2001年1月分

1月31日 メダカの撮影の次は、ヒメダカの撮影を予定しています。

ヒメダカは、黄色い突然変異のメダカです。

僕が子供の頃は、観賞用としてお店に売られていたのですが、現在は、肉食の熱帯魚

の餌として販売されています。

以前は、自然や科学関係の本に登場するメダカは野生の黒っぽいメダカでしたが、

野生のメダカが激減して自然の水辺に見られなくなった現在は、ヒメダカの写真が使用

されることも多く、写真を撮影しておかなければなりません。

子供が本を見て飼育や観察をしてみようと思っても、魚が手に入らなければ話になら

ないからです。

小学校の先生をしている知人の話でも、野生のメダカが採集できないため授業では

ヒメダカを使用しているとのことでした。

撮影の内容は、産卵を中心とするオス・メスの行動なので、これまで撮影したメダカの

撮影と全く同じです。

すでに先月ヒメダカを購入して飼育を続けてきたのですが、やっと繁殖可能な状態に

成長したようで、今朝、初めて産卵をしました。

ちょうどいいタイミングです。

   
   
1月30日 今日は、メダカの産卵〜メダカの卵の成長〜卵を抱いたザリガニの撮影と慌しい一日

になりました。

ここ2ヶ月の撮影内容が撮影というよりも実験に近いためか、生物学の学生時代のこと

を、最近よく思い出します。

僕がお世話になった体内時計の研究室には、教授の千葉先生と助手の富岡先生が

おられ、当時助手だった富岡先生がちょうど今の僕と同じくらいの年齢でした。

今の僕は、「当時の富岡先生に絶対に負けないように。」という思いで撮影にのぞんで

います。

本当に苦しい時に支えてくれるのは、温かい言葉でも、食べ物でも、お金でもなく、

手を動かして見本を見せてくれる人の姿ではないかと、僕は思います。

人は、ひたすらに怠けて生きていくことはできませんが、どこまででも頑張れるわけでは

ないので目標やお手本が必要なのかもしれませんね。

(フィルム6本撮影)

   
   
1月29日 有明海の海苔が記録的な不作で、長崎県諫早の潮受け堤防が原因では?といわれて

います。

自然の中には長崎県の諫早湾などのように、生き物が特にたくさん集中している場所

がありますが、そういった場所には、きっと他の場所にはない特別な何かがあるので

しょうね。

それは、潮の流れかもしれないし、風の流れかもしれないし、川の水の流れかもしれな

いし、人には理解できない何かがあるのかもしれません。

いずれにしても、他の場所では実現しにくい何かがあることは間違いありません。

僕は、いずれ有明海の生き物は徹底して取材をしたいと思っていて、有明海の自然が

失われることに関しては、単に失われてほしくないという思いだけでなく、たいへんな

焦りを感じます。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月28日 今日は、卵を抱いたザリガニの撮影です。

水中の生き物を撮影する場合には、実際に水に潜って水中カメラで撮影する方法と、

水槽を使い、自然を再現してその中で撮影する方法とがありますが、今回のザリガニ

の撮影は水槽を使用しています。

自分が水に潜って撮影する場合は、生き物をあまりアップに撮りすぎないようにして、

生き物だけでなく背景の水景のイメージを大切にするように心がけています。

また、水槽内で撮影する場合は、水に潜って撮影する場合に比べると、空気の心配をする

必要がなく、たっぷり時間をかけられることが有利な部分なので、生き物の行動や生態

を、じっくり時間をかけ、細やかに、わかりやすく撮影するように心がけています。

単にザリガニが卵を抱きかかえているだけの写真でも、ザリガニの姿勢や撮影の角度

により、写真の説明力が全く違ったものになり、気を配るべきことがたくさんあります。

(フィルム4本撮影)

   
   
