ、明後日が雨の予報に合わせた移動です。

明日は、阿蘇で、今年の夏から定点観察している桜の木を撮影。

ちょうどひと月前、紅葉をしていた「一心行の大桜」が、葉を落としているはずです。

明後日は、落ち葉に覆われた渓流を撮影する予定。

こちらは、雨のしずくに濡れた落ち葉に期待。

明々後日の予定は、また、その時に考えよう!

出発の前に、 飼育室のザリガニ の様子を一通り観察しました。

   
   
12月7日

撮影用水槽のその後。

11月30日にセットした メダカ撮影用の水槽 は、水草が伸び始め、自然な感じに

仕上がってきました。

この中でメダカのつがいを飼育し、産卵の瞬間を撮影します。

水草は、一度根付くと、驚くほどの速さで伸び、切っても切っても伸び続けますが、根付く

まではデリケートなところがあり、管理に気を使います。

この水槽は、とても調子がよく、もう大丈夫です。

   
   
12月6日 フィルムの整理。

昨日、選別したフィルムを一枚一枚切り出し、それぞれに、被写体の名称、撮影場所、

撮影日、僕の名前を記入しました。

データを記入したフィルムは、分類し、ファイルに収めます。

また、すでに注文を受けているフィルムに関しては、明日、発送をします。

今回は、この夏に撮影依頼を受けていた、アマガエルのジャンプ、アマガエルの泳ぎ、

アマガエルと雨・・・・、アマガエル関係の写真、植物の発芽の写真、木の写真などを

発送します。

   
   
12月5日 フィルムの整理。

先々週撮影のフィルムを整理しました。

今日の作業は、フィルムの選別で、たくさん撮影したフィルムの中から、使用するも

のと、処分するものを分ける作業です。

使用するフィルムには印をつけ、後で、撮影場所、撮影日など、データを記入します。

どんなにいい写真を撮っても、フィルムの選別作業で見落とすと、撮影した意味が全く

ありません。

数時間に渡って、フィルムを一枚一枚、ルーペで確認する作業が続きます。

今回は、似た写真をたくさん撮影したので、その中から、ベストの写真を選びだす

のに、かなりの時間がかかりました。

僕は、目が乾燥しやすくて疲れやすいので、この作業があまり得意ではありません。

   
   
12月4日 機材購入のため、朝から博多へ。

ストロボ(光源)を一つ購入しました。

ついでに、書店に立ち寄りました。

時々、博多に出向いた時に、一通りの写真関係の出版物に目を通します。

帰宅後、撮影用の水槽をテスト撮影しました。

   
   
12月3日 水槽撮影の準備。

今日は、実際に撮影用の照明を置いてみました。

明日からテスト撮影を始める予定です。

そろそろ撮影に備えて、水槽内の水草を自然な感じに育てなければなりません。

植物は、光合成によって成長をするので、水草の成長は、主に、照明の明かりの強さと

水に溶けている二酸化炭素の量によって決まります。

照明は、20ワットの蛍光灯を水槽の上に2本設置。

また、二酸化炭素は、水草育成用に市販されている二酸化炭素のボンベを使用して、

水槽内の水に少しずつ溶かします。

ちょうど、魚を飼育する際のエアーポンプの泡の代わりに、二酸化炭素の泡が

でている感じになります。

   
   
12月2日 撮影用水槽の設置、3日目。

水槽内といえども、メダカの産卵の瞬間を撮影するとなると、ある程度の日数がかかる

ことを覚悟しなければなりません。

その間、カメラや照明を、いつでも撮影可能な状態でスタンバイさせておかなければ

ならないので、今日の作業の中心は、撮影用水槽の周りをかたずけ、撮影機材を

設置するスペースを作ることです。

水槽周辺から不要なものを取り除き別の場所に移し、その別の場所から、また不要

なものを取り除き、処分するというドミノ式の整理。

結局、大掃除になってしまいました。

水槽の設置にかなりの時間がかかっていますが、これには理由があります。

これまで、水槽での撮影を、その場しのぎの方法で済ませてきたため、水槽を準備、

照明を設置、カメラをセットといった手順を、撮影のたびに繰り返していて、結局、

2度手間、3度手間と無駄な時間を使っていると感じたからです。

今回は、その場しのぎではなく、十分に考えて、水槽撮影が必要な時に、いつでも、

すばやく撮影できるように、本格的な水槽撮影の準備をしています。

   
   
12月1日 今日も、昨日の続き。

水槽での、ザリガニとメダカの撮影の準備です。

2日間の作業で水槽を3つ設置しました。

1つ目は、ザリガニの撮影用。

2つ目は、メダカの産卵の瞬間の撮影用。

3つ目は、撮影に使うメダカを、当面、飼育しておく水槽です。この水槽の中でメダカ

たちの様子を見て、コンディションがいいオス、メスを選び、撮影用の水槽の中で撮影

します。

メダカの水槽は、水温を25℃に設定して温度管理をします。

ザリガニは、温度の変化にそれほど敏感ではないし、メダカより扱いが楽なので、

飼育室に、小さな水槽を20個ほど用意して、その中に一匹ずつ入れて、常温で

飼育しています。

   
2000/12〜