1月27日 12月の末に交尾の撮影をしたアメリカザリガニが産卵をしました。

メス親は尾っぽをくるりと丸め、中に卵をたくさん抱えています。

今日は、そのザリガニを撮影するための撮影セットを準備しています。

あと2週間くらい経つと子えびが孵化し、孵化した子えびが母親の頭や背中の上でくつ

ろぐ姿が見られるはずです。

一般の方が、日頃目にする生き物のほほえましい写真の中には、無理やりに作られた

シーンを撮影したものも少なくありません。

僕は、ザリガニの頭の上で子エビがくつろいでいる写真を初めてみた時に、その写真は

無理やりに子供を親に止まらせて撮影したものだとばかり思っていました。

ところが、ある時、何気なく水中のザリガニに目をやったところ、そのザリガニの頭や

背中の上にたくさんの子えびが乗っかっている様子を目にし、そのシーンが、自然の

状態でも見られるシーンであることを知り、とても驚きました。

自然を極端に美化したり、可愛さや微笑ましさばかりを強調することを僕は、好きでは

ありませんが、それでも、理屈抜きに可愛くて微笑ましいシーンがあります。



昨日、大学時代の恩師の絵の個展で、写実的な絵、抽象的な絵、創作的な絵まで、

さまざまな作品を見せてもらいました。

「こんな創作的な絵も描くけど、ごく普通に目にする自然や日常の風景の中に、理屈抜き

にきれいなものがあるから、いろいろな絵を描くんだよ。」と話をしてもらいました。

頑なにならずに素直に感動を表現し、いろいろな撮影にチャレンジすることの大切さを、

先生の言葉から再確認することができ、自信を与えてもらいました。

   
   
1月26日 今日は、早朝に撮影を済ませ、大学時代の恩師である千葉先生の絵の個展を見に山口

に出かけました。

先生と会うのは、7・8年ぶりくらいになります。

千葉先生は、生き物の体内時計の研究の第一人者ですが、絵画や音楽を愛し、僕が

まだ学生だった時にも、「絵を書かない日はない。」という話を聞いたことがあります。

本当にすぐれた業績を残す人には、風流を愛し、どこかおしゃれな人が多いような気が

します。

それだけの余裕が心になければ、本当にいい仕事をすることは難しいのかもしれません。

千葉先生と会った後は山口大学に立ち寄り、学生時代に お世話になった先生方

会い、その後、北九州へ帰宅しました。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月25日 今日は、午前中に撮影を、午後からは撮影に使用している水槽の手入れをしました。

撮影は、単にメダカの産卵シーンを写す段階を過ぎ、一番わかりやすい角度から、本当

にいい写真を撮る段階に達しています。

メダカをいい角度に誘導するのに時間がかかり、まだ暗いうちから始めた撮影は、

正午前後にやっと終わりました。

撮影に使用する水槽には、カボンバと、アナカリスという2種類の水草を植え込んでいま

すが、共に簡単に手に入り、育てやすい水草です。

カボンバは、金魚藻とも呼ばれる定番の水草。

アナカリスは、オオカナダモ(大カナダ藻)とも呼ばれる北米原産の水草ですが、日本の

水辺に完全に帰化していて、もしかしたら国内で一番多い水草かもしれません。

オオカナダモという名前を聞いて、どこかで聞いた名前だと感じる人がいるかもしれま

せんが、その人はとても勉強家で、きっとまじめな高校生だったに違いありません。

オオカナダモは、高校の教科書で代表的な細胞の観察材料として名前が出てきます。

高校時代のことなので記憶が定かではありませんが、細胞の原形質流動という現象を

観察するのに、もっとも適した材料として紹介されていたように思います。

今なら、とても馴染みがある名前なのですが、高校当時は、どんな植物なのかもよく知

らずに名前を暗記した記憶があります。

(フィルム1本撮影)

   
   
1月24日 このHPの中で、カタツムリに関する情報を募集していたのですが、大学時代の仲間から、

卒業生の中に博物館の学芸員としてカタツムリの研究をしている人がいると教えて

もらいました。

今の僕のような生き物漬けの生活は、大部分の人にとっては奇人・変人の生活に感じら

れるようで、僕の生活に関して、好奇心に満ちた質問が時々寄せられます。

生物学の学生時代は、それが当り前なので、特に意識をしたことはなかったのですが、

最近になって、自分が人から見た時に特殊な世界の中にいることに気が付きました。

(フィルム3本撮影)

   
   
1月23日 今日はメダカがなかなか産卵してくれず、2つがいの産卵行動を撮影するのに数時間も

かかってしまい、まだ暗いうちから始めた撮影が終わったのは正午近くでした。

そのかわりに、今日の2つがいの産卵の瞬間は、いい角度から撮れたような手ごたえ

がありました。

撮影をしながら少しずつ卵がでてきている様子を確認することができました。

昨日、すでに撮影済みのフィルムを一旦現像し、これまでの撮影結果を確認したため、

頭の中の整理ができたことがいい結果につながったのだと思います。

頭が整理できたからといって、メダカがいい角度を向いてくれる道理はないのですが、

不思議と気持ちの整理がついて自信があるときは、生き物も思う通りに動いてくれます。

また、どんなに本で読んで知っている現象でも、自分の目で見たことがないもの、

自分の中に自信がないときには、生き物は思うように動いてくれません。

きっと、どこかで生き物が出しているサインを見落としているのでしょうね。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月22日

フィルムの現像。

今日も、早朝からメダカの産卵の撮影。

つがいを次々と代えながら11時頃まで撮影をしました。

その後、メダカの産卵や卵の発生を撮影したフィルムを現像するために博多へ。

現像の結果は、まずまずでしたが、決定的に「これがいいな。」と思える写真がありま

せんでした。

18日のメモの中で書いた機材(ストロボ)のトラブルの影響は思ったよりも小さく安心

しました。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月21日 みなさんは、写真をどのようにして鑑賞しますか?

大部分の人は、ネガを拡大して用紙にプリントしたものを鑑賞していると思います。

たとえ身長2Mの大男でも、ネガの中には小さく縮小されて写ります。

もしも、2M(200cm)の人が、ネガの中に長さ2cmのサイズで写っていたら、200cm

のものが2cmになったわけですから、その人を2/200、つまり1/100に縮小して写

したことになります。

1cmの大きさのものがネガ上で1cmの大きさで写っていたら、そのような撮影を

等倍撮影といいます。

また、1cmのものをネガ上に2cmの大きさに拡大して写すような撮影を2倍撮影と

いいますが、今回のメダカの卵の撮影は5倍撮影になり、1.2mmくらいの卵が、

ネガの上で6mmくらいの大きさで写ります(卵は水の中にあるので拡大され、実際は

もう少し大きめのサイズで写ります)。

事務所のすぐそばにはJRの線路がありますが、卵の撮影中に列車が通ると、ほとん

ど大地震の世界です。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月20日 先週から撮影してきたメダカの卵の中に稚魚の形が確認できるようになりました。

また、今回メダカを採集した場所から、僕の採集が原因でメダカがいなくなってしまわ

ないように、この春放流するために育てていた卵の中には、すでに孵化したものいます。

一方で、毎日継続して撮影してきた卵の中には、死んでしまいカビが生えてきたものも

あり、その分を補うために今日は新しく卵を採卵し、採卵直後、1時間後、2時間後、

5時間後と撮影しました。

メダカの卵は20個くらいの塊で産み落とされます。

産み落とされた卵は3〜4時間くらい、メスのおしりのところにぶら下がっていて、それ

ぞれの卵は、ひものようなもので絡み合っています。

その卵の塊をピンセットでメスの体から取り、塊の中の一つの卵に注目しながら撮影

するのですが、塊の中のどれか一つの卵が死ぬと、そこからカビが発生し、次々と

隣の卵に広がり、ついには撮影してきた卵までがカビにおかされてしまいます。

かと言って、無理して撮影用に一つの卵だけを取ろうとすると、卵を痛めたり、

メダカにまで成長しても卵が汚くなってしまい、撮影のモデルとしては適さなくなってし

まいます。

卵を採卵することも、その中からメダカを育てることも決して難しくありませんが、

撮影をするとなると、たくさんの障害があります。

単に卵を育てるのでなく、最もきれいで、典型的な卵を育てなければならないからです。

今日は、卵を採卵しようとメスをネットに入れると、ちょどいい具合に一つだけ卵が

はずれました。

(フィルム3本撮影)

   
   
1月19日 2週間前、コンタクトレンズの紛失と同時におかしくなっていた目の具合が回復しました。

コンタクトレンズを紛失し、以前使用していた物と同一のレンズを取り寄せ目に入れて

みたものの全く視力が出ず、検査を受けてみたら、眼球のカーブが何らかの具合で

異常になっているという診断結果でした。

本来の僕の目のカーブは7.5という数値。

2週間前に最初に検査を受けた時には、7.68という数値。

同日中に、再度、確認のため検査をしてみたら7.64という数値。

翌日、検査を受けてみると7.57という数値でした。

何らかの具合で目のカーブに急激な変化が生じ、7.68・7.64・7.57と少しずつ、

本来の値である7.5に近づいているのでは?という見立てでした。

さらに先週の検査では、7.5を通り過ぎ7.43という数値。

今週は、再度7.5に近づき7.49。

ほぼ元通りのカーブを取り戻したようです。

眼球のカーブが安定したので、再度視力検査をして、紛失したコンタクトレンズの代わ

りの新しいレンズを作ることができました。

2週間ぶりにすっきりと物が見えます。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月18日 今日は、メダカの産卵の写真が仕上がりました。

といっても、一本だけ。

テスト現像をしたもので、この一本の現像結果を見て、残りのフィルムをどのように現像

するかを決定します。

現像時に、若干の調整ができるからです。

ところが、機材にトラブルがあることが判明。

ストロボの光が異常に強く発光しているカットが数枚含まれています。

残りの未現像のフィルムの中にも同様の異常が生じている可能性があります。

異常は全体の20%程度ですが、ショックです。

また、カメラの異常なのか、レンズの絞りの異常なのか、ストロボの異常なのか、

判断をしなければなりません。

疑心暗鬼にさせられます。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月17日 メダカは、明け方の暗いうち〜早朝にかけて産卵をするため、その時間帯に合わせて

撮影をしている現在の睡眠時間は、極端に短くなっています。

さすがに疲れが溜まってきた感じがするので、今日は15:00頃に撮影を切り上げ、

久々の休息を取りました。

休息の時間は、何も仕事をしていない時間ですが、不可欠な時間です。

撮影は、結果の世界で、どれだけ時間を費やしても写真が撮れなければ話にならず、

そのために、心と体のコンディションを整えることも自分の責任だからです。

時には、ゴロゴロしたり昼寝をすることが、カメラを手にすること以上に大切な時も

あります。

また、どのようにしたら目的とするシーンを撮れるのか、その方法を編み出さなければ

ならないこともあります。

アイディア生まれてくるまでに必要な時間の長さは、自分自身でも全く想像もできず、

そのために、かなりの余分な時間をみておくことが必要になります。

中には、6〜7年前から考えつづけていることもあります。

(フィルム3本撮影)

   
   
1月16日

メダカの相性

今、僕が飼育しているメダカの中に、すごい馬力のオスがいて、産卵を間近に控えた

メスを、1匹ずつ同じ水槽に入れていくと、ほんのわずかな時間で、そのメスたちを

次々と産卵させてしまいます。

一方で、とてもデリケートなメスのメダカがいて、今日、産卵の撮影のモデルになった

メスのメダカは、いつもつがいにしているオスを、別のメダカに変えると、なかなか

産卵しません。

魚は、僕が撮影したことがある生き物の中でも比較的個体差が大きい生き物で、

1匹1匹の個性を強く感じる生き物です。

(フィルム1本撮影)

   
   
1月15日

一日違い

今日は、事務所の周辺も朝から積雪しています。

雪の日の見当が、一日違いになってしまいました。

残念。

後学のために、白水村役場に電話をして、積雪の状況を問い合わせてみたところ、

案外、雪は積もっていないようで、多いところで2〜3センチという話です。

葉を落とした木に雪が積もるとなると、かなりの積雪が必要ですから、

「今日でなければ !!!!! 」 という感じではなさそうです。

どちらにしても、高速道路が通れないこともあり、今日は、メダカの撮影に集中するしか

なさそうです。

ただ、なぜ、今年一番の寒波の日に、撮影することができなかったかを考えることは

大切なことです。

元をたどれば、不得意な水槽での撮影が先延ばしになり、今、この季節にメダカの撮影

をしなければならないことに原因があります。

(フィルム5本撮影)

   
   
1月14日

一心行の大桜

今日は、大桜のある熊本県の 白水村からの配信 です。

今朝の気温は−4℃、寝泊りした車内の温度は、−1℃でした。

現在は午前9時。

今朝の撮影を終えたばかりです。

残念ながら、白水村はうっすらと薄化粧という感じで積雪にはいたりませんでした。

それでも、地面にほんの少しだけ雪が降っているので、大桜を撮影しました。

(フィルム1本撮影)



その後、先週から日を追って撮影中の、メダカの卵を撮影するため帰宅。

明日の雪の可能性にかけて、あと1日時間がほしいのですが仕方ありません。

その帰り道で、隣に並走する トラックの荷台に豚 が積まれていることに気がつきました。

温度計を見ると−1℃、小雪が降っています。

屠殺されてしまう運命にある豚の保温を考えることなど不必要なことかもしれませんが、

人間って罪な存在ですね。

   
   
1月13日

メダカの撮影・14日目

昨日の天気予報では今日はかなり冷え込み、明日は平地でも積雪?という予報です。

もしも雪が積もるのなら、明日は、阿蘇の一心行の大桜を撮影します。

この木は、今年の夏から、季節の節目ごとに 定点撮影してきた木 で、すでに夏の

濃い緑、秋の紅葉、冬の落葉と撮影しているので、あとは、雪の桜と花の桜、葉桜、

新緑の頃と撮れば完結です。

九州では、雪が滅多に降らないためか、降雪がある時でも、普通のタイヤで車を走ら

せる人が多く、坂道や滑りやすいところで交通が麻痺してしまい、距離にして30キロ

程度、移動するのでも数時間かかってしまいます。

雪が降ってから移動するのでは、遅すぎるため、今日の夕刻の天気予報を見て、雪が

降りそうなら、今晩は、阿蘇に向って出発しなければなりません。

(フィルム3本撮影)

   
   
1月12日

メダカの撮影・13日目

メダカは、オスとメスとが左右に並び、寄り添った状態で産卵をします。

オスは頭を下げた状態で、メスは頭を上げた状態で産卵をするので、横から見ると、

オスとメスとで、アルファベットのXのような形になります。

もしも、僕から見て、オスが手前になった状態で産卵をすると、メスのお腹から出てくる

卵は、オスの体のかげになり写真には写りません。

メスがカメラ側、その奥にオスが寄り添った状態で産卵をするのが、理想の状態です。

産卵の時に、オスが手前にくる確率は50%、メスが手前にくる確率は50%ですから、

この理想の状態になるためには、とにかく撮影の数をこなすしかないと思っていたの

ですが、今日は、ちょっとした操作で、メスが手前、オスが奥という理想の状態に誘導

できることに気が付きました。

(フィルム1本撮影)

   
   
1月11日

メダカの撮影・12日目

メダカは、早朝に産卵をするので、撮影は、その時間帯に合わせて行います。

まだ、暗いうちに準備を整えておかなければならないので、寝泊りは、撮影用水槽を

設置している北九州市の事務所で行っていますが、だいたい毎日、直方市の自宅に

も帰宅しています。

直方の自宅には、たいてい家族の誰かが家にいて、郵便物の受け取りに関して安心

ができるため、現像所から送り返されてくる現像済みのフィルムや、貸し出した写真

の返却先に指定していて、そういった郵便物を取るためです。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月10日

メダカの撮影・11日目

今日も、早朝からメダカの産卵行動を撮影しました。

現在、3つがいのメダカが、毎日産卵をしています。

その中の2つがいを撮影に使用し、あとの一つがいは、何かトラブルがあったときの

ために温存しています。

今日、撮影したつがいはおとなしく、水槽の中であまり動きまわることがないため、

カメラで追いかけやすい半面、いつもじっとしているので、たくさん撮影しても、似た

ような写真ばかり、たくさん出来上がってしまいます。

また、撮影に使用している別のつがいは、水槽の中で、四六時中動き回り、落ち着きが

ありません。

このつがいを、カメラで追いつづけるのは骨が折れますが、オスとメスとの位置関係

が、絶えず変わるので、いろいろなシーンを撮影することができます。

どちらにのつがいにも一長一短があり、そこが生き物の撮影の難しさでもあり、

面白さでもあります。

   
   
1月9日

メダカの撮影・10日目

 メダカの産卵の撮影を始めて10日になります。

ここ4日間(1月6日〜9日)は、すべて撮影開始から約30分でメダカが産卵をしました。

どうすれば、すぐにメダカが卵を産むのか、完全に把握できたようです。

今日は、モデルのメダカが産卵を終えた時点で、あと一組、すぐにでも産卵しそうな

つがいがいたので、そちらも撮影。

約2時間で、2つがいの産卵行動を撮影することができました。

メダカの産卵の撮影に一週間以上の時間を費やしてきましたが、うまく撮影すれば、

通常30分、遅くても1時間くらいの時間があれば、撮影できていたことになります。

 現在、メダカの産卵と並行して、メダカの卵の発生(成長)の写真を撮影しています。

こちらは、卵が孵化して稚魚になるまでに10日以上の日数がかかり、その間、一日

一度の撮影と水替えが必要なため、遠出をすることができません。

この機会に、まだまだ産卵の写真も撮りつづけます。

(フィルム12本撮影)

   
   
1月8日 昨年末に撮影したザリガニの現像が、仕上がってきました。

調度、年末に重なったため、年明けの1月4日に、フィルムを現像所に向けて発送した

のですが、昨日の午後、現像済みのフィルムが送り返されてきました。

今月の水辺・1月号は、ザリガニの予定です。

今日は、午後から、送り返されてきた写真の選別を行い、スキャナーでデジタル化を

して、準備に取り掛かりました。

メダカの産卵の撮影〜卵の撮影〜今月の水辺の準備と、めまぐるしい一日になりま

したが、さらに、今晩は、再度ザリガニの撮影を予定しています。

何気なくシャッターを押していたザリガニの細かいしぐさの中に、面白い写真がたくさん

あり、もう少し撮っておきたくなったからです。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月7日

メダカの撮影・8日目

今日も、メダカの産卵の撮影です。

撮影を始めてから約30分でメダカが産卵。

昨日は、水槽の隅っこでメダカが産卵をして撮影ができなかったので、今日は、水槽

の中央付近で産卵行動がおきるようにメダカを誘導して、予定通り、産卵の様子を

撮影することができました。

メダカの写真は、たくさん撮ってほしいという注文を受けているので、あと何日間か、

同様の撮影を繰り返し、セットを変えたり、モデルを代えたりして、産卵の写真を

何パターンか撮影する予定です。

(フィルム3本撮影)

   
   
1月6日

メダカの撮影・7日目

今日は、これまでと違う方法で、メダカの産卵の撮影にのぞみました。

といっても、写真術に改良を加えたのでなく、メダカの取り扱い(飼育のしかた)を、

いつもと少し変えただけです。

今、僕が一番苦労しているのは、メダカが卵を産むまで待たないとならないことで、

長時間、カメラでメダカを追い続けながら産卵を待たなければならなかったり、

中には、1月3日のように産卵をしない日もあることです。

ところが、今日は、撮影を始めてわずか30分ほどでメダカが産卵をしました。

自分のねらったタイミングで産卵をさせる要領がつかめたようです。

残念ながら水槽の一番端っこで産卵をしたため、撮影をすることはできませんでしたが、

あとは、若干の改良と、撮影回数を重ねて、メダカが水槽の中央付近で産卵してくれる

まで撮り続けるだけです。

メダカは、僕がテーマとしている水辺の生き物の中でも、特に人気がある被写体の

一つで、中でも、産卵の様子と卵の発生は、特にニーズが多いため、今回撮影した

写真が何度か使用され古くなると、また、同じシーンを撮影し直さなければなりません。

今回は、単に撮影するだけでなく、撮影の手順を確立することを目標としていましがが、

目標が達成できそうです。

(フィルム1本撮影)

   
   
1月5日

メダカの撮影・6日目

今日は、早朝に撮影用水槽の照明を点灯した時点で、すでに、メダカが産卵を終えて

いました。

急きょ、他のメダカの様子を確認すると、今日、撮影を予定していたメダカの他にも、

産卵を間近に控えたメダカがいます。

モデルを代え、撮影を継続しようと思い、一瞬、準備に取り掛かろうとしたのですが、

どうも産卵の撮影に関しては、めぐり合わせが悪い。

そこで、リズムを代えるため、産卵の瞬間の撮影から、卵の撮影へと予定変更。

産卵を終えた後、卵を、おしりにぶら下げているメダカから採卵し、産卵直後、

4時間後、7時間後、12時間後の卵を撮影。

この卵は、明日からも継続して撮影を続けていきます。

撮影しないとならないシーンが多い時には、どこか集中できず、あと一歩のところで

何度も撮影チャンスを逃してしまうことがよくあります。

そんな時は、意固地にならずに、すぐに撮影できるものから撮影を済ませ、仕事の量

を減らして、改めて撮影にのぞむことにしています。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月4日

メダカの撮影・5日目

今日は、アクシデントが発生。

僕の利き目である右目のコンタクトレンズを紛失。

一時間ほど探すが見つからない。

しかたなく、古いコンタクトレンズを着用して撮影にのぞもうとしたが、すでにメダカは

産卵を終了していた。

今日に限って、早朝のとても短い時間で産卵を終えてしまった。

ここ数日、どこかめぐり合わせが悪い。

眼科に行き、これまで使用していたレンズと同じ物を購入。

目に入れてみると全く視力がでない。

昨日まで使用していたレンズと全く同じ物のはずなのに ???

検査の結果、眼球のカーブがなんらかの理由で一時的に変わってしまったらしい。

新しい眼球のカーブに合わせたレンズに交換してもらうが、眼球のカーブが元の状態に

もどると、今度はこのレンズの方が合わなくなるらしい。

事務所に帰り、雑用をかたずけていると、さっそく新しいコンタクトレンズの視力がでなく

なってきた。

明日は、当面左眼で撮影をして、再度眼科に行かなければ。

利き目ではない左眼で、動くものにピントを合わせるのは、とても神経を使う。

明日、メダカが今日のように、早朝の短時間に産卵をしてくれればいいのだが・・・・。

   
   
1月3日

メダカの撮影・4日目

今日は、早朝から撮影を始め、午後4時頃まで水槽の前で待機しましたが、メダカが

産卵をしてくれませんでした。

メダカは、水温が15℃以上、1日の中の昼の時間(日長)が13時間以上の条件が

整えば、ほぼ、毎日産卵をする魚です。

また、明日、撮影を試みるしかありません。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月2日

メダカの撮影・3日目

昨日、準備したメダカの撮影用水槽を使い、メダカの求愛〜産卵の撮影を試みました。

メダカは、産卵の直前になると、オスがメスの周りをクルクルと回り求愛をします。

やがて、オスとメスとが並んで泳ぐようになり、最後に、オスが尾びれをメスの体に巻き

つけるような体勢になり、メスが産卵をします。

今日、撮影することができたのは、求愛〜オス・メスが並んで泳ぐところまでで、

最後の産卵のシーンだけを撮影することができませんでした。

撮影には、ストロボを使用しますが、シャッターを押すと、メダカがストロボの光に驚いて、

求愛やオス・メスが並んで泳ぐ行動を中止してしまうため、産卵の撮影まで至らなか

ったからです。

明日は、求愛中はメダカを脅かさないようにシャッターを押すことを控え、産卵のシーン

のみをねらって撮影する予定です。

(フィルム2本撮影)

   
   
1月1日

メダカの撮影・2日目

今日もメダカの産卵の撮影です。

昨日と同様に、早朝に水槽のライトをつけ、撮影を始めました。

メダカは、すぐに求愛行動をはじめ、順調に撮影できるかに思えましたが、2点ほど、

撮影用水槽に修正を加えた方がいい点が浮き彫りになりました。

一つ目は、メダカが水槽の端っこの方で求愛をする傾向にあり、もしも、そのまま水槽

の端っこで産卵をしてしまうと、水槽の枠が写真に写り込んでしまう点です。

二つ目は、メダカが、水槽の奥に植えてある水草の中に隠れ込みがちで、水草に隠れ

たり出てきたりするメダカを、常にピントを合わせた状態で追い続けると目の疲労度が

大きく、ピントの精度が上がらなくなってしまう点です。

これまで水槽撮影では、このような小さな修正個所は無視して、数をこなすことによって、

強引に撮影をしていましたが、今回は、単に写真を撮るだけでなく、苦手とする水槽で

の撮影で、スマートな撮影スタイルを確立することを目標としているので、今日は、

撮影用水槽のセットを作り直し、より撮影に適した状態に改良をすることにしました。

試行錯誤の結果、夕方には準備が整い、明日は新しいセットで撮影にのぞみます。

   
2000/01〜